作品情報
日本経済の罠は、題名が呼び込む世界を手がかりに、人や時代の輪郭を静かに浮かび上がらせる。
『日本経済の罠』は、小林 慶一郎による経済書。バブル崩壊後の長期低迷を、不良債権処理や政策判断の遅れから分析する。 受賞作としての読みどころは、題材の珍しさだけでなく、人物や出来事を通じて時代の空気を伝える点にある。読者は、物語や論述の進行に沿って、背景にある社会や価値観の変化までたどることができる。
書籍情報
- 出版社
- 日本経済新聞出版
- 発売日
- 2001-03-01
- ページ数
- 435ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784532148560
- ISBN-10
- 4532148561
- 価格
- 405 JPY
- カテゴリ
- 本/ビジネス・経済/経済学・経済事情/各国経済事情/日本/一般
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レビュー
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1年半の「積読」後、やっと読みました。
話題になっていたので、ミーハーな気持ちで出版当初に購入したものの、 とっつきにくそうなイメージで読まずに放置していました。 購入してから1年半後、仕事でマクロ経済学を少し使うことがあったので、 この本を読んでみたのですが、目からウロコが落ちまくりでした。 経済学専門家の間では意見が割れているようですが、 一般の人を対象にこれほどわかりやすく経済学を使って、 今の日本の経済状況を説明してくれている本はないかと思います。 感情論に流されがちな私達一般の人に、大変ありがたい助かる本です。
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90年代日本経済を徹底解析した傑作
正直、読んで圧倒された。 90年代の日本経済については至るメディアであらゆる議論がなされているが、きちんと体系的に解析したものはほとんどなかった。たとえば不良債権が問題だと言っても、それがなぜ問題なのかについて経済学的に分析した本や論文はなかった。 この本は今までの議論を理詰めで徹底的に分析することで俗説を完膚無きまで打ちのめし、最新の金融工学理論をベースに詳細かつ具体的な再生案を提示してある。そのためには400ページ以上の枚数が必要だったようだが、これは理論的な掘り下げもない10ページ程度の俗説を100読まされるよりはるかにためになる。(内容の難解さの割に驚くほど読みやすい。) 90年代の日本経済を分析した本としては間違いなく最高傑作で、最近流行の安っぽい経済入門書を読むよりはるかにためになる。 しかし疑問が一つ。これだけ優秀な政策スタッフを内部に抱え、これだけ徹底的に分析を行っているにも係わらず、政府はなぜ改革速やかに実行できないのだろうか。ここには日産改革と共通するものがあるのかもしれない。問題はわかっていてもそれを解決できない。それが日本が陥った最大の罠なのかもしれない。とすると、政府に対するゴーン役としてIMFが必要になるのだろうか。
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若手エコノミストの力作
この本の著者は、通産省出身で、米国大学院で博士号を取得した、二人の若手エコノミストです。日本経済がなぜ10年以上の長期低迷に陥ったのか、そしてこの状態から脱し、成長軌道に戻るために必要な処方箋とは何か、ということについて、最新の理論を用いて、議論を展開しています。この本は、今年の日経・経済図書文化賞を受賞したので読んでみましたが、今まで疑問に思ってはいても、どう考えればいいのか分からなかった問題に踏み込んでいて、大変面白い本でした。本論の重要な理論的バックグラウンドは、小林氏が別の論文として書かれた物に基づいています。そのため、この本自体は、数式もなく、理論ゴリゴリではありませんが、一定の経済的な知識を持った学生や実務家にも直観で理解できるように、わかりやすく書かれた、「啓蒙書」という言葉がぴったりだと思います。
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徹底した分析、斬新な政策論
評判に違わずこの夏一番の収穫でした。 分析の緻密さはこの手の本では他を圧倒しています。日本でもようやくこういった本格的で徹底した経済分析を、門外漢でも読めるように工夫した本が出たな、というのが正直な感想です。斬新な分析に加えて経済政策についてのほぼ全論点が手際良くまとめられていて、新聞や論争誌を読む目が変わります。最近ではテレビでの論争とかにもよく引用されているので経済論争を理解したい人はぜひ読んだ方がいいと思います。 守旧派や構造改革反対論者には不快な内容と思われ、感情的な反論も出てくるかもしれませんが、そんな無意味なことではなく、構造改革反対論者からこの本に対する徹底した理論的な反論を聞いてみたいものです。
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裸の王様
本書に対する異常に高い評価(良くも悪くも)に驚くばかりだ。 ブランシャールがロシアのハイパーインフレの分析のために開発したアイデアが、なぜ戦後世界で初めてのデフレに適用できるのか?いくら読んでも、本人の説明を聞いても、全く解らない。これが90年代の謎を解明する名著だと思われていることに、日本の経済学のレベルの低さを痛感するばかりだ。
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一般受けはするが、凡庸
はっきり評価が分かれている。平明で、話題としてもある程度のオーディエンスは獲得しやすいが、正直、内容としてはいかにも凡庸と感じた。そもそも著者らも役所に十年おり、その時間を学術的な研究についやしており、辻褄が合わない。官庁は行政の要であり、公僕として自らの手を下すのが本分であろう。ある程度最近の論文に明るく、経済などを平明な英語で学んだことがあれば、この書籍に書いてあることを読んでも、目新しいことは特にないとする批評が相当と私も思います。
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面白いし勉強になりますが
理論の筋道が通っており、また2001年1月の時点で出版されていることを考えると、政府は恐らくこれを読みながら経済政策を運営しているのでしょう。本書に述べられていることが続々と実行に移されています。 しかしながら気になるのは、数値的な裏付け、シュミレーションによる補強が、特に核となる部分において欠けていることです。 例えば不良債権が引き起こす企業間のディスオーガナイゼーションをゲーム理論で説明しているところはすばらしい理論展開なのですが、実際に日本経済でそれが起こっていたのか、停滞の主因だったのかは疑問です。 今からでも追跡研究して欲しい部分です。
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明快な論理、謎解きの世界
大学で教科書指定された本です。 ここ数年で読んだ経済書の中で一番刺激的でした。 論理は明快で切れ味が鋭くて、日本経済を低迷させた原因を探求していく過程はまさに謎解きの世界で一気に読めました。新聞を読む視点が変わります。お勧めです。
関連する文学賞
- 大佛次郎論壇賞 第1回(2001年) ・奨励賞・奨励賞