作品情報
一人の喜劇俳優の軌跡から、日本近代の舞台と社会を読み直す評伝。
松竹新喜劇の源流ともされる曾我廼家五郎を、俳優としての活動だけでなく、興行、都市文化、戦時下の社会との関わりから捉え直す。国立劇場所蔵品を含む資料を用い、忘れられつつある「喜劇王」の人生と作品を近代日本の文化史へ位置づける。
レビュー要約
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自伝や伝記を再検証して五郎と劇団の活動を整理した点、そして一人の役者の足跡から近代日本の喜劇史を具体的に描き出した点が評価されている。
書籍情報
- 出版社
- 白水社
- 発売日
- 2024-04-01
- ページ数
- 280ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 19.4 x 14 x 2.7 cm
- ISBN-13
- 9784560092798
- ISBN-10
- 4560092796
- 価格
- 4950 JPY
- カテゴリ
- 本/エンターテイメント/演劇・舞台/演劇
第51回大佛次郎賞受賞! 文化的正当性をめぐる「泣き笑い」の日本近代史 〈教養を高める文化活動としての「観劇」ではなく、日常生活の憂さを忘れる娯楽としての「芝居見物」を好んだ人の多かった時代、五郎劇は歌舞伎とならんで格別の楽しみを与えてくれる存在だった。だが名実ともに「喜劇王」だった五郎の芝居を今覚えている人はほとんどいない。〉(「序章 肖像画の五郎─演劇近代化の諸問題」より) 松竹新喜劇の「伝統」を創った元祖・日本の喜劇王! 曾我廼家五郎(1877-1948)の初の本格評伝。 歌舞伎や俄をもとに、日本に「喜劇」という語を定着させ、明治・大正のモダニズム文化を駆け抜け、エノケンやロッパが登場してくる昭和初期まで唯一の日本の喜劇王として君臨した曾我廼家五郎は、なぜ忘れられてしまったか? 戦争の時代を経て喉頭ガンで亡くなるまでの人生と作品を、国立劇場所蔵品をはじめ浩瀚な資料とともに、当時の政治や社会の動きと関連づけながら跡づけてゆく。 最初は革新者、後年は伝統の体現者として歴史に名を残そうと格闘するさまが明らかに! 文化的正当性をめぐる、「泣き笑い」の日本近代史。図版多数収録。喜劇関連年表・索引つき。 [目次] 凡例 序章 肖像画の五郎──演劇近代化の諸問題 第一章 「喜劇」の誕生──一八七七〜一九〇四年 第二章 「喜劇」の普及──一九〇五〜一九一四年 第三章 「喜劇」の改造──一九一五〜一九二九年 第四章 「喜劇」の変質──一九三〇〜一九四五年 第五章 「喜劇」の終焉──一九四五〜一九五五年 あとがき 附録曾我廼家五郎関連喜劇年表 重要人名索引
[著者略歴] 日比野 啓(ひびの・けい) 1967年福岡県生まれ。演劇史・演劇理論。成蹊大学文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科(文学修士)、The Graduate School of The City of New York (M. Phil)。東京大学大学院総合文化研究科助手、成蹊大学専任講師、助教授、准教授を経て、現職。著書に『アメリカン・ミュージカルとその時代』(青土社、2020年)、『三島の子どもたち──三島由紀夫の「革命」と日本の戦後演劇』(白水社、2020年)。共編著にMusic in the Making of Modern Japan: Essays on Reception, Transformation and Cultural Flows(Palgrave Macmillan, 2021)ほか。編著書に『「地域市民演劇」の現在──芸術と社会の新しい結びつき』(森話社、2022年)、ほか。共著に『戦時下の演劇──国策劇、外地、収容所』(森話社、2023年)、『アメリカ文化事典』(丸善出版、2018年)、『日本戯曲大事典』(白水社、2016年)ほか。訳書にマイク・デイヴィス『要塞都市LA増補新版』(青土社、2008年)ほか。
レビュー
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評伝を楽しむ!
或いは七面倒くさそうで、フツーは敬遠してしまう一冊でしたが、 読み始めるとグイグイ引っ張られように魅了されました。 巻頭に掲げられた「曾我廼家五郎・肖像画[国立劇場所蔵]」の ”物言わぬ”インパクトも、並じゃあ、ありませんでした。
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観劇前に一読
迅速に対応いただき助かりました。観劇の前に読んで役立ちました。
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