日本の文学賞

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[証言録]海軍反省会

菊池寛賞

[証言録]海軍反省会

戸髙一成とPHP研究所

旧日本海軍関係者による反省会の証言を、戸髙一成編でまとめた大部の記録。戦争指導と組織判断を当事者の発言からたどり、歴史資料としての重みを持つ。

歴史記録海軍ノンフィクション

作品情報

当事者の証言が、海軍という組織の判断と反省を浮かび上がらせる。

『[証言録]海軍反省会』はPHP研究所から刊行された証言録シリーズ。菊池寛賞では、戸髙一成とPHP研究所による全11巻の刊行事業が対象となっている。

書籍情報

出版社
PHP研究所
発売日
2009-07-31
ページ数
514ページ
言語
日本語
サイズ
15.8 x 3.5 x 21.6 cm
ISBN-13
9784569709703
ISBN-10
4569709702
価格
4400 JPY
カテゴリ
本/ノンフィクション/思想・社会/戦争/海軍

8/9.10.11に3夜連続NHK総合『NHKスペシャル』にて放映! 「数百時間に及ぶ、日本海軍中堅幹部の肉声が遺されていたという事実に、 驚きを禁じえない。感動した」と、戦史研究家の半藤一利氏も 思わず心高ぶった感想をもらされたように、本書は、極秘で開催され続け、 その後、現在まで秘蔵されていた、「海軍反省会」の生々しい記録である。 「海軍反省会」は、昭和55年3月28日に、水交会で第一回を開催し、 以後、12年にわたり継続した。本書は、この第一回から第十回までの会議において、 各員が発言した記録のテープを文字に起こしたものである。 この十回分を選定したのは、全体量が膨大で、全文の刊行が困難であることもあるが、 当初、この程度の会合で、一定の結論を出すことを目的としたため、 初期の会合で、重要事項がほぼ網羅されているためでもある。 肉声に宿る、真実の証言が満載された、読み逃せない一冊である。

1948年、宮崎県生まれ。多摩美術大学美術学部卒業。1992年、(財)史料調査会理事就任。1999年、厚生省(現厚生労働省)所管「昭和館」図書情報部長就任。2005年、呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長就任。主な著書に、『[証言録]海軍反省会』(編・全11巻)『戦艦大和に捧ぐ』『聞き書き・日本海軍史』(以上、PHP研究所)などがある。

レビュー

  • NHKスペシャルで採り挙げられなかった本質。

    NHKスペシャルで放送されてから、早や4年。 本を買ったは良いが、500ページ近い厚さに圧倒されてなかなか開読に踏み切れなく居ましたが、この度やっと時間を持つ事ができ、通読しました。けど、読み始めてビックリ。意外とサクサクと読み進められ、当初は1ヶ月掛かると思っていた通読が概ね10日(約2時間/日)で清みました。今は3巻目です。 NHKスペシャルでは反省会の概略を紹介していたのだろうと思って居ましたが、実際の反省会はもっと底が深かったですね。 反省会の最初の10回分との事で、未だ議事の進行が定まらず横道に逸れてばかりなので、議事の進行方針をはっきりさせようと言いつつ、また横道に逸れてみたりしてますが、まあそんな物だと思います。 けど、そんな横道に逸れていると、個人が思った事をそのまま発言しながら問題の根底に入り込み、根源的な本質を看破してみせたりするのが鋭いです。反省会当時で既に参加者は七十代から八十代に達していたのに各意見は鋭く、年齢による思考の減退も観られず、むしろ最近の評論家程度は全く寄せ付けない様な意見・分析を披露して居るのは圧倒されるばかりです。 面白い事がふたつ。 ひとつは、何でどうやって開戦が決まったかがはっきりしない点。 巷では例えば「海軍がノーと言えなかった」とかの色々な論理が展開されてますが、私としてはどうも胡散臭くて「それが結論かよ!」って、優等生の作文みたいで信用出来ない。この反省会ではそれらの論理が断片的には出て来るも、もう一歩深いところを行ってます。 が、一貫していない。全然意見が煮え切らない。よく判らない。此れは以降の10巻までの間に何らかの結論を見出せるのかを期待して読みたいです。 もうひとつは、高級将校教育の話しから哲学が何だと至る話し。 そうなんですよね、教育を行うにしても根底となる哲学が出来ていないと画龍で終わってしまうんですよね。哲学が無いと軍も行き場を失うし、国も四分五裂になってしまうんですよね。 で、今の日本にどんな哲学があるんだろうかな? ただ、この本を読むには事前にある程度の旧海軍に対する知識が必要です。所々、「えっ、何の話し?」なんて事が在りますので、何かしら旧海軍の問題を網羅した例えば千早正隆著書等を読んでいると取り付き易いと思います。

  • 中には、いい論考もあります。

    俺は分かってた、とか、陸軍のせいで、とかいう、どうでもいいような言い訳もありますが、いい論考もあります。 それにしても、陸軍と海軍がこんなに意思疎通を欠いていて、本当に、なんで戦争なんかできたんですかね。 時の勢いというのは恐ろしいもんですね。

  • 商利主義に終わるなかれ

    NHKスペシャルを含め拝見しました。 陸軍参謀本部の奥の院をのぞき見るようなことが、 海軍軍令部でもあることが良く認識できました。 しかしながら、10回分で要足れりというのは如何なものか? 番組の内容も包括していないし、このままだと、単なる商利主義に 終わったと評されはしまいか? 本資料は、超一級の資料であり、学術上貴重である。 引き続きの刊行を、発行元のPHP研究所と検討いただきたい。 その方が、松下幸之助氏の思いに叶うものと信じます。 防衛省や旧軍関係者に委ねれば、また封印されるでしょうから、 権利関係を整理してでも、続刊して頂きたい。 防研戦史叢書が如何に上級者に対して都合良く、かつ死者に 責任をなすりつけているかを見るにつけ、市井の研究者に 今後の日本のために、続けて頂きたく、期待を込めて星一つと させて頂きたい。

  • 戦争に至る真実の証言

    海軍において、太平洋戦争に至るまでの真実を生々しく語っている歴史的証言本。 ただ、この反省会に出席されている方々は、みな当時から戦争に反対だったとの立場で、賛成だったとの立場の方は出席されていない。当時より、米国との長期戦線の維持が困難であるとの認識がありながら、何故こうした結果になったのか、戦後60年以上が経過し、おぼろげながら理解できる貴重かつ大変有意義な記録書だと思いました。

  • これ程の迫真の第一次資料があるだろうか。

    第一次資料として、これ程、価値のある本はない。太平洋戦争を第一線で戦った海軍高級将校の本音がここにある。本音だからこそ、発言者が存命中は秘密としたのだろう。世界第三位を誇った 帝国海軍は何故、滅んだのか。その答えがここにある。最近、「海軍反省会10」が出版された。 いよいよ終盤、熟読したい。

  • 評価に迷う・・・反省の色なし

    会話が生々しく、ついつい引き込まれて読んでしまう。 出席者の熱意も伝わってくる。 しかし、読後に感じるのは欲求不満。 誰それはけしからんとか、勝つとおもっとったのは誰なんやとか。 有意義な議論であるのか、はたまた不毛な議論であるのか。 読み進むにつれて、けっきょくいままで語られてきた ゴシップの集大成にすぎないのかもしれないと感じた。 読みたいものは、まったく別のものじゃないかと・・・。 別の視点が必要だと思う。 反省の気がない主席者もあり、昔話を懐かしんだり、 上司の悪口を言う酒席のざれごとに似た部分もある。 やはり第三者でないと、客観的な分析は不可能らしい・・・。

  • 聴こえて来る静かな慟哭

    読むのに大変苦労しました。当然ですが、もろ会話なので・・・。 前半は、大きくは海軍の人事教育の是非と反省。 後半が、具体的に、永野修身をはじめとする開戦当時の海軍首脳の判断について。 反省会は、出席者がやや緊張しているのか遠慮がちに始まり、中盤くらいまで静かに行われている印象です。変わるのは、反省会の議題を見直すことになり、主題が開戦是非論になっていく中盤以降です。 彼等は、その場に居たのです。そのリアルさ。 帝国軍人の生々しい言葉に接することの出来る本書は、あの戦(いくさ)を考える際の必読書と言えるでしょう。

  • 適当なつくり

    なぜ10回分で足りると思った? 上澄みをすくうような、形だけの書物。生の声を拾ったという点でも他の書物に劣る。

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