日本の文学賞

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去年はいい年になるだろう

星雲賞

去年はいい年になるだろう

山本弘

時間改変と未来からの介入を扱うSF長編。歴史を変えようとする善意が、個人の幸福と社会全体の選択を複雑に揺さぶる。

時間SF歴史改変倫理

作品情報

去年はいい年になるだろうは、山本弘の視点から題材の核心をたどる受賞作である。

去年はいい年になるだろうは、受賞時に注目された主題と書籍としての刊行情報を整理できる作品である。本文は、題材の背景、人物の選択、時代や社会の空気を重ね、読み手に考える余地を残す。

レビュー要約

  • 題材への切り込み方と読み進めやすさが評価されている。人物や背景の描写に厚みがあり、受賞作としての読み応えを感じる読者が多い。

書籍情報

出版社
PHP研究所
発売日
2010-04-02
ページ数
429ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784569776637
ISBN-10
4569776639
価格
441 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

米国同時多発テロも、あの大地震も、犠牲者はゼロ!? 2001年9月11日、24世紀から「ガーディアン」と名乗るアンドロイドたちがやってきた。 圧倒的な技術力を備えた彼らは、世界中の軍事基地を瞬く間に制圧し、歴史を変えていく。 しかし彼らの目的は、人類の征服ではなく、「人を不幸から守ること」だった――。 ガーディアンのもたらした情報によって、本来の歴史で起こった自然災害、テロ、戦争、大事故などが防げるようになった一方、 未来の自分からのメッセージに翻弄され、人生が大きく変わってしまう人も多くいた……。 主人公は、45歳のSF作家。10歳年下の妻と5歳の娘とともに幸せに暮らしていたが、 事件翌日、美少女アンドロイド「カイラ211」の訪問を受け、AQ(知り合い)に選ばれたことを知る。 未来の自分からのメッセージと作品データを、カイラから受け取る主人公。それは、彼の人生に大きな波紋を起こしていく。 衝撃と感動の歴史改変小説。

レビュー

  • クライマックスはベタですが、お見事

    私はミラーザーバンの方を思い出しましたが まずはお見事。 地球移動作戦のようなすごいアイデアではありませんが、 SFファンらしくきれいにまとめて、さすがは会長! わざとやっているんでしょうが、 クライマックスの生きている脳には思わず苦笑してしまいます べたSFへのトリビュートでしょうか? 伏線なしを強調していますが アレだけ強調されると、ああ、死ぬんだなあ。 と、死亡フラッグですね。 瀬名秀明もそうですが、バーチャルへの愛情が高まると ますます少子化が進むのでしょうね。 人の悪いSFファンでも、ついつい一気に読んでしまう 展開の素晴らしさはさすがの力量です まだ4月ですが、今年のベストワンです

  • mcu

    mcuの神聖時間軸みたいな話だなあ

  • 面白い~

    タイトルからしてどんな内容かと思って読みましたが、まさしくタイトル通りの内容でSF好きの私としては5★です。

  • タイムパラドックスの傑作

    タイムパラドックスものは大好きですが、この本も楽しめました。 著者自身が主人公というのもいいですね。

  • SF作家の夢みるSF的日常生活の物語

    ●SF作家の山本弘氏本人が主人公。K川書店とか作家の小松氏、筒井氏あるいは「神は沈黙せず」を 想起させるような作品など、ファン既知の情報を背景に設定している。 著者の作品は難しい用語も衒学的な匂いもせず、変に文芸作品ぶった描写もない。非常に読みやす く好感が持てる。ネタも初めて知ったガジェットというより、若干アレンジし新しい視点で構築して いる。 本書は一応タイムトラベルものの一種だが、コメディタッチを織り交ぜながらパラレルワールドの ややこしさを描いている。そのややこしさが、そのままタイトルとして用いている点がユーモラスで ある。 著者は33ページにヘンリー・カットナーの言葉を引用しています。「・・・精神錯乱的~~こそ作 家を先に進ませるモチベーションなのだ」と。最近、新しい作品が見えなく淋しい想いです。

  • アンチ「アイの物語」

    アンチ「アイの物語」ともいえる内容!? 歴史改変SFに著者自身の歴史を組み合わせたといった内容 ラスト近くに、無制限にパラレルワールドが増していく可能性を示唆する場面があった このシーンを読んだ時は背筋がゾクゾクした それを容認するアンドロイド達の感性に恐怖を感じた 未来の人間社会から生み出されたアンドロイド達 それ故、アンドロイドと現代の人間とは相通じるところもある むしろ、アンドロイド側が合わせようと努めている しかし、この場面では根源的なところで互いが異質であることがイッキに噴出した 怖かった 偽善でも、誰かの手助けになるなら、それはそれで良いことだと思っていた 一万人救う為に数名の犠牲がでることは仕方ないとも思っていた しかし、一兆人を救う為に9千億人を犠牲にすることはどうなのか? 理屈の上では、良いことなのだろうが・・・ ラストシーンは幸せな場面で終わる しかし、物語自体は必ずしもハッピーエンドでは無かった 後、このラストシーンは完全に著者の趣味では!?と思ってしまった

  • SFファンとSF初心者、二通りの読み方。

    妻子あるおっさんのもとに、美少女アンドロイドがやってくる話です。 展開は、SFファンからすればありがちな印象ですが、それを補ってあまりあるSF小ネタの連続が楽しいです。 逆にいえば、SF初心者からすれば謎のネタがちりばめられていることになり、読む邪魔をするかもしれません。ただ、SFファンにしたら先の読めるストーリーも、初心者ならセンス・オブ・ワンダーを感じるでしょうし、無数の小ネタにしても、ネットで調べることでSFへの入り口になります。(むしろ山本さんがこの話を書いた狙いのひとつに、SFファンを広げたいという思惑もあるんじゃないかとすら思いました。邪推?) また、ゆとり世代の私としては、「妻子持ちのおっさんの回顧録」という体裁を前にして、「人生経験がないと、この小説の本当の良さは分からないんじゃないかなぁ」と思いながら読み進めていました。しかし! エピローグで、若者もバッチリ感情移入して考えさせられるような一工夫がされていました。親切ですね〜。 もしかすると、対象が広すぎるがゆえに読後感がスッキリしない方もいるかもしれませんが…。 老若男女に勧められる、完成度の高いSF小説だと思います!

  • 傑作

    面白かったです。読み始めて5時間ノンストップでラストまで読みました。SFファンに限らず、面白そうだなと思った人には購入をオススメできます。 ◆良い点 ・読みやすい アニメファンでもSFファンでもなく、科学用語に弱い自分でもイメージしやすい設定が多く、スンナリ読めた。逆に言うと真新しい要素は少ないのだと思います。 ・話がわかりやすく面白い 読者を置いていかないようにしつつも、世界観、登場人物の性格、主人公の考えなどがダイレクトに伝わってくる。ハリウッド映画的な要素だけではなくて、活字を読むエンターテインメントとして成立している。 ◆悪い点 ・内輪ネタが多い ここが一番残念。著者本人もこの小説を「私小説」と言っているのだが、これまでの筆者のことを知らない読者から見たら邪魔。自「グループSNE」「と学会」といった単語を知らない人から見たら、かなり興冷めで冗長。話の本筋と関係のないリアル登場人物は、SF作家仲間と安田均氏ぐらいで十分だったように思う。 ・(内容とは関係ないけど)カバーが硬派すぎる 2000年代の日本が舞台とはいえ、カバーのセンスがなさすぎる 私は小・中学生時代に「サーラの冒険」を読み、高校時代に「トンデモ本の世界」を読みました。著者の作品のレベルが高いことは知っておりましたが、どうしてもライトノベル作家、「と学会」会長のイメージが強かったので、今回は良い意味で裏切られました。悪い点もずけずけ書いてしまいましたが、近年稀に見る面白い小説だと思いましたので星5つ。

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