作品情報
父と娘が通学路を想像のジャングルとして楽しむ場面から、ふたりの親密な関係が伝わる。
ゴンサロ・モウレ作、マリア・ヒロン絵、星野由美訳による絵本。日本語版はPHP研究所から2023年12月に刊行され、2025年の第72回産経児童出版文化賞で翻訳作品賞を受賞した。
書籍情報
- 出版社
- PHP研究所
- 発売日
- 2023-12-21
- ページ数
- 33ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 18.5 x 13 x 1.7 cm
- ISBN-13
- 9784569881478
- ISBN-10
- 4569881475
- 価格
- 1870 JPY
- カテゴリ
- 本/人文・思想/教育学/障害児・福祉教育/障害児教育
第72回産経児童出版文化賞 翻訳作品賞受賞! わたしの目は、かすかに見えるけれど、パパの目は見えない。 でもね、パパはだれよりもずっと、たくさんのものを見てる――。 視覚障がいのある娘と父親は通学路をジャングル探検ととらえ、さまざまな想像を膨らませながら楽しく通学しています。行きかう街の車をパンダやジャガーなどの動物と見立てたり、横断歩道を大きな川にかかる橋と想像したり……。信号を待っている間の人混みのざわざわは、オウムたちの鳴き声のようです。 父親は、少し見える娘のことを「ぼくの ガイドさん」といいます。でも娘にとっては、父親こそが、頼れる「わたしの たいちょうさん」なのです。 「わたし」の視点で進むお話は「パパ」への信頼と愛情に溢れ、ふたりの強い絆が感じられます。 美しい色彩で、父親と娘の温かな心の交流を描いた優しい気持ちになれる1冊。 2021年クアトロガトス財団賞受賞、2022年IBBY オナーリストに選出のスペインの翻訳絵本。
ゴンサロ・モウレ 1951年バレンシア生まれ。ジャーナリスト、作家。子どもの権利、平等や環境をテーマにした様々な社会問題、西サハラの人々のための移動図書館ブビッシャーなどの社会活動を取り上げた作品を手掛けてきた。創作活動をしながら学校、図書館、読書クラブなどを訪れ、自分の作品について語る機会も設けている。これまでグラン・アングラール賞、アラ・デルタ賞、エル・バルコ・デ・バポール賞など、児童文学の分野で数々の賞を受賞。2017年には、全作品の功績に対してセルバンテス・チコ賞が贈られた。本書は2021年クアトロガトス財団賞を受賞し、2022年IBBYオナーリストにも選ばれている。 マリア・ヒロン 1983年バルセロナ生まれ。バルセロナ大学で美術を学ぶ。ボローニャとセビーリャで絵の勉強をつづけ、バルセロナへ戻ってからは、ジョッチャ美術学校でイラストレーションを専攻した。以後、本のイラストを多数手掛け、作品は様々な言語に翻訳されている。2010年、ボローニャ国際絵本原画展では、ジャンニ・ロダーリに関連したグループ展の参加作品に選ばれている。 星野 由美 早稲田大学教育学部卒業。スペイン語圏の絵本と詩の翻訳をしている。訳書に『どうしてなくの?』(偕成社)、『わたしたち』(岩崎書店)、『あさごはんで世界いっしゅう』(汐文社)、『いのちの ながさは どれくらい?』(ワールドライブラリー)、共訳に『フリーダ・カーロの日記』(冨山房インターナショナル)、『El alma de las flores(金子みすゞ詩集-花のたましい)』『Una luz que perdura(宮沢賢治詩集-ひかりは たもち)』(以上、Satori Ediciones)などがある。
レビュー
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特別なようで誰にでも起き得るものがたり
例えば毎日の退屈な通勤も、ヘッドフォンを付けて音楽を聞くだけでいつもの景色とは違って見える。しかし傍から見れば特になにもない日常だ。 この本では、父親は目が見えず娘は視力が弱く、父親が娘の登下校に付き添う様子が描かれる。ただそれだけのことがドキドキの冒険に変わる。 二人は言葉と想像力で現実に彩りを与えてゆく。車の走る都会はジャングルに、何気ない通りが海沿いに、横断歩道は吊り橋に…。 彼らのそれがごく普通の生活ならば、人の営みならば、人生は誰でもどんな時でも豊かになれる筈だ。そういう話だと思った。
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