作品情報
小池真理子の『虹の彼方』。
『虹の彼方』は小池真理子による作品。受賞対象として扱われた作品で、物語や論考の中心となる題材を通じて作者の関心が示される。
書籍情報
- 出版社
- 毎日新聞社
- 発売日
- 2006-04-27
- ページ数
- 532ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784620107011
- ISBN-10
- 4620107018
- 価格
- 2680 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
恋愛小説の最高峰。『恋』『欲望』にならぶ、小池文学の代表作が誕生! どうすればいい。あなたをこんなに愛してしまった――女優・高木志摩子(48)と、 作家・奥平正臣(43)がおちた恋。それは、とどまることのない恋だった。あらゆ るしがらみから、あらゆる道徳から、背を向けた「抗う恋」の行く先は? 恋は、 いっときの夢まぼろしと人は言う。しかし人は恋におち、もがきながらも、 一条の光を求めてゆく。小池真理子が描く、脈動する<希望>の物語。 駆け抜ける1052枚。恋愛小説の最高峰!
レビュー
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エイジレスへの渇望
流れるように読むことができます。主題は、エイジレスへの渇望でしょうか。作家の、それへの思いが、えぐるように、ここそこに描かれています。恋愛小説という以前に、主人公ではなく作家自身の、老いへの怖れと立ち向かい方の葛藤が、浮かび上がっています。作家が、それを企図したのであれば、それは成功しているように思います。「間に合ってよかった」「ふたりとも年齢不詳、エイジレスって感じ」これが、主題をつなぐキーワードではないでしょうか。
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なんか悲しい。
遅ればせながら小池真理子さんのファンになったのが6年前。 初めて読んだのは、「懐かしい骨」でした。 それからいろんな作品をむさぼるように読みました。 「恋」「無伴奏」など、恋愛小説なのか、 ミステリーなのかを分類できない作品たちを、 本当にため息混じりで読んできました。 一ページ目から全体に漂ってくる、おごそかで、 潔くて、崇高な、そして切ない。 そんな何とも言えない雰囲気が大好きでした。 でも最近は、登場人物に偏りが多く、 私小説?と思うものばかりです。 今回は特にその色が濃いと思います。 何となく、作者の願望ばかりが描かれているようで、 最後まで、志摩子をはじめとする登場人物に、 気持ちをリンクすることが出来ませんでした。
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うぅ〜ん、 この程度のものか・・
「起」の部分で「承」が予測でき、「転」の部分で「結」が実に容易に予測できた。 約一年間の新聞連載を単行本化した「作品」だけれど、その新聞掲載時に、何らの一言一句が引っかかってくることは無かった。 だが、単行本となったので、流れが切れることなく読めると思い、文章に期待感を持っていた。 一言でいうなれば、「駄作」である。テーマは旧態依然としてあるものだし、だからこそ、新しい切り口が見えればと思い、ページをめくるのだが、陰々とした心理描写の明け暮れで、このことに重点を置き過ぎたのが、この類の小説の普遍的なものから抜き出ることができなかった。 読後感は言うに及ばず、独特の癖のある文章も含めて、好印象は得られなかった。
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いいじゃない、いいよこれは...
とりあえず、私は、著者と年齢が同じである。初めて読んだ小池真理子の作品は随分前に刊行された「プワゾンの匂う女」、一昨年、十朱幸代主演で舞台化されたので懐かしさもあって観劇した。まだ、その作品には濃密な「恋」の予感はなかった。「虹の彼方」の装丁のライトブルーは、どういう意図があるのかはわからない。作品のテーマのどの部分が「虹」なのかもわからない。流麗な高木志摩子を著者に置き換えてみるには、ちとむりがあるかもしれない。言うに及ばず当方も正臣には到底なれない。が、著者と2人きりで話をしたら、恋多き女に変身した著者と真正面に対峙できる自信はある。 読んでみるべし。濃密な「恋」という愛がある。
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とっても切ないオトナの恋愛★
女優と小説家のロマンチックな大人の恋愛事情をドラマのように映画のように読みました。章の終わりに近づくにつれ、ややつまらなくなりましたが全体的に素敵なお話でした。
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腹立つ〜
ってまんまノせられてるのやも。 これ読んで皆さんどう思われてる?ってレビュー探しまくりましたもん。 だってこんな男どこが良いのん? 見慣れた古女房(+双子の愛娘)より新しい美人な女に欲情し過ぎ。 幼少時同じようなことで親に見捨てられたという背景があるにしては 失うものを学習して無さ過ぎ。 女主人公だって以前にもバッシングを浴びる不倫にハマった割りに・・・。 男女の愛で大事な事っていくつになっても火傷するくらい「熱い」ことなの? ええ〜そうかなぁ? でもまぁ、ラストの締めがこういう恋愛の「虹」の限界なのかな・・・。 すごく意地悪にこの後の二人を是非とも読んでみたいと思います。 この男、またこれからも同じパターンで「もうどうにも止まらない」んだろう・・・。
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期待はずれ
小池真理子の小説に必ず出てくるテーマが死と恋愛(不倫)。 そんな非日常(?)のテーマにグイグイ引き込まれるには、ごくごくありきたりの日常の中でこれらが語られてこそ。女優と小説家という設定にどうも違和感を感じます。それだけで、恋愛が遠い世界のものに感じてしまう。 今回は上海が出てくる。でも、その扱いがなんとも中途半端。 「魔都」と称され、レトロとモダンの混在するこの街の混沌、無秩序が二人の取った比道徳的な逃避行と重なるが、もっともっとそれを強烈に前面に押し出して描いて欲しかった。 何となく、上海の描き方が中途半端で、上海を舞台とした意味が無い。 それでも、道ならぬ恋の哀しさ、切なさの表現においては、さすが小池真理子です。 あまりに哀しく、切ない心理描写は彼女ならではです。 小池真理子にしか表現できない恋、この小説でもそれは健在です。 ただ、中途半端すぎて惜しい。 ひょっとして手抜き と、すら思えてしまうのは私だけ。
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恋愛を突き抜けている
遅ればせながら最近この本を読みました。 小池作品を読み出したのもつい最近で、 「恋」「望みは何と訊かれたら」に続いてこれが三作品目です。 この二人は男女なので恋愛の形を取っていますが、 恋愛を突き抜けた互いを思う純粋さを感じました。 きっとこの二人なら、親子や同性の友人としてめぐり合っても 互いに深く相手を思い真摯な関係を築いたのだろうな、と思います。 男女だからセックスもするけれど、 それは相手を思うあまりの表現のひとつ、といった感じで、 逆に肉欲とは反対のさらさらの乾いた印象を受けました。 社会的にも安定した地位があり、恵まれた環境にいるのに、 そういった相手に出会ってしまったからここまで行き着いた。 家族も周囲も自分もずたずたにせざるを得なかった。 正臣が、二人が若い頃に出会っていたら何事もなく結婚できて…と 思いをめぐらせるシーンがあるけれど、 40代のさまざまな経験を経た二人だったからこそ、 ダブル不倫以上の意味がある関係に行き着けたんじゃないかと感じました。 そういった意味では非常に大人向けの小説だと思いました。
関連する文学賞
- 柴田錬三郎賞 第19回(2006年) ・受賞