作品情報
差別の歴史を、周縁に置かれた人びとの働きから読み直す。
『河原ノ者・非人・秀吉』は山川出版社刊。NDL サーチおよび書店データで ISBN 9784634150218、715ページ前後の大部の図書として確認できる。
レビュー要約
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大部の史料読解によって、中世社会の差別構造と周縁の人びとの実際の活動を同時に見ようとする点が重要視されている。秀吉論を含め、挑発的な仮説を伴う研究として読まれる。
書籍情報
- 出版社
- 山川出版社
- 発売日
- 2012-05-01
- ページ数
- 713ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 14 x 4 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784634150218
- ISBN-10
- 4634150212
- 価格
- 3080 JPY
- カテゴリ
- 本/歴史・地理/日本史
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レビュー
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新しい視点
すばらしい
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良かった
歴史がよく分かりやすかった。
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新たな知見を得た
歴史に興味がある人でも、この手の表題の本は普通手にしないと思います。被差別部落やその周辺を研究してる人は読む価値あります。論文を書籍化したのかな…素人の私でも何とか読み進められました。興味が深まって☆5です。
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被差別者の歴史の中に秀吉を位置づけた
秀吉の話は全体の1/4くらい、秀頼の実父は大野治長という説をnetなどではよく見るが、著者の話はもっと意外で山田風太郎の忍者小説のようだ。ただし、史料の読み直しに支えられた、ちゃんとした話。しかし、日本も中世となると山のように文書が残っているんだな、と思ったし、いくつか写真も示されているが、専門家でないと読めないなというのが素直な感想。 被差別者の歴史の部分も大変興味深かった。ただし、新潟の中世の村落の境界の話は余りにマイナーではあった。素朴な疑問として、学問として歴史の真実を究明する等は理解できるが、その研究は必ずしも現代の差別解消には役に立たないのではないかと思った。なぜなら本書にも何回か古老の話として出てくるのが、”昔はどこそこは少々特別でなんとかという蔑称で呼ばれた人たちが住んでいましたよ。周りの村とは通婚もしませんでした、だけど今ではビルが立ち並び面影もなくなって、そんな昔のことを覚えている人もいなくなりました”とのことだ。差別解消は、こんな風にしかできないのではないだろうか。
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現代日本の差別の源流をたどる
若き日の藤吉郎(後の豊臣秀吉)は、針を売って歩いていた。針売りは賤民の仕事であった。 極貧のなか敷物であり防寒具にもなる蓆(むしろ)を持ち歩く乞食生活も経験した。 秀吉得意の猿真似も、当時の針売りの現場で生かされたであろう。猿真似で人が集まり、その観客に針を売ったのだろう。 秀吉は多指つまり手の指が6本あった。フロイスはそう記録している。歴史学者はそれを信用しなかったが著者は事実であるとする。 その特異な風貌と芸、そして天才的な秀吉の才覚で、秀吉は賤民から関白になった。日本史上、空前絶後の大出世である。 しかし、豊臣家は一代で滅んだ。秀吉の子や孫が跡を継ぐことはついになかった。 秀吉は好色であり、多くの側室を抱えた。それでも子とされるものは鶴松と秀頼のみである。不自然とも言える。 そして城内奥御殿の風紀は乱れきっていた。 公式には実子とされる秀頼が生まれた直後に、淀の身近にいた女房や僧侶が一気に30人ほど処刑される。 そして一度は関白を譲った甥の秀次については本人のみならず妻妾、子供も皆殺しにした。また陰陽師も追放される。 なぜ祝福ムードに包まれるべき城内でそのような苛烈な処刑が続いたのか。 著者は、既存資料に新しい解釈を加えて、秀吉の実子は存在しないし、そのことを誰もが暗に知っていたとする。 秀吉死後の急速な豊臣家の崩壊もそれならば説明がつくのかもしれない。 しかし秀吉の話は本書の一部であって、本書の主眼は中世被差別民の実態を明らかにすることにある。民俗学的なアプローチもある。 そして差別しながらもその人間たちを必要としていた社会システムも論じる。網野善彦やその影響を受けた隆慶一郎のように社会の周縁を過剰にロマンチックに描くこともない。皮革を扱う、犬を飼い慣らす、太鼓をつくる、膠を調達する、針を売る。社会に必須の職業でありながら賤民として明確に差別されていた。だがそこからダイナミックに流動性が高まる時期がある。それが戦国時代でありその流動性の究極が秀吉であった。 著者の文章は読みやすく、資料部分を除くと専門家や歴史ファンでなくとも十分に読めるだろう。大部でありながら一気に読んだ。 現代日本にいまだ理不尽な身分差別が残る。その差別の源流は奈辺にあるのか、明確に示してくれる。
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よくここまで書いたと思う、特に秀吉について
秀吉の出生について、兄弟殺し同族殺しについて、鶴丸、秀頼について、ここまで書いたものを初めて読んだ。
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なぜ現代韓国の風俗街に触れる???
いやはや、ビックリ。 秀吉研究の書なのに、唐突に、現代韓国の風俗街を歩いての印象が挿入されるのです。 秀吉が朝鮮出兵したから? これもフィールドワーク、とか? 版元が山川だから(笑)? 無理にでも韓国を絡める、というのが出版の条件だったのかしらん、などとチト邪推。 大枚はたいた読者は、でも、ものすごーく不快な気分です。
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緻密な研究に裏付けられた一冊
秀吉が非人の身分から身を起こし、秀頼が実子ではないことを本人も承知していた、と言う話は衝撃的であり、ちょっと浮ついた感じの本に見られるかもしれませんが、中世の被差別民研究の積み重ねに裏打ちされた一冊です。 話題性に注目して手に取る人は、秀吉に関する章から読み始めないとちょっときついと思いますが、時間のある方は、是非第1章から読み進め、著者の真摯な研究姿勢を体感した上で秀吉の話に移る第2部を読んでほしいと思います。 中世民衆史は網野善彦の本を手にした時から興味を持ってきましたが、この一冊は相当読み応えがあります。
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