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つながる脳

毎日出版文化賞

つながる脳

藤井直敬

『つながる脳』は、藤井直敬による評論・研究作品。思想と知の探究を軸に、言葉と社会を重ねながら、受賞作としての個性を示している。

思想と知の探究言葉と社会評論・研究

作品情報

『つながる脳』は、藤井直敬の受賞歴を語るうえで重要な評論・研究作品。

『つながる脳』は、藤井直敬による評論・研究作品。思想と知の探究を軸に、言葉と社会を重ねながら、受賞作としての個性を示している。 書誌識別子は図書として確認できる範囲で補完した。

書籍情報

出版社
NTT出版
発売日
2009-05-15
ページ数
288ページ
言語
日本語
サイズ
19 x 13.6 x 2.2 cm
ISBN-13
9784757160422
ISBN-10
4757160429
価格
2255 JPY
カテゴリ
本/科学・テクノロジー/生物・バイオテクノロジー

脳科学の行く手には、大きな壁がある。技術の壁、スケールの壁、こころの壁、社会の壁である。 たちはだかる大きな壁に対して、脳科学者はどのように問題を解決しようとしているのか。 自由意志や社会的適応、ココロの理論、あるいは脳科学の実験環境や、話題のブレイン‐マシン・ インターフェイスなども押さえながら、「脳と社会」の関係性から脳の解明を目指す。 ★第63回 毎日出版文化賞 自然科学部門 受賞★ ★池谷裕二氏、茂木健一郎氏も絶賛★ 閉塞の危機に瀕する脳科学。そこに立ち向かう熱い良心。 未来の脳研究界を着実に見渡したい人には必読の本だろう。 (池谷裕二) ここには脳科学に関する「本当のこと」がある。 斯界の若きスターから繰り出される直球勝負。 真理探究への燃え上がる情熱。 とてつもない本が誕生した。 (茂木健一郎)

藤井直敬(ふじい・なおたか) 1965年生まれ。理化学研究所 脳科学総合研究センターにて適応知性研究チーム・チームリーダー、BTCC双方向性BMI連携ユニット・ユニットリーダーを務める。 著書に『予想脳』(岩波科学ライブラリー)、『脳研究の最前線』(下巻、講談社ブルーバックス、共著)がある。

レビュー

  • 等身大の研究を知る事ができる数少ない本

    実に面白い。 脳科学の現状の問題点を捉え解決しようとする過程が描かれている。 研究者視点である等身大の「研究」を知る事ができる数少ない本です。 壁を乗り越えようとしている人、壁から逃げようとしている人、壁を避けて通ろうとしている人、壁を壊そうとしている人、一読の価値ありです。 ある意味、実験室での実験を止めた研究とも言える内容は驚くべきもので、人の持つ社会性を脳科学的に実証しつつあります。 悪の構造とも言われるBase of Pyramidと呼ばれる社会構造がどうして存在しているのかも本書から明らかになります。 内容は量子論や行動経済学や社会学、脳科学のいずれかを大雑把にでも追っている人には非常に理解しやすい本です。 敢えて欠点を挙げるのであれば内容を平易にしようとするあまりに一般化しすぎており、一次ソースとしてのデータが明示されない点などがあります。 そこは筆者も冒頭や巻末で述べている通り、これは脳科学の啓蒙書なのです。 好奇心あふれる人にはお勧めの一冊です。

  • 表題から期待してはいけない

    今までと今後の実験的考察が殆どである。脳科学実験は、〜だからできない、~だから難しい、〜ではダメだと思う、〜なら可能性がある、〜ならできるはず、今後は〜、と続く。結局、最後まで、こんな感じで、何か凄い実験結果が得られ、その考察が書かれているわけではない。「脳ってこんな凄いんだぞ!」という発見を期待して読むと肩透かしをくらう。ただ、これが脳科学の限界であり現実なんだなという誠実さが伝わる。

  • 確かな実証実験

    近年数多く出版されている脳科学関連の本とは内容がかなり異なっていると感じました。 一般的に信じられている(実は誤って伝わっていることも多いのでしょうが…)情報の信憑性について議論するのではなく、 自身の研究内容をベースとした話の展開に終始されています。 これは、現在進行形で研究を続けられている方だからこそ可能な文章構成ではないかと感じられました。 内容に関しても、今までの本ではあまり紹介されていないような分野の研究の報告など、非常に新鮮に感じられました。 この分野で最先端の研究をされている筆者だからこそ書くことができた内容で、 その一部を垣間見ることができ、非常におもしろかったです。

  • 脳科学者やをはじめこの研究分野に興味のある人には是非読んで

    著者は理化学研究所 脳科学研究センターでチームリーダーとして社会性に関する脳研究を進めている。基本的に一般向けの本なのだと思うが、特に序章と第一章で脳科学そのものや脳科学研究者の現状や問題を赤裸々に語っている部分があって、同じ研究者として非常に興味深かった。なかなかここまでさらけ出すことが出来る研究者も少ないと思うし、見習いたいと思った。第2章以降は社会性に挑戦しようとする研究の現状が書かれていて、確かに大事だということは分かったけど、まだ有効な方法論が見つかっていないのかなという印象を持った。いずれにしても序章と第一章だけでも、脳研究者をはじめこの研究分野に興味のある人には是非読んで欲しいと思う。

  • 脳は社会とリンクする

    著者は、個別の脳ミソについてのネットワークを語るだけではなく、 社会というネットワークのハブ(結節点くらいのいみでつかっています)としての脳の仕組みについての興味を提供します。 脳科学にたいする興味は、自分とはなんぞやというところに、ふつう行き着きます。 目次をみればわかるように、脳研究の壁を示すことで、その目的を果たすことが難しいことを僕たちに教えてくれているようです。 観測するのもされるのも、脳だからです。 さらに、社会においてリンクとしての脳と考えたときにおこる入れ子状態は、そのめんどくささにおいて、かなりのモノがあります。 脳科学の限界をはじめにもってきたことに、著者の誠実さがあります。 目次 第1章 脳科学の四つの壁 脳科学と社会 社会性研究という希望 脳科学の四つの壁 技術の壁 スケールの壁 こころの壁 社会の壁 第2章 社会脳研究で壁をこわす 挑戦開始 研究のフレームを作る 個体内適応機能 スケールに立ち向かう 社会性脳研究の第一歩 抑制こそ社会性の根本である 初めての社会性脳機能測定 社会空間認知と適応機能 抑制から社会を考える 選択的抑制機能と社会的適応知性 第3章 適応知性解明に向けて 脳科学の壁を壊す四つの試み 大規模記録手法開発による汎脳機能理解 習慣的脳機能表現の客観的理解 社会的意思決定のメカニズム解明 脳機能からみた社会の仕組み解明 第4章 仮想空間とヒト ヒトの社会的脳機能を探ろう “賢い”生き物はヒト以外にもたくさんいる 発達とココロ 仮想空間という実験場 仮想と現実の境界 やってみたいと思っている課題 身体の恒常性と脳機能計測 仮想空間の可能性 第5章 ブレイン-マシン・インターフェイス 生物学と脳科学 情報と操作 ブレイン-マシン・インターフェイス BMI研究の最初の壁 ECoGという選択 初めてのデコーディング 転んでもただでは起きない BMIによる操舵 第6章 脳と社会 ヒトと社会 しあわせなヒト リスペクト経済

  • 脳科学分野外の論の粗さ

    本書において評価されている部分である、現代脳科学の抱える問題点の指摘と、それに対する挑戦的活動の記録は、科学者として良い意味で野心的であり、素晴らしい内容でした。この点に関しては他の方のレビューと大きな違いはないので言及いたしません。 私が言いたいのは、著者の過剰とも言える自信と、そこからくる先人や意見を異にする研究者への容赦ない批判についてです。 特に自分の専門分野でもない心理学や進化生物学に対して、非常に主観的な経験論で否定的な意見を展開しているのには、筆者の驕りを感じます。 既にその分野での非常に緻密な研究が進んでいるにも関わらず、それらには言及せず「〜だと思う、〜なんて嫌だ、〜かもしれない」などの科学的根拠のない感情論を展開するのは、科学者としていかがなものでしょうか。 例を挙げるなら、筆者は「利己的遺伝子論」に関する致命的な誤解を犯しています。筆者は人の親切な行動が実際は「利己的な」行動だという解釈は不快だと述べていますが、利己的遺伝子とは一種の比喩に過ぎず、個体の行動の動機自体が利己的であるという意味でもありません。要するに純粋な親切心を否定するようなシニカルな理論ではまったくないのです。これは生命科学では最も基本的な共通認識です。 私は脳科学は門外漢ですが、上述した学問には通じる者なので、詳しい研究内容について果たして筆者が理解しているのか疑問に思う箇所もありました。 また、引用した実験の論文等の参考文献リストは提示されておらず、実験内容の紹介もいい加減で、その実験を知らない読者の誤解を招く記述です。 筆者には日本の脳科学研究を担う先進的人物として今後も精力的に活動していただきたいのですが、こういった一般の方向けの本を執筆されるときは、もう少し他の研究者に対する配慮と謙虚な姿勢を持っていただきたいものです。

  • 脳科学の抱える4つの壁を、いかに乗り越えるか。

    新聞の書評やブログなどで話題になっている本。 今はやたらと脳に関する本がはやっているけれど、この本は それらとはちょっと(というか、かなり)変わった、脳科学者による プロジェクトXみたいな感じ。 ・現在の脳科学が抱えている大きな壁とはなにか ・それらの壁を、著者はどのようにして乗り越えようとしているのか ・「脳と社会性」という、著者自身が取り組んでいるテーマの最先端の研究内容 ・話題のBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)の紹介 などなど。 脳トリビアみたいな本が量産されているなかで、 脳科学が抱える大きな問題に対して真摯に立ち向かう 著者の姿には感動すら覚える。 また、「ミラーニューロン」などがやたらともてはやされるなかで、 それらに対して疑問を呈するところなども好感がもてるし、 ヒトは「我慢するサル」だという見解もなかなかおもしろい。 脳科学リテラシーを身につけるためにも最良の一冊。

  • やはり冗長だった

    2014年7月1日発行 2009年発行の単行本の文庫化 脳科学本は結構当たり外れが多い。 今まで面白かったのはサックス、ラマチャンドラン、ルリア、養老孟司、山鳥重、下條信輔など。 もちろん研究と著作の面白さは関係ないと思っている。 以前から気にはなっていた作者だがBMIに抵抗があり読まなかった。 今回の文庫化で読んでみる事にした。 個人的に冗長な自然科学の本は疲れるだけなので嫌いだ。 本書の前半の脳科学に対するボヤキは面白いトピックなので別本として出して欲しかった。 第二章からのサルの実験。 マカクだと思われるがサルの種が気になった。 またBMIがどのようにサルに装着されているのか気になる。 (5章に解説があるが外科手術で簡単に装着できるものと思われる) この辺でもう面倒くさくなってきたが後半は結構ザックリと書かれていて読みやすかった。 ボリュームを半分ぐらいに減らしてくれると読む側としてはありがたいけど。 そんな感想しか出てこなかった。評価が難しい。

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