作品情報
日々の奥から現れるものを、静かな感覚とユーモアで見つめる詩集。
収録詩は家庭、身体感覚、季節、死者や新しい生へのまなざしを、過度に構えず柔らかく書き継いでいく。生活の細部から存在の奥へ向かう詩集で、読後に静かな揺らぎを残す。
レビュー要約
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日常の細部から存在の奥行きへ向かう穏やかな運びが、現代詩を読む読者に評価されている。劇的な展開よりも、ゆっくり読むことで感触が残る詩集である。
書籍情報
- 出版社
- 思潮社
- 発売日
- 2008-07-01
- ページ数
- 94ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784783730668
- ISBN-10
- 4783730660
- 価格
- 2420 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: かめれおんの時間 : 奥田 春美: 本
レビュー
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「俳句」とも通じる世界観
とかく現代詩は観念的になり、 作者の頭の中だけにはまりこみ、わかりづらい。 しかし奥田春美の詩は、どれもわかりやすい。 はれた日は二階窓際の窓がはんぶんだけひらく 毛布が一枚手すりにひろげられる その家の西側の小道をわたしは毎日とおる ……「ふようの家」は、こんなふうに始まる。 俳句は観念を詠まず、モノを読めと言われる。 いわゆる「客観写生」である。 それとほぼ同じ世界が、ここにはある。 しかし、客観写生だけで終わらないところが、この詩集の深いところ。 実家から屈託をむねに帰ってきた日に それはわたしを生んだ女の胸になった …… 男との口論のあと街に出かけようとしたとき それは遠い日の不機嫌な少女の顔になった うすくて痛みやすい外見を平手打ちした こんなふうに終わっていく。 平明さの中の観念……とでもいえようか。 数年前、「現代詩花椿賞」を受賞したのも、うなずける さわやかな詩集である。
関連する文学賞
- 現代詩花椿賞 第26回(2008年) ・受賞