微熱期
微妙な感情や身体感覚の揺らぎを、静かな歩行や記憶の連なりとして描く5年ぶりの新詩集。
作品情報
歩くこと、思い出すこと、そのあわいに言葉が立ち上がる。
思潮社の新刊として確認できた詩集。第60回歴程賞受賞後の節目の一冊として刊行された。
書籍情報
- 出版社
- 思潮社
- 発売日
- 2022-06-15
- ページ数
- 112ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13 x 1 x 18.9 cm
- ISBN-13
- 9784783737926
- ISBN-10
- 4783737924
- 価格
- 2530 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌/詩集/現代詩
通りすぎてゆく 夢から覚めたあとにはきまって、母から離れ、うまれてはじめてひとりで歩いた朝の小道を思いだします。つもったばかりの粉ゆきのうえにはちいさな生きものの足跡。小鳥、野兎、栗鼠、子狐。 (「ひとりあるき」) みずからの居場所などはじめからもたずにてん、てん、と、かりそめの読点のように、非情な月日を通りぬけてゆくために。祈りのような歩行。5年ぶりの新詩集。組版・装幀=片桐寿子、装画=サカモトセイジ
レビュー
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詩集を読みました
折に触れてちょくちょく読んで居ます。自分の微熱体験と重ね合わせて読んで居ます。
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声に出して読むと黙読とは違って響きます
永遠に現代詩などわからないそんな私が詩を書いている こんな短歌を詠んでしまったくらい、悔しいけれど、私には難しい一冊でした。。 例えば井上陽水さんに、My House という歌があります。 ………♪ナイフ パイプ セロハンテープ ………熱が上がり下がり 庭は猫の額 My House……… この歌を聴いた21歳の私は、ウワーッ、いいっ! と、胸が震えたものでした。 のちに陽水さんはこの歌を、「最初に曲ができたので、仮の歌詞を嵌め込んでおいた。そのあとで、いつもは歌詞を作り直すのだけれども、これはこのままでいいんじゃないかと思った」と、語っているほど。 記号のような、寄せ集めでもリズミカルな歌詞が若かった私には響いたのでしょう。 あぁ、私の心は還暦を過ぎて、硬く凝り固まってしまったのかも知れません。 私は高校生の頃から朗読を続けています。ためしにこの本を声に出して読んでみました。心地いい。そうか、この本は、朗読することで、耳からも声を聞くことによってしか、私には伝わらないのかもしれません。 どうぞ、この詩集を手に取ったなら、誰かに聞かせるためではなく、ご自身の心に詩の言葉を届けるために、朗読してみてください。
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祈りのような言葉たち
このような詩編をも生み出さすことができず、癒やされずに、世の中でわめき散らしている老人も詩人も子供も少女も多い。固有名詞を持たないのか、それらを排除して、抽象的な薄っぺらな現時を書き続ける詩人の内面は果たしてどうなっているのだろうか? この著者にはそういう迷いも悲劇も無縁で、ただ頼りなげな記憶、感覚を頼りに言葉をつむぎ続ける。そう、窓を開けさえすれば、なにかがそっと「私」に触れてくれる。癒やされないあなたのために。祈りのような言葉たち。
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みずみずしくも生々しい
「グラス」がお気に入りです。 名前もわからない丘のうえに ちいさな家の幻を見た