宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧
ジョブズが師と仰いだ禅僧・乙川弘文の生涯を、7年にわたる取材で追うノンフィクション。
作品情報
一人の禅僧の生涯が、ジョブズの思想の源流を照らし出す。
集英社インターナショナル刊。乙川弘文の人物像とジョブズとの交流を掘り下げる評伝ノンフィクション。
書籍情報
- 出版社
- 集英社インターナショナル
- 発売日
- 2020-04-23
- ページ数
- 336ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 2.7 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784797673821
- ISBN-10
- 4797673826
- 価格
- 2090 JPY
- カテゴリ
- 本/ノンフィクション/思想・社会/思想
日本エッセイスト・クラブ賞(第69回)受賞!! 「ハングリーであれ、愚直であれ」(スティーブ・ジョブズ) ──この言葉は禅の教えだった! スティーブ・ジョブズの「生涯の師」で、iPhoneやiPodなどの革新的製品の設計思想にヒントを与えた日本人僧侶・乙川弘文。 足かけ8年、関係者への徹底的な取材の中で浮かびあがってくる、ジョブズとの魂の交流。 僧侶としての苦悩。 「日本曹洞宗の明日を担う」とまで期待された若き僧侶は、なぜ故郷を捨て、アメリカに渡ったのか? ある人は「あんなに優れた禅僧はいない」と激賞するが、「女にだらしない、酒浸りの男だった」と批判する人もいる。──彼はいったい何者だったのか? そして、スイス山奥での突然の死。その真相は? 一橋大学名誉教授・中谷巌氏絶賛! 【乙川弘文・略年譜】 1938年 新潟県加茂市「定光寺」の三男として生まれる。 1951年 得度。 1956年 駒澤大学仏教学部に入学。 1960年 京都大学大学院に。 1965年 永平寺に上山、修行僧となる。 1966年 永平寺の特別僧堂生に抜擢。 1967年 渡米し、カリフォルニア州「タサハラ禅マウンテンセンター」を開創。 1970年 最初の結婚。 1975年 若きスティーブ・ジョブズと出会う。 1979年 同州「マウンテンヴュー観音堂」を開創。 1983年 同州「鳳光寺」「慈光寺」開創。 1984年 離婚成立。 1986年 ジョブズとともに加茂市の実家を訪ねる。 1989年 ジョブズの提案で、彼の「ジャックリング」邸に住む。 1995年 再婚。 2001年 コロラド州ナーローパ大学で教授就任。 2002年 スイスにて、娘、摩耶とともに不慮の死を遂げる。 【著者】 柳田由紀子【やなぎだ・ゆきこ】 1963年、東京生まれ。1985年 早稲田大学第一文学部演劇専攻卒業後、新潮社入社。 月刊「03」「SINRA」「芸術新潮」の編集に携わる。 1998年、スタンフォード大学他でジャーナリズムを学ぶ。 2001年、渡米。現在、アメリカ人の夫とロサンゼルス郊外に暮らす。 著書に『二世兵士 激戦の記録──日系アメリカ人の第二次大戦』(新潮新書)、 翻訳書に、『ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ』(集英社インターナショナル)などがある。 2021年、『宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧』で第69回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。
レビュー
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ジョブズのシンプルさの源流は「禅」だった。
スティーブ・ジョブズの伝記やエピソードはたくさん読みましたが、この本を読んで、彼がこんなにも日本文化に深く関わり、影響を受けていたという事実に心底びっくりしました。 彼の思想や生き方を語る上で欠かせない禅僧、乙川弘文との出会いや、日本への強い憧れが非常にリアルに描かれています。普段、活字を読まない人でも入り込んで読み進められる構成です。 iPhoneをはじめとするAppleのプロダクトに流れる究極の「シンプルさ」や「引き算の美学」が、実は日本の禅の考え方が元になっていると知り、日本人として単純に嬉しく、誇らしくなりました。デザインの根幹にある哲学を知ることで、製品の見方がガラッと変わります。 この本を読んだのがきっかけで、私も禅やマインドフルネスに強い興味を持つようになりました。 ジョブズファンはもちろんのこと、日本の文化やデザイン哲学に興味がある人にも、強くおすすめしたい一冊。
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弘文は良寛や一休を連想させる禅僧、本書一読の価値あり
主人公弘文の人となりを、さまざまな知人・人物を訪ねることで深く描き出そうとしていて、読み物としては面白いが、全体を通してややまとまりを欠き、読後にモヤモヤした気分になりました。ただ、著者が直接弘文に会って話を聞くことが出来ない以上、これが限界かもしれない。それでも禅や宗教に詳しくない私でも、十分楽しめました。本書は良書です。
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著者に感謝
著者と同じ目線で弘文さんを追ったような感じで、その上で、著者の労力とやる気を感じて、そこにも感動しました また、新潟県の曹洞宗の檀家育ちで、東京や海外で国際的な経験を重ねてきた自分にとって、弘文さんの記述に関して自分にも当てはまることがたくさんあり、自分を見つめる良い機会になりました。改めて、新潟という地が自分を育んでくれたのだ、と気付きました。 ここを読んでいるか分からないですが、とにかく著者に感謝したいです 全く関係ない理由で「スティーブジョブズ 新潟」と調べたらたまたまこの本がヒットし、おかげで楽しい読書ができました
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届きました。
アメリカ出発前に間に合わなかったため、私自身では確認できていません。 ただ、大丈夫だと思います。 どうもありがとうございました。
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「変人」同士のお話しです。
スティーブ・ジョブズが師事したと言われる禅僧。そして、それはアップル製品のデザインにも影響したとまで言われているから、どんな聖人かかと思ったら、「破格」の人でした。 どんな偉人でも、毀誉褒貶があるのは当たり前。でも、突き抜けた人は、評価の振れ幅がこんなにもデカくなるかね。誰をも優しく包み、一目で虜とさせてしまう魅力を持ちながら、片や唯の飲んだくれの甲斐性無しの烙印も。 そして、スイスでの客死。それも娘と一緒に。自らの死を悟っていたとする節もあり、何とも摩訶不思議な御仁。 これまで、人は多面体であり、様々な面を持つから評価も変わると思っていたが、今回は本人の多面性よりも、それを観察する側の捉え方の多様性を強く感じた。畢竟、誰からも愛され、万人から支持されるなんてことはあり得ないということ。 ジョブズとの出会いも、奇人同士がナイスなタイミングで邂逅し、ジョブズの類まれなるポテンシャルが上手いことコンピューターの作り手として開花した訳で、神の計らいでしょう。その恩恵を今日も頂いております。
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最後まで読んでほしい
スティーブ・ジョブズ信者で禅に興味を持つものとして読み始めた。1人の(または2人以上の)生き様をインタビューから丁寧に書いてある。何ものの信者でなくてもぜひ最後まで読んでほしい。
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読み応えのある良書
執筆された頃には、すでにご本人が亡くなっていたということで、基本的にインタビューを通して話が進んでいく。様々な関係者への取材を通して徐々に浮かび上がってくる本人像。 読み進めるうちに弘文の印象は180度変わる。女たらしでだらしがない男というイメージから、元奥さんや近しい人、はたまた実の娘さんなどから語られる言葉を通して本人を知ると・・・。 人の数だけ答えがあって、本人や近くから見ている人にしかわからない苦悩や事情もたくさんある。読みながら「正しさ」とは何か?儚い善悪の基準が揺らいでいく。 弘文の生き様や性格はもちろんだが、この本のそんなところからも禅や仏教の教えの真髄を感じた。 幸か不幸か、生前「風来坊・掴みどころがない」とも称された本人には、結果的にこのインタビュー形式の本がベストだったように思われる。とはいえ、時々載せられている本人の随筆が詩的であまりに美しいので、もう少しご本人の言葉や思想に触れてみたかった気も。 単にApple製品やスティーブ・ジョブズが好きな人だと読みにくいかと思うが、仏教や禅の思想に興味がある人なら読み応えがあって楽しめると思う。8年もの年月をかけて、泥臭くご自身の足でこの本を書き上げてくださった著者に感謝。
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聖と俗の関係性
弘文もジョブズも故人なので、全編が彼らに近しい関係者、親族・家族・永平寺・欧米の弟子たち(カトリックの修道女からチベ仏教徒まで)・アップル元社員etc. へのインタビューで構成されてて、ジグソーパズルのようにピースが埋まっていく毎に弘文の人物像が次第に浮かび上がってくるという構成が見事。 最後は弘文を「父と呼びたくない」とまで言う実の娘と、永平寺で同僚だった高僧の証言「弘文は願って地獄に落ちた」で〆。 弟子たちが絶賛する一方、家庭は崩壊し、飲酒問題を抱えた赤貧の禅僧・・・宗教の「聖と俗の関係性」というテーマは永遠の課題、超オススメです。