シングル母娘と僕: ―ふたりであいして― (フランス書院文庫)
日向弓弦によるフランス書院文庫の成人向け小説。受賞時の題名「シングル母娘と僕 ―ふたりであいして―」として文庫化され、年上の女性と若い女性をめぐる関係性を軸にした官能ドラマとして刊行された。
作品情報
母娘との同居めいた距離感から、抑えていた感情が揺れ始める。
第15回フランス書院文庫官能大賞の特別賞受賞作。2018年3月にフランス書院文庫から刊行され、ISBN-13は9784829642900、ISBN-10および紙書籍ASINは4829642904と確認できる。成人向け作品のため紹介は関係性とジャンルに留め、露骨な描写は避けて整理した。
レビュー要約
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文庫として刊行情報が確認でき、受賞作が商業作品として成立している点が評価材料となる。読者評価の公開情報は限られるため、題材への反応よりも刊行実績を中心に確認した。
書籍情報
- 出版社
- フランス書院
- 発売日
- 2018-03-26
- ページ数
- 304ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784829642900
- ISBN-10
- 4829642904
- 価格
- 389 JPY
「もう我慢できないの、お願い、奥まで入れて」 36歳の空閨を押し分けていく矢じりのような先端が、 奈摘の完熟肢体にくすぶるおんなの悦びを甦らせた。 シングルマザーと浪人生が人目を忍んで交わす逢瀬。 母への想いを不器用にしか伝えられない娘・映里香が 純潔をなげうって真佐人にけなげな誘惑を仕掛け……
レビュー
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愛情面を強調した主人公+母娘=3人の恋愛官能デビュー作
心優しき男女の愛情が前面に出た誘惑作品を久し振りに読んだ気がした。若くして娘を授かりながらシングルマザーの道を選び、今は36歳になるも若々しさを保つ母。そんな母とのちょっとしたすれ違いから今は引きこもり状態の娘。この母娘2人に特化して、間に立った主人公を巡る愛情と互いへの遠慮含みの尊敬が入り混じっている。 つまり、自身のオンナを呼び起こしてくれて、かつ娘の再起をも助けてくれた主人公には強い想いを抱くも本来は娘との付き合いが相応しいと遠慮する母。後から主人公と出会った負い目や主人公の気持ちが母へ向いていることの諦観などから自身の気持ちを押し留める娘。この2人が争うこともなく揃って主人公を愛する展開を迎えるのは昨今のお約束ながら、その経緯を丁寧に描いているのはヒロインが2人のみの良さであろう。デビュー作らしい詰め込みも多少は見られるものの総じてバランスの取れた内容と言える。 歯科衛生士と患者という立場で出会った母と主人公だが、最初の誘惑アプローチこそかなり唐突で脈絡のなさを感じてしまうものの、そこから年の差愛情物語へと発展していくのはなかなか良好。シングルマザーとはいえ相応に経験を積んだ熟女らしさを盛り込んでチェリーな主人公を導く序盤から筆下ろしを経た主人公が主従逆転のごとき責めを見せる中盤といった変化もあって官能描写も総じて良好と言える。この母との体験が後に娘の破瓜を導くことに繋がっており、オーソドックスなストーリーを土台にしているのは好印象である。 三角関係と称するも実情は主人公を基点としたV字の二股になるものだが、本作では和解した母娘が親子の情を少し超えた愛情を抱く形が試みられており、文字通りの三角形が模索されている。これにより百合っぽさを湛えた3Pがクライマックスとなるのだが、これはむしろ精神的な繋がりできちんとした三角関係を構成しようとした作者の思惑が見て取れるものである。
関連する文学賞
- フランス書院文庫官能大賞 第19回(2017年) ・特別賞