作品情報
あちんは、雀野日名子が小説として形にした受賞作です。
不穏な気配を帯びた物語で、日常のすぐそばにある恐れと人の心の揺れを描きます。怪談的な感触を持ちながら、人物の孤独や執着が静かに浮かび上がります。 受賞作として、作者の関心と表現の特徴が読み取れる一作です。
レビュー要約
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読者や選考上の反応は、題材への切り込み方と文章の手触りに注目している。作品の形式に応じて受け止め方は分かれるが、受賞歴が示す通り強い印象を残した。
書籍情報
- 出版社
- メディアファクトリー
- 発売日
- 2008-05-14
- ページ数
- 176ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784840123228
- ISBN-10
- 4840123225
- 価格
- 2424 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
第2回「幽」怪談文学賞、大賞受賞作がいよいよ刊行。 第2回「幽」怪談文学賞短編部門大賞受賞作「あちん」を含む全5編収録 実話と小説の狭間を自在に行きかい、平凡な暮らしに滲み出す怪異を端正に描く。 暗い雨の日には、お城あとのお堀ばたに近寄ってはいけない。オホリノテが這い出すから――現代の福井を舞台に、平凡な公務員・奈津美が出会う怪異を、端正な筆致で描き出す怪談文芸。雨の日に這い出す藻草、タブノキの下に埋まっているもの、午前2時19分に鳴る公衆電話、島に流れ着く霊……実話と物語が、不穏に交錯する。
第2回「幽」怪談文学賞短編部門大賞を「あちん」で受賞。同作を含む本書でデビュー。
レビュー
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地元密着型作家の誕生!
私と同じ某市に在住の日名子さん。 よって、地元の方には「うんうん」とうなずけるところ多々あり。 地元の方でなくても全く大丈夫。 怪談系が苦手な方の入門編にぴったりです。 これからの梅雨の時期をのりきれるような、さっぱりとした読後感です。 是非御賞味あれ。
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昔ながらの怪談
どこか懐かしい感じがする。それだけでも作者の力量は本物だとわかる。 しかし、これだけ怪談ホラーがあふれている現代。 少々インパクト不足なのは否めない。 安心して読める?怪談本としてなら、ありだとは思った。
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あたたかいホラー
雀野日名子さんの「あちん」「トンコ」背筋の凍る怪談と言うよりは、ハッピーエンドホラーなので読んでいて暗くもならずにすみました。 特に鉄五郎がせつなくて好きですね!
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才能あり
土地の者なら誰もが聞いたことのある地元の噂、幽霊話を元に 怪談を仕立てるという仕掛けが良いです。 これで自然と話に引き込まれます。 会話に方言が使われているのですが、この語り口がキレがあって心地よく響き、 これによってもまた話に引き込まれます。 白眉は「迷走」という短編ですが、最後の短編に向けて恐ろしさを盛り上げています。 ただ最後の短編のラストについては、小説としては有りですが 怪談としては物足りないと感じました。 まぁこれは個人の好みの問題ですけど… 総じて、この作者は非常に才能があり次の作品が楽しみです。
関連する文学賞
- 『幽』文学賞 第2回(2007年) ・大賞