ふぉっくすている? 1本目 (MF文庫 J ふ 1-1)
冬木 冬樹(著), 犬洞 あん(イラスト)
新人賞応募時の『狐の百物語』を改題して刊行された『ふぉっくすている?』の第一巻。九尾の狐であることを捨てて普通の高校生として暮らす清原凪の前に、白無垢姿の幼狐・橘が現れ、縁談騒動から学園妖怪ラブコメが始まる。
作品情報
元九尾の高校生と幼狐の縁談騒動から始まる妖怪ラブコメ。
九尾の狐であることを捨てた少年と、縁談をめぐって押しかける幼狐の物語。妖怪の設定を、にぎやかな学園生活と恋愛騒動へ接続している。
レビュー要約
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幼狐ヒロインの勢いと、妖怪設定を学園ラブコメへ落とす発想が楽しまれている。ほのぼのした掛け合いとキャラクターの未熟さを味として受け止める読者が多い。
書籍情報
- 出版社
- メディアファクトリー
- 発売日
- 2010-10-21
- ページ数
- 260ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784840135542
- ISBN-10
- 4840135541
- 価格
- 10 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
ちょっと迂闊な普通の高校生・清原凪の目の前に、白無垢を着た長い金髪の女の子が現れて涙目でにらんでくる。「招待状は確かに送った。正装もこちらで用意している」……凪のせいで縁談が破談したという幼狐の橘が、その恥を雪ぐために凪に自分を娶れというのだ。「貴様のせいでは私は群から追放され生涯を処女で過ごさねばならんのじゃぞ!?」「ちょっ!?」――九尾の狐であることを捨て、いまは律儀に人間をやっている清原凪が「普通の高校生」を続けるには!?第6回新人賞佳作受賞作。カゲキなラブコメ戦、はじまる!
レビュー
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もしこれをギャグでやってるなら☆5つ
『魔法少女☆仮免許』と一緒に購入し、あちらを先に読んでもうこの作者の本は読まないでおこうと思ったが、せっかく金を払って買ったので読んだ。 ある意味すごい作品だと思う。 ひたすら登場人物が掛け合いを繰り返すだけの『魔法少女〜』に比べて、それなりにストーリーが存在し、主人公に行動の理由付けがなされていて、「人間らしく」というテーマが設定されている本作は、私にとって格段に読みやすかった。 しかし、そんなことは小説ならば当然のことで、敢えて評価するようなものではない。向こうが酷すぎるのだ。 最低限の構成ができていたとしても、この作品に私は魅力を感じなかった。 キャラクターはどこかで見たようなものばかりだし(が、友人の一条には好感が持てた)、なにより妖狐をはじめとする妖怪が学校にやって来るというのは、同じレーベルの『かのこん』で既にやられている。そもそも作品に独自性が全く無いのだ。 それでもまあ、日常描写はそれなりに楽しく読めた。 クラス全員で文化祭の準備をする様子は、高校三年間なぜか文化祭の時期に限って骨折を繰り返した私には、眩しく輝いて見える。 読んでいて何より苦痛だったのが、ラストの展開だ。 いきなり訪ねてきた敵が、自分の理屈を展開して主人公との戦いを強要する。その展開のご都合主義的なことは、これまで読んできた作品でも屈指の驚きの展開だった。悪い方向への驚きである。 だって、わざわざ敵が主人公を訪ねて学校まで来てくれるとか、ない。 いちおう伏線らしきものはあるが、それまで一度も名前の出てこなかった人物が「全てを終わらせに来た」とか言って登場されても、それはやはり、主人公のみならず読者もポカンとするほかないだろう。 ギャグでやっているのなら『ソードマスターヤマト』を超えたと思う。だがどうも、これはシリアスな展開らしい。 恋愛にも終始受け身に描かれている主人公だが、まさか物語を終わらせることすら受け身でなければできないとか、それはちょっと、もう少しガンバレよと言いたくなる。 だが、さらに酷いのはこの先だ。 そこから壮絶なバトルが始まるのであればまだスッキリもするが、そこで展開されるのは、何と延々と「戦え」「嫌だ」「なぜだ」「だって俺は人間だから」という押し問答なのである。 押しかけてきた敵は、ご丁寧に自分がなぜ押しかけてきたのかを説明してくれる。 これほど親切なラスボスが存在しただろうか? わざわざ向こうから来て、理由まで説明してくれたのだから、主人公もさっさと戦ってやればいいものを、ずっと嫌だと言い続ける。 敵も、わざわざ自分から出向いて説明までしたのだから、問答無用で襲い掛かればいいものを、とりあえず論破するまで戦わないという紳士ぶりを発揮する。 主人公も受け身なら、敵までも受け身だ。積極的なのは女の子たちばかりである。作者はよっぽど草食系男子なのだろう。あるいは身近な女性が全て肉食系女子という、サファリパークのような環境で執筆しているのかもしれない。 読みながら「いいからさっさと戦えよ」と思わず呟いてしまった。 その押し問答は延々40ページにわたって続き、さらに驚くべきことに、敵は「そうか」と納得して帰ってしまう。 バトルは、ない。 無論、盛り上がりもしないし、スッキリしないものが澱のように腹の底に沈殿したまま本を閉じることになる。 この作品と『魔法少女〜』を読んで私なりに理解できたことは、この作者は主人公とヒロインがイチャイチャする小説だけを読み続け、ライトノベル作家としてデビューしたのだろうということである。 それは別にいいし、そういう作品が求められているからこそ、これらの作品が出版されたのだと思う。 しかし私には合わなかった。それだけのことだ。
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好き嫌いが分かれそう
主人公が好きになれませんでした、 なのでかなりバイアスがかかっちゃってます。 文章、構成、キャラクター設定等は最近のライトノベルの範囲内に綺麗にまとまっています。 全体的に良くも悪くも平坦で独特な言い回しがあるわけではなく、 絵も可愛いですし、いわゆる美味しい設定のキャラが沢山入ってる感じです。 個人的にラブコメとして、もしくは異能者バトルとして見ると微妙に両方に一歩足らない感じになってしまうのですが、 文章も作品としての雰囲気もブレは少なく最初の章を見れば全体の雰囲気は見渡せる内容になっています。 そういった作品の評価では星はマイナスしていません、むしろ本当に新人さん?ってレベルの安定感を感じます。 星が-2されているのは殆ど完全に個人の趣味の問題で、 キャラクターがまだ設定に引っ張られていて今一個性を感じられない事、 伏線が多く主人公もヒロインも色々事情を抱えている設定なのでどうも煮え切らないシーンがながーっく続いている気がしてしまう事。 そんな微妙なスタンスのまま話が続くのでメインフレームが今一つかみにくく、物語に没頭できませんでした。 第一巻はどうしても世界観やキャラクターのスタンスの説明に終始してしまうのは読み切りではない作品では仕方が無い事ではあるのですが、 正直一冊一気に読み切るには、他の作品群に比べてもどうも勢い不足な内容でした。 こればかりは読み手がどのような物語が好みかに依ります。 文章の内容はそこまで悪くないので買って損したと思うことはあまりないとは思いますが、 可能であれば書店でざっと登場キャラクターの言動を見てから買ってはどうかなと思います。
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説明不足…
物語としてはなかなか面白かったものの、残念なのは説明が後回しになってしまっていた所。最低限の説明はプロローグ中に欲しかったですね。数章読み進めるまで、まるで2巻を先に読んでしまったような錯覚に陥ります。序盤の戦闘シーンもバッサリ飛ばしているので主人公の凄さがなかなか伝わってきません。裏表紙のあらすじをまず先に読んで、本編に入ると丁度いい感じです。キャラクタ達がどう考えているのか全体の説明不足も手伝っていまいち伝わってきませんが、それも伏線の一つとして見るとプロローグの1冊として次巻以降に期待は出来ると思います。
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好きじゃない
作者の書き方が好きじゃない そして主人公が屁理屈言ってる子どもみたい 描写力はそれなりあると思う でも構成が色々おかしい 主人公の戦わない理由を聞いても、だからなんなの?としか思えない
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普通レベルではある
新人賞受賞作なわけで、全体的にはそこそこ読めました。 少なくとも読んでいて、不快に感じたり退屈になったりする作品ではなかったです。 ただ、あらすじ通りの事を期待すると微妙に感じるかもしれません。 この話は粗筋にあるようなラブコメというジャンルとは少し違うような印象が。 …というのも、ヒロインの恋愛描写というかラブコメならありがちの主人公へのアピールみたいなものが少ない。 肝心の幼狐である橘に至っては出番が少なすぎる印象でした。 あと、ヒロインというか主要な女の子キャラが4人いてどうにも色々と分散しすぎていて目立った感じがありませんでした。 主人公も終始、普通でいたいの一言で終わっている感じが。 結論としてはバトルものなのか、ラブコメなのかストーリーの中途半端さが一番の残念な所ですね。 どちらかに特化した方が良かった気がしました。 絵は可愛くて良いと思うので、今後に期待といったところ。
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他者から見る自分の姿は
九尾の狐である清原凪が人間として通う海鳴場高校を、狐の嫁入りが通った。たまたま夜の学校にいた凪はそれに入り込んでしまい、結果として嫁入りの妨害をしてしまう。翌日、嫁入りを邪魔された七尾の子狐、橘が、凪のところに怒鳴り込んでくる。破談になり、一族からも追放された責任を取って、凪に娶れと橘は言う。 普通の人間として暮らしたい凪はそれを一度は拒絶するのだが、恥を雪ぐために死を選ぶという橘を見て、とりあえず引き取ることになる。だが、凪が通っている高校は実は妖怪を保護する機関が運営していて、そこに所属する顔見知りの先輩、和泉恋と橘がトラブルになったり、新たに転校して来る天狗、藤紫との対立が起こったりして、人間?関係はギクシャク。しかも、人間としての凪のクラスメイトの委員長、赤染は、いつものように高飛車に凪を引きずり回すし…。 妖怪と人間の共存というバックボーンのもとに繰り広げられるラブコメです。 最強に近い力を持ちながらも、あえて人間としての生き方を選択している凪に対し、彼の生き方を尊重する人間や、何も知らずに仲良くする人間、妖怪としての生き方を取り戻させようとする妖怪など、それぞれの立場に基づいて干渉がなされる。 そんな環境にあって、毎日を自分の望む様に生き、人間として人間と関わりながら、それでも人間として他者から見てもらえているのかという不安はなくならない。そんなときにやって来る過去のしがらみ。全てを諦めそうになる凪に対し、彼の周囲はどう動くのか? そういう存在に対する悩みも描きながら、ほとんどの場面ではラブコメが展開されていて、どちらの雰囲気がベースにあるのか少し迷ってしまう。上手いと思う部分もいっぱいあるのだが、個人的には内向きな物語の印象を受けていて、きちんと真っ直ぐ進んでいけるのかが少し不安です。