作品情報
幸せを定義する機械たちが狂いはじめた塔を、少年とカエルが海へ向かって降りていく。
『二四〇九階の彼女』は、2006年に電撃文庫から刊行された西村悠のデビュー作。電撃hp短編小説賞の受賞作を含む連作として、階層世界を管理するアントロポシュカと、海を目指す少年サドリの旅を描く。
レビュー要約
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幻想的な階層世界と、優しさと残酷さが同居する設定を評価する声がある。短編ごとの世界の違いを楽しめる一方、淡い語り口を静かに味わう作品として受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- メディアワークス
- 発売日
- 2006-10-10
- ページ数
- 328ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784840235921
- ISBN-10
- 4840235929
- 価格
- 21 JPY
- カテゴリ
- 本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル
無数の階層が連なる“塔”のかたちをした世界。各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が“幸せ”に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきたアントロポシュカたちは、永い時間を経て、その多くに狂いを生じていて…。 “幸せ”に狂った世界の中を、少年・サドリは相棒のカエルとともに海を目指して塔を降りてゆく。かつて交わした「彼女」とのただひとつの約束を果たすために。優しくて残酷な、神様と世界のお話。
レビュー
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あまりに不遇な大名作
詳しい内容はgigantuさんの書いているとおりです。もし人生で数札しか小説を読めないとしたらどの作品を選びますか?と聞かれたらこの作品は間違いなく候補に入ります。それだけ素晴らしい作品なのに大メジャー作品のキノの旅との類似点ばかり指摘されて評価されていないのはあまりにももったいない。こちらは人生の切なさとか悲哀とかをテーマとしているので、中高生にはまだしっくりこないのかもしれませんね。キノは世界の残酷さや人間の狂気性を書いているのに対し、こちらはどうすることもできない世界に生きる人々の悲哀を書いたものなので作品性はまるで違います。大人になりその深さが分かるようになってから「何て素晴らしい作品を誤解していたのか」と痛感することになるかもしれませんね。
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個人的に一位な本
他のブログサイトの紹介を見て買いました。 そのブログ主は、ライトノベルにあまり良い評価を書くことが少なく、珍しく評価が高かったため、興味本位で買って見ました。 ブログ主の言うとおり、最高です。 狂った世界の掟は、どこもおかしく、少年サドリが変えようとするも、変えることができず、降りてゆく。 それが本当に切ない。心が締め付けられるよう。 それでも この世界は続いていく。そう思える話しばかりです。 俺は、この本をおすすめします。絶対買ったほうがいいです。
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かみはバラバラになった
世界観や人物構成がキノの旅に影響を受けているのは否定出来ませんが、 主人公のスタンスや語り口が違うので、読んでみるとほぼ別物という 印象でした。作品の魅力は個々にあると思います。 とは言うもののやはり、キノの旅が大好きという人にはお奨めは出来ません。 自分が一等気に入ってる作品との類似は、どうしても鼻につくものです。 ちなみに私が最初に思い浮かべたのはむしろゲームの魔界塔士SaGaでした。 荒廃的な世界観や、主人公の無力感、何とも言えないやるせなさとか。 媒体が別なので類似は気になりませんし、SaGa好きにはお奨めかも。 作品自体については読み進めやすく、1、2話で区切られているので テンポも悪くありません。暗い話が多いですが全く救われない話と いうのは無いので、鬱になる様なストーリーというわけでもないです。 謎解き的なものは展開が読める事もありましたが、逆に言うと変に 奇を衒っておらず安心して読める感じでした。
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面白い、ですが
彼らの行く世界は何処も狂っていて、理不尽で、悲しい世界ばかりです。そのようなたくさんの世界を旅しながら、サドリが憤りを覚えたり涙したりするわけですが、しかし結局何かが大きく変わるわけではないという・・・なんだか切ない話。 でも注意するべくは、下の方も書いてましたが「キノの旅」の影響が否めない事。 短編連作の点とか、世界が皆少し狂っておかしくなっているとことか。まあ、そこがこの作品の持ち味かもしれないですが、キノの旅が好きな自分は、なんだかなあ・・・という思いつつ読んでました。 長いものはちょっと・・・とか、少し不思議で切ない話を読んでみたい方は一度読んでみたらどうでしょうか?
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キノ・・・・・
文体がつたないです。 しかも、キノの匂いがぷんぷん・・・結局主人公は世界をただ通り過ぎるだけで何もしないし、 喋るカエルをつれてたりとか、カエルとのやりとりとか・・・・ オリジナリティが無く、伝えるものも無い。 キノの劣化コピーとしてみても・・・・・・・・
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今後も楽しみな作者
ハッピーエンドの物語はない この作品の特徴はまさにそれである。 と、いうより主人公を含めてすべての物語は終わっていないと言える。 今後どのように生きるかによってその物語はいくらでも変化するといってよい。 主人公たちはいわば水面に投げられた石であり、波紋となってその階層に大きな影響を与える話もあれば、何も影響を与えることができなかった物語もある。 そして、最後の「2409階の彼女」では主人公自身も影響を受けたものであることが判明する。 それを考えると今まで下ってきた階層の中から主人公たちのように下を目指す者もいるかもしれない。 そんな、いろいろな想像をさせてくれる作品であると感じた。
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久々に感動した本
少年が相棒の蛙と共に塔のいろいろな世界(階層)を通り、降りてゆくという短編ストーリー。“永久に戦争をする世界”など、主人公の通る世界はとても酷く、間違った世界ばかりです。しかし、どの世界も主人公は変えることは出来なく、ただ通るだけで、どうすることもできません。その不条理さに読んでいてとても胸が苦しくなりました。 久々に本当に感動した本です。切ない話や、哀しい話が好きな方是非一読を。絶対に買って後悔しません。
関連する文学賞
- 電撃hp短編小説賞 第5回(2004年) ・銀賞