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巌のちから: 阿木津英歌集

短歌研究賞

巌のちから: 阿木津英歌集

阿木津英

『巌のちから』は、阿木津英の第五歌集です。フェミニズム短歌の批評性を背負ってきた作者が、制度や性差への鋭い視線を保ちながら、言葉そのものの硬さと苦い感慨を歌へ刻みます。

短歌フェミニズム制度批評第五歌集

作品情報

制度に触れる苦みと、歌の言葉の硬度がせめぎ合う第五歌集。

短歌研究社から2007年に刊行された歌集。NDL で 214 ページ、ISBN 978-4-86272-053-5 が確認できます。第1回短歌研究賞受賞作として扱われています。

レビュー要約

  • 評者は、言葉の力への畏怖と、男性原理への批評性を作品の中心として読んでいる。過去の評価のされ方まで問い直す、強い緊張を持つ歌集として受け止められている。

書籍情報

出版社
短歌研究社
発売日
2007-07-01
ページ数
214ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784862720535
ISBN-10
4862720536
価格
3674 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/詩歌/歌集

帯文・岡井隆 帯抄出歌五首・ あをぞらに張る高枝に翅(つばさ)来て素(しろ)き珠美をついばむらしも おろかとも言ふといへども選び来し跣(はだし)のあしで踏むよろこびを 両の手をひらき垂れたる歩みにて遠き山嶺ひびき来たれり 地の芯のふかきを発し盛り上がる巌(いはほ)のちから抑へかねつも 身に火薬巻きつけて少女ゆく道をおもはざらめや照り返す日に 2000年から2003年3月までの作者五十代始めの第五歌集『巌のちから』は、雪舟の水墨画に向かい合っている時に生まれた言葉で、2003年その三十首により第三十九回短歌研究賞を受賞と『あとがき』に知る。 阿木津英の第5歌集『巌のちから』を読んで、その作品の言葉の力に畏怖を感じた。 >阿木津のかつての歌には、男性原理に対する先鋭的な批評性が豊かにあった。阿木津の制度に向けられた鋭利な歌は、男女という性差を超えて、歌壇にセンセーショナルなフェミニズム短歌の旋風を巻き起こした。しかし、阿木津の歌が当時も、いや、現在においても正当に評価されているかと言えば、私は疑問を持たざるを得ない。 第22回短歌研究新人賞、第28回現代歌人協会賞受賞の著者の13年ぶりの歌集。第39回短歌研究賞受賞作収録。日常から国家問題までを力強く詠った第5歌集。「成熟した力作」(岡井隆)。集名は「雪舟の水墨画に向かい合っているとき、ふと生まれた言葉である」。 「地の芯のふかきを発し盛り上がる巌のちから抑へかねつも」 三歳を過ぎて片目の野良猫の世の苦浸(し)みたる風情(ふぜい)に歩く

レビュー

  • 群馬県立土田文明文学記念館で、現代女性歌人展があったので予習として拝読。自分の好きな水関係の短歌を引用させてください。

    ぬるま湯の底ひにまなこを開(あ)くごとし硝子に梅雨のにじむ日およぶ 水底のたかき額はすずしくてまぶたの縁(へり)の睫毛ととのふ 噴水のしぶきの音す雲垂りてひかりを孕むそらのましたに 水塊(すいくわい)の砕け放てるひとすぢの勢ひの見ゆ曇りのなかへ 噴き上げの水つぎつぎに落ちゆきて寒の雀の翅(つばさ)ひらめく 小雨ふる街裏路はひともとの梢ゆたかなる白さるすべり

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