作品情報
短歌作品として受賞歴を持つ「隠国」。
「隠国」は小黒 世茂による短歌作品です。本阿弥書店から1999年に刊行が確認でき、受賞対象として扱われています。作品の性格は賞の対象分野に沿っており、読者は短歌として読むことができます。
書籍情報
- 出版社
- 本阿弥書店
- 発売日
- 1999-11-01
- ページ数
- 232ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784893734426
- ISBN-10
- 4893734423
- 価格
- 2970 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 隠国: 歌集 : 小黒 世茂: 本
レビュー
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鮮やかな色彩に満ちた言葉が躍動する歌の世界。。。
歌人であると同時にパステル画家でもある小黒世茂さんの歌は、鮮やかな色彩の表現に満ちています。そんな言葉の躍動に誘われるまま、僕たちは隠国へと踏み入り、やがてその果てに広がる海原の彼方に補陀落をも幻視するのです。『隠国』は味わい深い歌ばかりの歌集ですが、僕が個人的に惹かれた歌を幾つか紹介させていただきます。 海を喰ふ舟蟲男ひそませて枯木灘いま野ざらしの紺 かなたには火の泉あり火をくみて漁者樵者と夜を吟じよ ふれ合ひてなほ遠きひとこの夜をへだてる星の意志やはらかし 川霧は母のごとくに目に見える子も見えぬ子もふところに抱く 経絡をはしる気のあり中辺路の天地無用に散る桃すもも 羊歯森の時間のそとをかけぬける役小角は思考する風 あざやかに死は生きてゐる龍宮に黒きゆふぐれ華やぐばかり 石走る水の狂言 ひとはひとを怖れてひとを貶めよとぞ 花婿は薄化粧する 睡蓮の絵よりこぼれ落ちたる六月 悔恨を百合のかたちに問ひかけて百合のかたちのまま返される 誰からも等距離にあるわたくしの中へと秋の破片が降りる 読みさしの「戦国策」を胸に伏せ虚空へ馬上杯を注したり 水底に燠火まさぐる夢のままヨセフもよその乳房は知らず うはずみの水の倦怠おもふとき阿古屋の珠は指よりこぼれ きのふ見し夢そのままに野分きて夏の末期をもりあがる波 入江へと鯨魚おひこむ黒潮の地鳴りのさまを絵詞にみて
関連する文学賞
- 歌壇賞 第10回(1999年) ・受賞