作品情報
天空の舟 小説・伊尹伝は、中国古代史の文脈で読まれる受賞作です。
中国古代、夏から殷へ向かう時代を背景に、伊尹の歩みを描く歴史長編。孤児から料理人、そして政治の先覚者へ至る人物像を大河的に描く。
書籍情報
- 出版社
- 海越出版社
- 発売日
- 1990-07-27
- ページ数
- 381ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784906203925
- ISBN-10
- 4906203922
- 価格
- 56 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/歴史・時代小説
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レビュー
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夏王朝の落日
古代中国、夏王朝末期を描く。 身分が低いために君主の一存で右往左往する不遇な主人公・伊尹(摯)と、絶対的な権力を持つ夏王朝の王・桀の対比が興味深い。暴君と言われる桀もある面では有能に描かれており魅力さえ感じる人物として描かれている。 各国(邑)の駆け引きは時代を問わずあるようで、古代のことではあるが現代にも通ずるリアリティを感じた。
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中国の古代を描いた宮城谷氏初期作品
本書は宮城谷氏のかなり初期の作品で、古代中国の紀元前16世紀の夏王朝の終わりから商(殷)王朝の始まりまでを舞台としている。 中国史もここまで遡ると伝説の世界に重なっていくため歴史の授業でも習うことはないが、そのような古代の社会風習と、王朝が移り変わる激動の時代に生きる人々の生き様が見事に描かれている。ストーリーも雄大で長編ではあるが読者を飽きさせることなく、最後まで楽しく読むことができた。
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はじめのページから面白くて
はじめのページから面白くて読み終わるまで何も出来ないくらい引き込まれました。買ってよかった
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安心の品質
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古代中国の風俗が学べる作品
宮城谷氏が書いた「太望公」の主人公:望があこがれるところとする、夏・商の時代に活躍した伊尹の物語。 私はなんとなく中国史をさかのぼってきてしまったが、この時代は武器を持った戦いよりも、まず「生活をすること」から邑がつくられるので、この時代などはほとんど日本の縄文時代や弥生時代のようなものなのに、王朝の豪華絢爛たる生活ぶり、文字がなく口伝で兵法術を習うところ-------そしてそれを勉強することの楽しさを伊尹が知っていき、またそれを配下につたえる。 当時の衣裳や食べ物、住居などがとても参考になる。 伊尹が「誕生」するあたりはイエス・キリストを思わせるものもあり、すべてが史実というわけではないだろうが、政治が呪術がかっているところ、王の機嫌いかんで国の運命すら決まる。 それの心理操作をした初めての人が料理人である伊尹であり、「中国史」のなかでもヒーローとされるのであろう。 ただこの作品は(たぶん)意図的に最後がもやりとしている。「あとは読者の想像で」ということなのだろうけど、私は「太望公」を先に読んでしまったのでその補完として読むべき小説かもしれないと思った。
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『天空の舟』(上/下)
全く未開である太古の夏代末期から商代初期の時代を分かり易く、かつ信憑性を感じさせる内容で描かれています。 抵抗を感じがちな古代中国への手引きとして高く評価されるべき完成度の高い作品ではないでしょうか。
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資料の少なさを感じさせない傑作
氏の小説としては5冊目。 『楽毅』のようにスピード感はない。『晏子』のように主人公に敬服させられることはない。『重耳』のように多くの登場人物が出てくるという豪華さもない。『太公望』のように息つく間もない冒険が繰り広げられるわけでもない。 正直にいって、なんとも中途半端な感じが否めず、他のレビュアーの方々がおっしゃるような面白さに出会えないまま読み進めていった。 しかし、ラスト2章になって「大反抗」に遭遇した。 今まで何とも思っていなかった登場人物(特に夏王桀)に急激に魅力を感じ始めたのである。ここにきてやっと登場人物に対する氏の愛着がわかった自分はまだまだ甘いなと感じた。 さらに、終章はそのタイトルも含め、すばらしいの一語に尽きる。 読んだ5冊の中では、最も読後感がいいと感じた。
関連する文学賞
- 新田次郎文学賞 第10回(1991年) ・受賞