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彼女は水曜日に死んだ

Translated Mystery Grand Award

彼女は水曜日に死んだ

吉野弘人

A short story collection about the loneliness and hope of people caught in crime and loss. It traces the ordinary lives left in the wake of violence with a restrained, lucid style.

short storiescrimelosslonelinesshope

Work Information

The silences of wounded people rise in slightly different shapes from story to story.

A short story collection published by Tokyo Sogensha. It contains ten stories, including the 2015 CWA Best Short Story Award winner, and portrays people drawn into crime from multiple angles.

Review Summaries

  • It is valued as a collection in which seemingly separate stories still resonate as a whole through the feelings of people involved with crime.

Book Information

Publisher
東京創元社
Published
2022-10-31
Pages
288 pages
Language
日本語
Size
194 x 134 x 21 cm
ISBN-13
9784488011192
ISBN-10
4488011195
Price
2310 JPY
Category
本/文学・評論

第14回翻訳ミステリ大賞受賞 あなたは正しく生まれたのに、歪んでしまった。 目撃者、看守、前科者、密入国者の親戚・・・・・・。 犯罪に関わりを持ってしまった 人々の孤独と一筋の光。 CWA賞最優秀短編賞受賞作を含む忘れがたい10編。 ギャングの少年の殺人を目撃した女性は、報復を恐れて通報するか苦悩する(「ベイビー・キラー」)。1988年フランスで、8人の子供を殺した囚人と看守の奇妙な交流を描く(「ボルドーの狼」)。メキシコから密入国する親戚を救うため、少年は父と山火事が広がる国境地帯に踏み入る(「灰になるまで」)。犯罪に関わった人々の孤独と希望を、美しく切なく真摯に描く。CWA賞最優秀短編賞受賞作を含む傑作短編集! ■目次 「悪いときばかりじゃない」 「ベイビー・キラー」 「ボルドーの狼」 「万馬券クラブ」 「夕闇が迫る頃」 「本能的溺水反応」 「聖書外典」 「すべてのあとに」 「甘いささやき」 「灰になるまで」

アメリカ、カリフォルニア州オークランド出身。2008年にデビュー短編集Dead Boysを刊行した。Angel Baby(2013)で同年のハメット賞を受賞。2015年、短編集『彼女は水曜日に死んだ』(2015)に収録されている「聖書外典」と「甘いささやき」が、2作同時に英国推理作家協会(CWA)賞最優秀短編賞の最終候補に選ばれ、「聖書外典」が受賞するという快挙を成し遂げた。同書所収の「ベイビー・キラー」はアンソロジー『ベスト・アメリカン・短編ミステリ2012』の収録作に選ばれている。その他の著作にThe Smack(2017)、Rovers(2021)などがある。

Reviews

  • 灰になったあともまた生の瞬きに怯える

    「彼女は水曜日に死んだ "Sweet Nothing"」(リチャード・ラング 東京創元社)を読み終えました。10篇のクライム・ノヴェル。或いはそのようなもの、何ものも通用しない依存という名の闇、L.A.とメキシコに纏わる短篇が収録されています。 ①「悪いときばかりじゃない」 L.A.。ぼくと嫁と嫁の父親。ぼくはその父親と行動を共にしますが・・・。物語はダブルでシャープに反転します。 ②「ベイビー・キラー」 ベイビー・キラー。とんだ一週間。刹那的で美しい幕切れ。 ③「ボルドーの狼」 8人の子供を殺した男、狼(ウルフ)。囚人。看守長。神父。何処に誰の安らぎがあるのか? ④「万馬券クラブ」 違法賭博で捕まり、48時間後拘置所から解放された男。エイトボールで知り合った女とその息子を連れて競馬場に向かうおれ。精神科医もカウンセラーも"Gamblers Anonymous"も効力を発揮しない進行性の病。たとえギャンブルに勝利し続けたとしても、心に神が宿ることはない。 ⑤「夕闇が迫る頃」 L.A.。議員スタッフとして働くおれの日常。男は嫁にばれない金を持つべきか?(笑) ⑥「本能的溺水反応」 メアリーローズは水曜日に死んだ。ドラッグ。クリント・イーストウッド。(因みに、酒、ドラッグ、ギャンブル、性に埋没し続ける依存症者たちは、クリント・イーストウッドの映画が好きですね。理由は理解できるような気がします。)エコーパーク。普通に生きるためには。 ⑦「聖書外典」 宝石店の警備員。ラザロと金持ち。 ⑧「すべてのあとに」 終末なのか?この短編だけ異色。希望は身の丈の中にしか存在しない。 ⑨「甘いささやき」 おれと体重200キロ越えの同居人、トロイ。目的といえば、ただ生き延びること。 ⑩「灰になるまで」 国境沿いの山火事。国境を越えて来るアルベルトとマリアを迎えに少年ミゲルを連れて行く父親。国境近くの低木地帯に住むブリュワー。彼は避難勧告を受けながらも自分の土地を離れようとはしません。その二人と一人のこんなものが読みたかったと思えるような物語。ブリュワーの過去に寄せる思い。これは、男たちの「詩」なのだと思います。 どんな助言も通用しない、独りよがりのどうしようもない男たちの物語が続きます。一方で生き延びるためには何が必要なのかは身体のどこかで理解はしているのかもしれません。再読したいのは「本能的溺水反応」。もしこの世に希望をもちたいと思っているのなら、「灰になるまで」をお読みください。

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