日本の文学賞

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松本 正雄

まつもと まさお

Matsumoto Masao

プロフィール

性別
男性
生誕
1901-03-14 (東京)
死没
1976-04-15 75歳
国籍
日本
言語
日本語, 英語
居住地歴
東京

経歴

職業
英文学者, 評論家, 翻訳者, 編集者
活動期間
1920年〜1976年
所属
平凡社, 日本評論社, 日本プロレタリア作家同盟, プロレタリア科学研究所, 日本民主主義文化連盟, 日本ジャーナリスト会議
影響を受けた人物
プロレタリア文学運動, アメリカ文学

学歴

青山学院
英語師範科
国: 日本

受賞歴

多喜二・百合子賞
1974
対象作品: 過去と記憶
結果: 受賞

受賞・候補エディション

  1. 受賞作: 過去と記憶

    『過去と記憶』は、ファシズムと闘った人々の経験を扱い、個人の回想を歴史意識へつなげる評論・記録文学である。記憶を通して政治的暴力と抵抗の意味を問い直す。

    個人の記憶から、ファシズムに抗した人々の歴史を照らす作品。

    309ページ
    記憶ファシズム批判抵抗歴史意識

作品

代表作

プロレタリア英語入門

1932年 英語教育・評論

労働者やプロレタリア運動の視点を重視して英語の基礎を解説した入門書。編集活動と並行して執筆された。

プロレタリア文学英語教育文化運動

モンロー主義 概説

1941年 政治学・歴史

モンロー主義の歴史的・政治的意義を概説した研究。中南米研究の文脈で執筆された。

対米外交中南米研究帝国主義批判

アメリカ文学史論

1947年 文学研究・批評

アメリカ文学の流れと特徴を論じた学術的著作。英文学者としての視点から史論を展開する。

アメリカ文学史批評近代文学

過去と記憶 ファシズムと闘った人びと

1974年 回想録・歴史

自身の体験を中心に戦前・戦中の政治弾圧や論争を回想した回想記集。横浜事件での逮捕経験なども扱う。

反ファシズム政治弾圧記憶

計算器(エルマー・ライス 翻訳)

1929年 翻訳(戯曲)

エルマー・ライスの戯曲『計算器』を翻訳し、新興文学全集で発表した訳業の一例。

演劇社会批判

はんどん(オルダス・ハクスリー 翻訳)

1929年 翻訳(小説)

オルダス・ハクスリーの作品を日本語に翻訳したものの一つ(記録上は『はんどん』表記)。

英米文学紹介翻訳

ベンスン殺人事件(S・S・ヴァン・ダイン 翻訳)

1930年 翻訳(推理小説)

S・S・ヴァン・ダインの作品を翻訳し、世界探偵小説全集に収録された訳業。

推理小説翻訳

新らしきもの古きもの(パール・バック 共訳)

1938年 翻訳(小説)

パール・バックの作品を共訳したもの。共訳者に片岡鉄兵らがいる記録がある。

中国・アジア描写翻訳

王竜(パール・バック 翻訳)

1939年 翻訳(小説)

パール・バックの中国を舞台にした作品を訳したものとして記録される訳業。

中国社会翻訳

北京好日 第3部 秋の歌(林語堂 翻訳)

1940年 翻訳(随筆・小説)

林語堂の作品の一部を翻訳・紹介した記録がある訳業。

中国文化翻訳

ピークスキル事件(ハワード・ファスト 翻訳)

1952年 翻訳(ノンフィクション)

ハワード・ファストの作品を翻訳、筑摩書房から刊行された訳業。

政治翻訳

ぼくらは無罪だ!(ハワード・ファスト 共訳)

1955年 翻訳(ノンフィクション)

サッコとヴァンゼッティ事件を扱った作品を共訳し、新評論社から刊行された。

冤罪政治翻訳

義勇兵(スティーブ・ネルソン 翻訳)

1966年 翻訳(世界革命文学選)

世界革命文学選の一編としてスティーブ・ネルソンの作品を翻訳・編集に関与した。

革命文学翻訳

世界をゆるがした十日間(ジョン・リード 共訳)

1977年 翻訳(ルポルタージュ)

ジョン・リードの『世界をゆるがした十日間』を共訳し、新日本文庫として刊行された訳業。

革命史翻訳

世界短編名作選 アメリカ編(共編)

1977年 編集・アンソロジー

池上日出夫・永原誠らと共に編んだアメリカ短編名作選。編集者としての業績の一部。

アンソロジーアメリカ文学紹介

全著作

  • 『プロレタリア英語入門』鐵塔書院 1932
  • 『モンロー主義 概説』中南米研究所 1941
  • 『アメリカ文学史論』九州評論社 1947
  • 『過去と記憶 ファシズムと闘った人びと』光和堂 1974
  • エルマー・ライス『計算器』翻訳(新興文学全集、平凡社)1929
  • オルダス・ハクスリー『はんどん』翻訳(新興文学全集、平凡社)1929
  • S・S・ヴァン・ダイン『ベンスン殺人事件』翻訳(世界探偵小説全集、平凡社)1930
  • パール・バック『新らしきもの古きもの』(片岡鉄兵と共訳)六芸社 1938
  • パール・バック『王竜』興亜書房 1939
  • 林語堂『北京好日 第3部 秋の歌』翻訳 四季書房 1940
  • ハワード・ファスト『ピークスキル事件』筑摩書房 1952
  • ハワード・ファスト『ぼくらは無罪だ! サッコとヴァンゼッティの受難』(藤川健夫と共訳)新評論社 1955
  • スティーブ・ネルソン『義勇兵』新日本出版社(世界革命文学選)1966
  • ジョン・リード『世界をゆるがした十日間』(村山淳彦と共訳)新日本文庫 1977
  • 『世界短編名作選 アメリカ編』(池上日出夫・永原誠と共編)新日本出版社 1977

作家による翻訳

  • エルマー・ライス『計算器』1929(翻訳)
  • オルダス・ハクスリー『はんどん』1929(翻訳)
  • S・S・ヴァン・ダイン『ベンスン殺人事件』1930(翻訳)
  • パール・バック作品(共訳)1938-1939(翻訳)
  • ハワード・ファスト『ピークスキル事件』1952(翻訳)
  • ジョン・リード『世界をゆるがした十日間』1977(共訳)

作風・主題

文体
明快で説得力のある評論的文体史的記述と回想を組み合わせた叙述翻訳では原作の社会性を重視した直訳的手法
頻出モチーフ
階級と労働アメリカ文化の紹介反ファシズム・政治弾圧への告発

評価・遺産

松本正雄は英文学の紹介・翻訳、編集活動、評論を通じて日本におけるアメリカ文学受容に貢献した。またプロレタリア文学運動との関わりや戦中の政治弾圧に抗した経験を持ち、回想記により戦前戦中の知的・政治的軌跡を後世に伝えた。

関連学会

  • 日本ジャーナリスト会議
  • 日本プロレタリア作家同盟

資料所蔵先

  • 国立国会図書館(所蔵資料あり)

豆知識

  • 1927年に平凡社に入社し、『新興文学全集』の編集に関わった。
  • 1932年に『プロレタリア英語入門』を刊行し、プロレタリア文学運動に接近した。
  • 1944年の横浜事件で逮捕され、戦後に釈放された。
  • 回想記『過去と記憶』で多喜二・百合子賞を受賞した。
  • ジョン・リードやパール・バック、ハワード・ファストらの翻訳を手がけた。