中日詩賞 ちゅうにちししょう
江原律の詩集。過ぎ去った時間を遠くから呼び戻すように、記憶、喪失、生活のかすかな気配を静かな言葉でまとめる。大きな物語よりも、心に残る一瞬の明滅をすくい取る作品集である。
遠ざかる日の光を、静かな詩句で引き寄せる。
華道という共同の場を題材に、花を扱う所作、仲間との距離、日常の小さな緊張を描く作品。クラブ活動の明るさの奥に、表現することと人と関わることの難しさがにじむ。
花をいける手つきの向こうに、人との距離が見えてくる。