芸術選奨文部科学大臣新人賞 げいじゅつせんしょうもんぶかがくだいじんしんじんしょう
第73回(2023年)
受賞者
11名枝元萌は、iaku『あつい胸さわぎ』での演技を含む舞台での成果に対して受賞した。特定の一作品を受賞対象とするものではなく、俳優としての業績を顕彰する受賞である。
早川千絵は、長編映画監督第1作『PLAN 75』で、人間を生産性で評価して弱者を切り捨てる社会を静かに批判し、映像で繊細な情感を表現した業績を評価されて受賞した。これは特定の書籍に対する賞ではなく、映画監督としての業績を顕彰する受賞である。
園田隆一郎の受賞は、ロッシーニ『泥棒かささぎ』を含む複数のオペラ公演における指揮の成果を顕彰したものである。特定の一作品を受賞対象とするものではない。
田村一行の受賞は、振付・演出・美術・出演を担った舞踏公演「舞踏 天狗藝術論」の成果を顕彰したものである。受賞対象は舞台公演であり、特定の書籍作品ではない。
社会問題に強い関心を寄せる娘と、内向的で小説を読み続けてきた母。太宰治『女生徒』を手がかりに、価値観の異なる二人の関係と、小説を読むことの意味が揺れ動く。
芥川賞候補作。新鋭が鮮やかによみがえらせる、令和版「女生徒」。
中﨑透氏の多角的な美術活動と、個展「中﨑透 フィクション・トラベラー」ほかの成果を顕彰した受賞であり、特定の文学作品を対象とするものではありません。
佐野亜裕美は、テレビドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』をはじめ、既存のスタイルにとらわれないドラマを生み出してきたプロデューサーとしての成果を評価されて受賞した。受賞対象は特定の書籍ではなく、放送作品におけるプロデュースの業績である。
東京03は、単独公演「ヤな覚悟」を含むコント活動の成果に対して芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。受賞対象は書籍ではなく、舞台での大衆芸能活動である。
平塚千穂子の受賞は、全ての人のための映画館「CINEMA Chupki TABATA」の運営と、映画『こころの通訳者たち』の制作を含む活動を顕彰したものである。特定の書籍作品に対する賞ではない。
谷崎潤一郎が映画をどのように受けとめ、小説のなかで映画的な思考や欲望をいかに展開したのかを考察する研究書。映画を主題として扱うだけでなく、媒体の特質、俳優の身体、興行、鑑賞行為までを視野に入れ、谷崎文学における〈映画〉の存在をたどる。
谷崎にとって映画とは何だったのかという根本的な問いを、資料を丹念に読みながら掘り下げる。
『ゴールデンカムイ』は、日露戦争帰りの杉元佐一とアイヌの少女アシリパが、北海道に隠された金塊を追う歴史冒険漫画である。明治末期の北方を舞台に、埋蔵金をめぐる争奪と、アイヌの暮らしや文化へのまなざしを交差させながら物語が進む。
北海道の大自然を越え、金塊と生存をめぐる旅が始まる。