新田次郎文学賞 にったじろうぶんがくしょう
『月まで三キロ』は、自然科学の知識が人生の行き詰まりをほどく瞬間を描く短篇集。表題作では死に場所を探す男とタクシー運転手の対話が、月と地球の距離という科学的な話題を通じて静かに転調していく。
月や化石や雪が、行き詰まった人の心に別の時間の尺度を与える。