日本の文学賞

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月まで三キロ

新田次郎文学賞

月まで三キロ

伊与原新

『月まで三キロ』は、自然科学の知識が人生の行き詰まりをほどく瞬間を描く短篇集。表題作では死に場所を探す男とタクシー運転手の対話が、月と地球の距離という科学的な話題を通じて静かに転調していく。

科学短篇集再生自然人生

作品情報

月や化石や雪が、行き詰まった人の心に別の時間の尺度を与える。

新潮社刊の短篇集。表題作を含む六篇を収録し、新田次郎文学賞ほかを受賞した。出版社公式でISBN、ページ数、内容紹介を確認した。

レビュー要約

  • 科学的な題材を冷たい知識としてではなく、人の感情を照らす装置として使う点が高く読まれている。静かな救いと余韻を評価する声が多い。

書籍情報

出版社
新潮社
発売日
2018-12-21
ページ数
255ページ
言語
日本語
サイズ
13.2 x 1.8 x 19.1 cm
ISBN-13
9784103362128
ISBN-10
410336212X
価格
1980 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

この先に「月に一番近い場所」があるんです――。樹海を目指した男が、そこで見たものは? 「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性客が、小学生の娘に語った言葉の真意。科学のきらめきが人の想いを結びつける短篇集。

レビュー

  • 胸に満ちるものがある、読み味のとても良い作品集でした。

    初めて読む作家さんの作品集。 「月まで三キロ」「星六花」←〝ほしりっか〟と読むのか? 「アンモナイトの探し方」「天王寺ハイエイタス」「エイリアンの食堂」「山を刻む」の短篇六作品と、掌篇「新参者の富士」を収めた一冊です。 どの作品も、登場人物に注ぐ著者の眼差しが柔らかく、慈しみに満ちていて、温かものが胸に広がる読み味でした。 とりわけ気に入ったのは、「エイリアンの食堂」。 ふたりぼっちで生きている父親と小学生の娘の世界に、当初は怪しげな人物として入り込んできた女性が、親子の寂しい世界に灯る星のようになっていくところ。じんと沁みるものがありました。 また、この中のある人物が口にする言葉で、《世界で一番小さなものに目を凝らすと、そこには世界で一番大きなものが見える。》p.253 いうのが、なんやいい言葉やないかあ思って、ぐっと来ましたわ。 とてもナイスな読み心地の作品集だったので、著者の次の短編集でいいんかな、『八月の銀の雪』(新潮文庫)に行きます。楽しみです。 それと、文庫本の表紙カバーに描かれた草野 碧さんのイラストが素敵ですね。こちらも気に入りました。

  • この作者ぽくない

    読みやすく 内容も ウルってなりました

  • 読み出したら止まらない

    文系の人間にとって理系の方は憧れです。科学、特に宇宙に興味があるのですが、詳しいことになるとサッパリ分からずじまい。こちらはとても分かりやすく説明してくださり、理解が深まります。このような作家さんの登場を待っていました。

  • 理系だけど

    宇宙の知識が混ぜ込まれてはいるが、しっかりヒューマンストーリーなところが好きです

  • 良かった

    伊予原さんの作品は安定。

  • 良い話

    ちょっと切なくて良い話の短編集だと思います でも、印象に強く残るものではないかな 理科の勉強にはなります

  • 心に響く

    この本を読んで以前から行きたかったその場所に行ってきました 人生1人では思いつかない続きがありますね

  • 人生を失った男と息子を失った男の行きついたところが「月まで三キロ」

    科学の知見が紡ぐお話が、こんなに人の心に染み入るとは。

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