野間文芸賞 のまぶんげいしょう
第78回(2025年)
純文学小説戯曲評論
受賞者
1名
世界99(上・下)
『世界99』は、性格を持たないまま周囲に呼応し、集団ごとに人格を作り替えて生きる如月空子を軸にした上下巻のディストピア長編である。かわいらしい存在として現れたピョコルンが社会の仕組みを変えていくなか、差別、搾取、性、家族、記憶、適応の問題が、空子の半生とともに不穏に展開していく。
人格を使い分けて世界を渡る空子の前で、愛玩物だったピョコルンはやがて人間社会そのものを組み替える存在へ変わっていく。
864ページ
ディストピア人格と適応差別と搾取性と身体家族と記憶社会規範