女による女のためのR-18文学賞 おんなによるおんなのためのR-18ぶんがくしょう
第22回(2023年)
小説
受賞者
6名
仲谷実織
優秀賞
鬼灯の節句
妊娠した主人公が、鬼灯にまつわる古い知識と祖母との関係のなかで、自分の身体と選択に向き合う短編。地方の生活感が作品の輪郭を支えている。
鬼灯を手がかりに、主人公は自分の身体と向き合っていく。
R-18文学賞女性の身体祖母地方
義井優
友近賞
ゴーヤとチーズの精霊馬
お盆の精霊馬をゴーヤとチーズで作る発想を軸に、家族の記憶や季節の空気を軽やかに描く短編。素朴なユーモアの奥に、暮らしの手触りがある。
ゴーヤとチーズの精霊馬が、家族の記憶をやわらかく呼び起こす。
R-18文学賞家族お盆ユーモア
峯尾ゆき
候補
祝福の夜明け
成人式や家族への痛みを抱えた主人公が、自分の歩みをやり直そうとする一夜の物語。スナックのママや愛ちゃんとの出会いが、閉じていた感情を少しずつほどいていく。
やり直したい夜に、家族の痛みと向き合う。
家族の傷成人式再生夜の一夜女性の連帯
関かおる
候補
ラ・ライク・ラブ
三人の関係がゆるやかに絡み合う物語で、身体感覚の濃さと、踏み込んだ恋愛の描き方が強く残る。互いを傷つけない関係の心地よさと、視点の揺れが生む読みにくさが同居する。
ぬるくやわらかな関係の温度が、最後まで続く。
三人関係恋愛身体性視点の揺れ現代的関係
村崎夏生
候補
帰り道もあかるい
年上の女性たちの会話と立ち振る舞いを通して、日常の価値観と家族の関係を見つめる作品。正しさは伝わるが、物語としてはやや静かな印象が残る。
正しさのなかに、もう少し遠くへ飛ぶ余白を探す。
女性の会話家族関係年齢差日常の違和感静かな語り
タナカマーサ
候補
洗いたい靴下
スナックという場で立ち上がる関係と、初体験をめぐる出来事を軸にした作品。性の描写と場の空気は巧みだが、主人公の動きの弱さが物語の推進力を抑える。
暗い出来事のあとに残る手触りを、スナックの夜に拾い上げる。
スナック性の描写初体験喪失女性主人公