日本の文学賞

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新潮新人賞 しんちょうしんじんしょう

第57回(2025年)

純文学小説

受賞者

2名
内田ミチル うちだ みちる 受賞
赤いベスト

広島に暮らす独り身の高齢女性・跡野が主人公。認知症を患い行方不明になった母の記憶を抱えながら、近所のウォーキングの会や大田さんの家での泊まり込みを通じて過ごす日々が描かれる。コミュニティに広まる「赤いベストを着た女」の不気味な噂を軸に、高齢者たちの集団心理と、主人公が語る真偽不明の嘘から漂う不信感が、広島弁を巧みに用いながら醸成される純文学中編。

「家にね、赤いベストの女がおるって言うんよ」——ウォーキングの会に流れる真偽不明の噂話が、不穏な空気を広島の町に漂わせる。

140ページ
高齢者の孤独認知症集団心理嘘と信頼広島方言文学家族の喪失
1987年4月 / 相談援助職 / 広島県
有賀未来 ありが みく 受賞

香港で生まれ、移民の養父母のもと日本で育った女子高生の星瑤(シンユ)は、あたしは香港人なのか、中国人なのか、日本人なのかという問いを抱えながら生きる。母国とは何か、母語とは何か、家族とは何か、親友への気持ちは愛なのか。アイデンティティの揺らぎを全身全霊で駆け抜ける18歳の鮮烈なデビュー作。

「あたしって、何、」真っ赤になった両脚をティッシュで拭きながら、涙が、言葉があふれ出して止められない。

96ページ
アイデンティティ国籍・民族移民香港言語と母語自己探求友情と愛高校生
2007年7月 / 高校3年生 / 東京都