日本の文学賞

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植物少女

三島由紀夫賞

植物少女

朝比奈秋

母が植物状態になったあとも病室へ通い続ける娘の視点から、介護と成長、生と死の境目を静かに描く長編。身体の記憶と家族の距離感が、淡々とした語りの中で深く立ち上がる。

母娘植物状態介護生と死成長

作品情報

生と死で線引きされない場所に、親子の物語がある。

第36回三島由紀夫賞受賞作。朝日新聞出版から2023年1月に刊行された単行本で、母が植物状態になった後も病室へ通い続ける娘・美桜の視点から、介護と成長の時間を描く。

書籍情報

出版社
朝日新聞出版
発売日
2023-01-10
ページ数
184ページ
言語
日本語
サイズ
1.95 x 13 x 18.8 cm
ISBN-13
9784022518842
ISBN-10
4022518847
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品

美桜が生まれた時からずっと母は植物状態でベッドに寝たきりだった。小学生の頃も大人になっても母に会いに病室へ行く。動いている母の姿は想像ができなかった。美桜の成長を通して、親子の関係性も変化していき──現役医師でもある著者が唯一無二の母と娘のあり方を描く。

レビュー

  • 最近読んだ小説の中で一番です

    存在することの痛みについて深く思いました。

  • 生きているということ

    生きてはいるが反応が限られる母のことを我々には解らない形で接していく娘の姿に触れた思いがした

  • 存在は身体に宿るのか、それとも関係の中に生まれるのか

    事前情報なしに軽く読み始めたが、テーマの重さにプロローグから不意を突かれる。 命の境界線、意識の境界線について思案を巡らせる。 植物状態なのは母なのに、タイトルは「植物少女」。 読み終えても、その違和感をうまく言葉にできない。 そこがこの作品の核心なのだろうなと思うのだけれど。

  • 悲しみの中に、命の尊厳が表現されている。

    悲しみの中に、命の尊厳が表現されている。植物状態になった母を見舞い続ける少女、植物状態になった息子を介護する母親。限りない悲しみの中に、命を大切にする日々。読み始めたら、途中で止めることができなかった。ただ、病気や障害で苦しんでいる人が身近にいる人にとっては、読むことが辛くなるかもしれない。病気や障害で日常の普通の喜びが奪われ、同じ年代のほとんどみんなが経験している普通のことを経験できない苦しみは当事者と、その家族にしかわからないと思う。

  • 言葉が巧みでした.

    言葉が巧みで、その世界観に引き込まれていく感覚がありました。 そういうご家族が、世の中にごまんといるんだろうなと思うと、胸が痛くなりました。 ただ、正直ガツンとくるものがなく、リアルさはあるけどストーリー的にはうーんて感じでした。

  • 題名に騙された

    医療ミステリー小説が好きで、読んでいるが、この作品は、題名だけで、内容がない。つまらない。

  • 粘膜に温かくはりつくような妙な表現力

    もの言わない植物人間の母親に求めようにも得られない叶わない問いかけにも似た行動が切ない。 読み終わっても粘膜にはりついてしまった。 しばらくはリアルに私の中に存在するのでしょう。

  • しんみりとした気持ちになりたい方に

    植物人間になった母の半生を娘の立場から幼少期、思春期、青年期をかけて見守る話。植物状態であっても生きる意味はあるのだと、生きる尊厳があるのだというメッセージが美しく表現されていた。また、主人公の心の変化が色鮮やかに表現されており、良い読書体験であった。

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