ベラルーシの林檎
『ベラルーシの林檎』は岸惠子によるエッセイの作品で、日本エッセイスト・クラブ賞の受賞作です。賞の対象領域に沿って、物語、人物、社会や歴史へのまなざしを読む作品として位置づけられます。
作品情報
日本エッセイスト・クラブ賞で評価された、岸惠子の表現を伝える一作です。
『ベラルーシの林檎』は、日本エッセイスト・クラブ賞の1994-1回で取り上げられた作品です。岸惠子の関心や筆致がうかがえる作品として、同賞の文脈のなかで読まれてきました。
書籍情報
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 発売日
- 1993-10-01
- ページ数
- 302ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784022566737
- ISBN-10
- 4022566736
- 価格
- 2251 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/エッセー・随筆/日本のエッセー・随筆/近現代の作品
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レビュー
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今読んでも通用する本
岸恵子さんのエッセイ、ノンフィクション紀行文は出版された時に全て読みました。 個人的なお話の中にその時代、時代の世相が反映されていて, その都度エスプリのきいた小股の切れ上がった話しぶりに涙が出るほど笑ったり, 旅行に行ったヨーロッパの国々を思い出し、uncommunicativity(意思疎通困難)、誤解すらないという言葉,そうと思わずつぶやきました。 読んだご本はBOOK-OFFに売ってしまいましたが岸恵子自伝読後、アマゾンで古本を買い戻し再読しました。”ベラルーシの林檎”など現在の緊迫したウクライナ情勢など予見しているようですね。 イスラエルとパレスティナの終わりなき戦い、イラン、イラク等の中東の苦しみは全て今も続いている問題ですね。やはり世界を外から見る事は日本人にとって非常に重要なことで、岸恵子さんはご自身やご家族を描きながら、世界で起こっている重大なことを極東の思考が内向きな日本人に発信しておられたのですね。 ”見ないものは分からない” のです。 今読んでも十分新鮮で楽しめるご本ばかりです。”砂の界へ”、”30年の物語”、も味わい深いご本です。 "私の人生アラカルト”の川端康成氏ノーベル賞受賞式やその後のホテルでのバルト海を眺めながらの川端氏や奥様との団欒の描写など秀逸で何度も読み返すほどです。
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非常に綺麗
使用感がなく、非常に綺麗な状態でした。 古本にありがちな「しみついたタバコの匂い、カビ臭さ」が一切なかった為、こちらで注文して良かったです。 手書きのお礼状まで同封して下さり、有難うございました。
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文筆家になるのは難しいことなんだ…
人の本に難癖をつけて申し訳ない、が、つい書きたくなってしまった。 彼女の本に共通していることだが、この本にも「私」という語がとても多く出てくる。自分の想いをあれもこれも詰め込みたくて長い説明文的な表現が多く、ちょっと読みにくい。それにひたすら情緒的だと思った。 また、文体が大変教養主義的であると思う。もてる教養をふんだんに散りばめるため、難しい漢字なども多出している。 それからどうしても自分、また自分を取り巻く場面を常に「絵」になるように正当化している面が、避けがたくある気がする。 文筆家とかジャーナリストとかではなく、あくまで女優であることよ。 同じ女優でも沢村貞子の本などとは大きな違いがあった。 この人の経験の豊富さからして、客観性のある、テーマを浮き立たせる書き方が出来たら、素晴らしい本になるのになあ…。(でも、そしたら、まさに作家だね。) 有名な人の教養あふれる体験談・プライバシーを読むとしたら、それはそれで面白い。生意気言ってごめんなさい。
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読みやすい
好きな女優さん、どちらかと言うと、おっとりされた方だと思っていましたが、人生は波瀾万丈、自ら決めた道を進む、カッコ良い方だと更にファンになりました。 小説家だとも知りませんでした、他の本も読んでみたいです。
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自分なりのラシーヌ
岸惠子さんの本が好きで、ちょっと好き過ぎてレビューが書けませんでした。 本書と「巴里の空はあかね雲」が大好きです。両方とも母の本棚で昔見つけたもので、母に内緒でこっそり持ち出し、今は日本から1万キロほど離れた国の私の本棚に並んでいます。 「デラシネされたラシーヌ(根)を私流にはびこらせてきた、でもそのラシーヌはフランスにも日本にも繁殖できるようなものではない」というのは、岸さんの著書の至るところで感じられるテーマです。 私は岸さんのお嬢さんより年下の若輩者だけど、私も同じような自分を感じてきたので、こういう自分もありだ、と励まされるような気持ちで読んできました。実生活で他人に話すことはありませんが、私という人間の根本であり、一人で向き合っていかねばならないテーマなのだと思ってきました。実生活で他人と共有することはありませんが、本の中で同じように(と勝手に思わせて頂いてます)感じている方と語り合えるのはうれしいことです。 私が初めて日本を出たのは、岸さんが横浜で木に登り「今日で子供をやめた」と思ったのと同じ年齢の時でした。途中、日本へ戻ったこともありましたが、なんだかんだで人生の半分を日本の外で暮らしています。 私が初めて外国で暮らすようになった時も、日本は果てしなく遠い遠い国でした。今は昔程遠くは感じなくなりましたが、パンデミックで国際線の多くが運休し、再び日本が少し遠くなったように思います。今は私なりのラシーヌがこの国にもそれなりに多少根をのばしていて、日本が遠いことを酷く恐ろしく思うようなことはなくなりました。 でもいつか、私も岸さんのように日本に移り住むことがあるのかも知れません。
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作家としての岸恵子
女優さんとしてお名前を知っていたので、興味本位で読み始めましたが、大変な知識人なんですね。文章の流れもとてもよいなぁ、などと思いました。イスラエルの首相とのインタビューでアラブは豊かだが、イスラエルには、この小さな土地しかない、ような事を言ったとのこと。今まで、考えた事がありませんでした。イスラエル人は、お金持ちで、貧乏人のパレスチナ人を虐げているイメージしかなかったので。 忙しいとは、心を失くすことだ、と誰かが書いていましたが、バルト三国へ行った際の取材班は、まさに、その感じ。 お金さえ払えば、礼を欠いても、よいのだろうか...と、私がそのような場面に出くわしたら、どんな風に対応すればよいのだろうか、などといろいろ想像したりして、余韻も楽しめる1冊でした。
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外国から日本人を眺める。
海外での体験が長く、積極的に活動されました。 日本人の感覚とは違い、島国感覚ではダメだよと言っていらっしゃるようです。 素敵な本です。
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様々な時点における、地球上の様々な地点を結び、紡ぎ出した珠玉のエッセイ
自らが異国で生活し「外国人」となり、初めて肌で感じる人種や民族の違いという厄介な問題。そこから芽生える「差別」という概念を、著者が初めて身を持って体験し、認識するに至ったエピソードを、プロローグとして鮮明に描写している。 そして、そこから著者の中で始まる長い長い自問自答。彼女自身の半生にわたるテーマであり、本書のモチーフでもある「意志不疎通性」は、時には影のように、時には手の施しようもなく深い暗い溝となって、歴史や文化・社会といった背景の異なる人々の間に横たわる。それはなにも民族間だけの問題ではない。フランスと日本を行ったり来たりする生活を続けてきた著者が体感する、ものすごいスピードで変化してく日本社会と、その社会の住人とのギャップ。パリで生活した年月が長くなればなるほど、自らの中に赤く燃える日本人の血を自覚せずにはいられない著者と、パリで生まれ育ったフランス人である一人娘との間のギャップが切ない。自らが苦しみ続けてきた問題と正面から対峙し、地球規模に広がるそれらの実態を、パリでの生活や日本はもちろん世界中の様々な地域で出会った出来事と絡め、自らの半生記と交差させながら、丹念に描いている。 もともとフィクションの世界の住人だった著者が、自身の半生を通じていつしかノンフィクションの世界に魅せられていった。駆り立てられるように、政情の不安定な国、民族間の争いの絶えない国に飛んで行き、その実態を、そこに生活する人々を自らの目で確かめてみなければ気のすまない著者の姿が印象的である。感性が強く鋭く豊かである著者が、肌で呼吸した現実を、自らの経験というフィルターでこして、紡ぎ直し丹念に織り上げた、紀行文であり、ルポルタージュであり、半生記であり、エッセイである。