日本の文学賞

← 受賞作品一覧に戻る
身体のいいなり (朝日文庫)

講談社エッセイ賞

身体のいいなり (朝日文庫)

内澤旬子

腰痛やアトピー、乳がん治療、ヨガ、乳房再建など、著者自身の身体の変化をめぐるエッセイ。身体に振り回されながら、女性性や生き方をユーモアと率直さで見つめる。

身体闘病女性性エッセイ

作品情報

身体の不条理に振り回されながら、著者は自分の感覚をもう一度つかみ直す。

講談社エッセイ賞受賞作。朝日文庫版の出版社公式で ISBN、発売日、ページ数を確認した。受賞作本文の入手可能な現行形として文庫版識別子を採用した。

レビュー要約

  • 闘病記でありながら重くなりすぎず、身体の変化を具体的に書く率直さが支持されている。痛みや不安を笑いも交えて読むことができる点に反応が集まる。

書籍情報

出版社
朝日新聞出版
発売日
2013-08-07
ページ数
253ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784022617767
ISBN-10
4022617764
価格
638 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/エッセー・随筆

38歳、フリーランス。 貧乏のどん底で乳癌発覚。 しかしそれは、新しい世界への入口だった・・・・。 腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ… 著者がずっと付きあってきた「病気といえない病気」の数々。 ところが、癒治療の副作用を和らげるために始めたヨガがきっかけで、 すっかり体質が変化し、嗜好まで変わってしまった。 不思議に仕事も舞い込むようになり、いまさらながら化粧の楽しさに目覚めてしまう。 そして乳腺全摘出を決断。 乳房再建手術の過程で日頃考えたこともなかった自分の「女性性」に向き合わざるを得なくなり―。 ベストセラー『世界屠畜紀行』の著者が、オンナのカラダとココロの不条理を綴った新境地エッセイ。 講談社エッセイ賞受賞作。 【目次】 I 持病の歴史 腰は痛いものなのだ――腰痛 痒の苦しみ――アトピー性皮膚炎 操体――ある日突然、腕がくるくる回る II そして、癌ができた 貧すれば病みつき、病みつけば貧する とにかく慣れろ、慣れるしかない入院手術生活 女の敵は女? 婦人科病棟ブルース 何はなくとも三百万 フリーのための癌対策 フリーズさせて、すみません。カミングアウトの憂鬱 調べない。根性なしがたてた治療方針 III ようこそ副作用 不快が一杯! 痒くて痛くて暑くてうるさい 絶不調、ほどけるように眠りたい 身体にヨガをせがまれて “オウム"は無理! ?騒ぐ心をなだめすかしつつ 視線の先が気になって ヨガから迷い込む女子道 資料もゴミも紙一重、本の山から離脱せよ 塗っても描いても痒くない! いまさら化粧道入門 安眠を求めて筋肉がつく不思議 IV 乳腺全摘出、そして乳房再建 ホルモン療法ギブアップ宣言 煮えろ! ! ゼンテキ決定前夜祭 ケンケンガクガク乳房再建 超繁忙期間にゼンテキ、再建 癌友がいく たかが乳、されど乳 失われた「自然」を求めて そして現在 謝辞 ★対談―癌とのつきあい方、自分の仕舞い方 内澤旬子×島村菜津 文庫版あとがき

レビュー

  • 乳がん 全摘?残存? 納得のいく答えを探している方へ。

    乳がん経験者、もしくは、これから手術を受け、全摘か否かを迷っている方に。

  • 少しは女性のことしってみようかと

    普段ないがしろにしてばかりいるので女性のがんのこと知ろうかとよんだ。病気以外の部分でこんなにいろいろ大変なんだと少し女性のことを知れた気がした。 だけかもしれない。

  • 読みやすい

    女性の身体について書かれており興味深い内容。

  • 38歳で乳がんになった女性の日常のありさま

    筆力があります。この筆者は、天性の作家さんなんだ・・と、いまさら、あらためて、純粋に感動。 乳がんになった。38歳で、こどももいない。赤貧の日々。仕事が生きがい・・というほど、華々しく活躍する作家ではなく、かといって鳴かず飛ばずのあぶれたルポライターではなく、やはり、それなりの実力を評価されて、細々と食いつなぐ仕事はある。そういった危ない綱渡りの経済状況でいきなり乳がんの宣告を受ける。 筆者が淡々と描く自身の日常と感情。 こういう、ある意味、醒めた視点は、ありそうで、ありえない気がする。 ここまで癌と共存する自分の生を冷静に筆におこせる作家の根性・・・そうですね、この本を読めば、なんだか、この人、ぜったいに根性あるよな!!ってわかります。 本人は、まったく、そんな気はないと思いますが、根性あります。 さらにいえば、どこかなげやりに(セカンドオピニオンを求めに別の病院に行こうとして、対応した医師の態度に、ブチ切れ、それでも、ま、いいか、いまさらほかの病院を探すのもなんだし・・)的に、ずぼらで、肝がすわった態度。 乳房を再建するか?・・この選択も、まずは、カネだ!!いまは、自家組織なら保険適応で形成できる、再建可能!なら、金額が妥当なもので、やってもらおう!など・・こういう思考の傾向って、強い!!ものすごく強い!と思う。 気が強い!というより、考えて悩んでもしかたがない、癌と戦うにも金が要る、カネをかせぐために癌をなんとかせねば・・というような こんな考えって、あるようで、なかなかない。でも、ある・・確かに、こういう思考って・・ある、ある、ある。と納得させられる。 全体に流れる正直な心情。リアルな吐露。この本の魅力は、「癌になったからって弱音をはかないで頑張って仕事している」というような、健気な根性ものではない。「癌が、ある日、突然自分のからだにやってきてしまったんだから、自分の生活はこうなって、こうなって、こうなって・・」というような・・どこか客観視している流されているようでいて、やっぱり、自分をきちんと維持できている。そういう作家の不思議な強さ。にある・・そして、実際、強かった!癌から初めて彼女は「健康になった」 こういう摩訶不思議な生活ぶりを、たんたんと最後までトーンを変えずに書いている。 いちど、読めば、納得できます。 この作家は、癌になったことで、生まれて初めて、健康を得たのですから。

  • 心身の調和について考えさせられた

    帯の「38歳で乳癌」という文字、闘病記だ、それも女性には かなり重いであろう乳癌、でもなんか気になる帯の「なぜか どんどん健やかに」の文字、そして何よりこの表紙、びろんと 胸をめくってる上に舌まで出してます。 うーん、こちらは男なので理解しがたい事なんだろうと思って みるけどなんか違和感、この違和感を理解したいというのが 動機で読んでみました。 さて、とにかく乳癌の闘病記だから重いのは覚悟して読み始め ると、著者の性格なのか生活環境の影響なのか、サバサバと していて意外な感じ、いや決して軽いとか簡単という訳では なくそれなりに大変だなあとは解るんですが覚悟して読み始め たこともあってちょっと置いてけぼりな妙な気分 さらに読み進めるうちに解ってきたのは、実際に置いてけぼり なっているのは著者自身の身体なんじゃないかということ、 そしてそんな感じの著者が身体の要求に向き合うことによって 心身の関係を見直し、調和を取り戻すと共に肉体面だけでなく 精神的な面でもより安定した状態になっていく様子を興味深く 読むことができました。 そんな訳で心と体はやっぱり不可分なんだなあと改めて納得、 こういう事を考えるいい機会を与えてもらうことにもなり、 読んでみてとても良かったです。 また、著者の方の明日をも知れない状態での前向きな姿勢と 病院(特に婦人科の環境)ってこういう感じなんだということ は大変勉強になりました。。。たしかに妊産婦さんと病気で 入院してる人は分けてあげるべきだよなあ、うん。

  • 人ごとではない

    内澤旬子著「身体のいいなり」特に女性にとっては非常に興味深い本だ。重大な病気になっての医者選び、治療法の選択、医者の自分への対応。最良の方法を選んだと思っても「ああすれば良かったかも」という考えがよぎる。全ては運とタイミング。著者が書いているように、よくある闘病記とはちがう。気負わない姿勢が、かえってぐいぐい読ませる。

  • 参考になりました

    乳癌になったので、手にとってみました。 とはいえ、「世界屠畜紀行」を書いた作家ということで、 気にはなっていた書き手でした。 病気との距離の取り方が、とてもよかったです。 私も、割に自暴自棄な気もちで治療に入っていったので、 「保健の効く治療しかしない」という方針も合致しました。 術後、どんな感じなのか、何が一番困るのか、 などなど、とても参考になりました。

  • いい本と思うけどいまいち

    作者の病気を通して物の感じ方や人生観等が変わるという経験を興味深く読みました。 共感できるところもありましたが共感できないところも多々あり、なんとなく自分と合わないモノ全て ざっくりすっぱり否定してしまえる表現にやや引いてしまったりしました。 そんなに全て切り捨てるような物言いするの?とか。 でも作者としては本音を書いているだけでしょうしこれは相性の問題だと思います。 なかなか鋭い文章もあって面白い本だと思います。

関連する文学賞