くろいの
ひとりで帰る女の子の前に現れる、まっくろで大きな目の不思議な存在「くろいの」を描いた絵本。言葉を交わさないまま、女の子はくろいのについていき、古い家の中で静かであたたかな時間を過ごす。
作品情報
ことばがなくても、くろいののそばには安心できる場所がある。
偕成社から2018年に刊行された田中清代の絵本。へいの上や花屋の店先にいる、全身まっくろな不思議なものを見つけた女の子が、古い家の座敷や天井裏でくろいのと過ごす。銅版画による黒の表現が、少しこわくてあたたかい世界をつくっている。
レビュー要約
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細密なモノクロ画面と、怖さよりもやさしさを残す不思議な雰囲気が好評。子どもだけが見つけられる秘密の友だちのような存在として、静かな余韻を持つ作品と受け止められている。
書籍情報
- 出版社
- 偕成社
- 発売日
- 2018-10-11
- ページ数
- 64ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784033328805
- ISBN-10
- 4033328807
- 価格
- 1540 JPY
- カテゴリ
- 本/絵本・児童書/絵本
ひとりで帰るいつもの道で、女の子が不思議ないきものをみつけます。どうやら、自分にしか見えていないみたいです。ある日、思いきって声をかけると、その〝くろいの〟は、台の上からおりてきて、とことこ歩きだしました。ついていくと、へいの穴からもぐりこんだのは、ほどよく古びた日本家屋。そこは、くろいのの家でした。 おしゃべりはしないまま、居心地のいい居間でお茶を飲んだあと、くろいのは女の子を、押し入れの中から屋根裏につれていってくれました。そこに広がっていたのは、暗闇の中にキノコやコケが光る幻想的な世界。ブランコやすべり台で思いきり遊んだあと、ふたりは大きな生きものの柔らかな毛なみにつつまれてぐっすり眠りました。お母さんの夢を見た女の子は、また、くろいのとともに居間にもどってきます。 わかれぎわ、くろいのは一輪の花をくれました。帰り道のとちゅうで、お父さんとばったり会った女の子は、ふたりでなかよく家にむかいます。 ひとりでいるときの子どもの心に優しく寄り添ってくれる不思議な生きもの、くろいの。そのくろいのとわたしの愛おしくなる出会いを描いたあたたかな絵本。
1972年神奈川県生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。在学中より銅版画と絵本の制作を始める。自作の絵本に『おきにいり』『みつこととかげ』『おばけがこわいことこちゃん』『トマトさん』があり、共作の絵本に『みずたまのチワワ』『いってかえって星から星へ』『ねえ だっこして』『みつけたよ さわったよ にわのむし』『うおいちば』『ひみつのカレーライス』『気のいい火山弾』『ゆきひらの話』などがある。
レビュー
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✨️おばあちゃんのような温もりで、友だちのように面白くて、くろいの✨️
名前のない、誰にでも見えるわけではないもの。ねえここで何をしているの。大人に話しても信じてくれない、見えないものはみんなそういう反応。くろいのって、子どものときは見えていたのに、記憶から消えていくものなのかもしれない。忘れているみたいだから、覚えていてはいけないみたいに。くろいのって、やさしくて穏やかで、いるようでいないような自然体。おばあちゃんのような温もりで、友だちのように面白くて、くろいの。いつまでそばにいてくれるのかわからないけど、大人になったとしても押入れや屋根裏部屋なら会えるかもしれないから。
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少し不気味 でもあたたかい
5歳の娘に購入。 初めは怖がると思いましたが、くろいのさんは礼儀正しく動きもチャーミング。 娘は怖がったり不思議がらずに受け入れていました。子供の世界にはこういう生き物?がいるのかしらと思わせてくれる不思議な空気感です。 作中の街並みに昭和臭がして、読み聞かせる側も懐かしく感じます。 色味の無い絵本ですが、読む日読む日で自由に色を想像できるよう工夫されているのかも知れません。 とても気に入っています。
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日本的、昭和の…
トトロを想った…
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いい(^^)
爽やかで素朴で…すごくいい話だ^^。 絵本は徹底的に素直でシンプルな世界を描くから、絶対に無くなって欲しくない分野だ。
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独特な温かみと重厚感
大変に繊細な版画と、となりのトトロ的な物語で、不思議な重厚感を感じる作品です。 全編モノトーンなのに、カラフルなパステルカラーな絵本とはまた違う、独特の温かみがあります。 1ページあたりの文字数少なめで、幼児~大人まで楽しめると思います。 『くろいの』の、ちょっとした仕草が可愛く和みます。
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謎が楽しい絵本
男の子でも、興味を持ちました。下の女の子が興味を持つかどうか愉しみ。
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こわくない
ちょっぴりこわくて、不思議であったかいお話しです。 くろいのは一体何者なんだろう?
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妙に印象的
「くろいの」というタイトルがいい。 確かに、そうとしか言いようがない。 女の子にだけ見える「くろいの」は、不思議と懐かしく、ちっとも怖くない。 話しはしないけれど、女の子を家に誘ってお茶を出したり、 天井裏ではかけっこやブランコ、縄跳びなどして元気いっぱいだ。 遊び疲れたふたりが、ふかふかな山の上でうたた寝。 「わたし、おかあさんの ゆめを みたわ」と女の子はつぶやく。 花一輪、「くろいの」から贈られてバイバイ。 角を曲がったらお父さんとばったり出くわし、仲良く手をつないで帰る。 もしかすると、お母さんは病気とかで亡くなっているのかな? お父さんは優しいけれど、お母さんのいない寂しさがくろいお友達を作り出したとしたら。。 異世界で遊び、そして眠るという象徴的な体験を通して、 お母さんが死んだことをようやく受け止められたのかも知れない。 そんなことを考えたら、少し切なくなった。 時代設定がやや古く、ノスタルジックなところもいい。