うみまち鉄道運行記 サンミア市のやさしい鉄道員たち (富士見L文庫)
港町サンミアを走る湾電鉄を舞台に、女性運転士メグと車掌シャーリーが無賃乗車の少年と出会う。小さな鉄道と人びとの事情を通じて、働くこと、助け合うこと、町を愛することを描く。
作品情報
海辺の鉄道で働く少女たちが、町の一日をやさしく動かしていく。
受賞時タイトル『Electro Fairy』を改題した富士見L文庫作品。鉄道員の仕事と町の人びとの交流を軸にした、穏やかな青春群像として読める。
レビュー要約
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設定と人物配置の明快さが評価され、物語の推進力を楽しむ読者に向く。一方でジャンル色が強いため、題材への好みで受け止め方が分かれやすい。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA/富士見書房
- 発売日
- 2014-11-13
- ページ数
- 320ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.6 x 1.3 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784040703978
- ISBN-10
- 4040703979
- 価格
- 350 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
西海岸の港町を走るサンミア湾電鐵。女性運転士のメグと車掌のシャーリーのコンビが乗務する電車『リトル・フェアリー』に、無賃乗車犯の少年が乗り込んで……? ふたりの少女と電車を巡る、心温まるストーリー。
レビュー
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転生なし、転移なし、ロボットなし!
これは間違いなく、「なろう系」ライトノベルに駆逐されてしまったジュブナイルの在り方でしょう。 今の時代にこういう作品を世に出してくださった作者並びに出版社に敬意を表します。 世界観は、電気鉄道最盛期のアメリカ・サンフランシスコをモデルにしているようで、文章がちょっと翻訳調なのも味がある。 かなり細かい設定があるようなので、続編に期待して☆5
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鉄ちゃんじゃないけど!
鉄道詳しくないですが、楽しく読めました。最初の部分は中々発車してくれないのでちょっと不安になりましたが、発車してからは、テンポ良く楽しくよめました。最初、少女が電車を運転するの有?と思いましたが、昔は外国では実際にあったんですね。他の方のレビューを読んでみると皆さん詳しい…ですが鉄道詳しくなくても十分楽しめますよ。
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求めていたもの。爽快さに濃さ。
読みながら涙だけじゃなくて汗まで流れてきます。 作者の「電車愛」がこれ程に滲み出てくるフィクションは初めて読むもの。モータにギア、エアの音、ブレーキやレールの軋みまで聞こえてくる。そして吹き込む風まで感じられる。飛び込む景色。電車好きなら必読。 ストーリィも気取らない愛と優しさ。 鉄道描写の正確さは現場のプロじゃないと突っ込めないレベル? 一般的なマニアだと訂正修正できる余地はないでしょう。鉄道ファン的にはわかる人にわかる「元ネタ」も好。最初の章のタイトル「お芝居特急」は阪急の神戸~宝塚間「歌劇特急」が元ネタか? 他も濃厚。 適度な無茶も、鉄道関係者の間では万国共通で時折伝えられるような「伝説的運転」「伝説的鉄道員」のレベルに収まっており説得力があります(注:物理法則を無視するような話はありません)。而して爽快! 漫画で喩えるなら表紙の雰囲気から予想してた「ARIA」でもありますし、予想外ですが「逮捕しちゃうぞ」に類例される警官ペアが無茶する愛とマニアックさの込められた作品に近くもあります。それを鉄道員でやっちまったのは驚愕(良い意味で)。主人公ペア以外の同僚も良い味だしています。キャラが立ってる。 お話は主人公の生い立ちなど少し湿っぽい要素あり。でも、それ以上に爽快感が飛びぬける。日本文学・映画的じみじみした感触は皆無で、良質なエンタメ。良い意味で「ライトノベル」といえるでしょう。 さらに電車たちもまたキャラクターが立ってる。鉄道車両に愛称つける慣習のあるアメリカ舞台は正解か? 電車もまたこの物語の主人公に。「フェアリープリンセス」の襲名の話。「ノー・ネーム」が「ロイヤル・コーチ」に大出世しちゃう話。旧型電車にライバルたち。 表紙に描かれるキー・システムの「ブリッジ・ユニット」以外の電車もたくさん出てくるので、その意味でもバリエーション豊か。イレギュラーな珍編成まで仕掛けてきますよ。 さて。 残念なのは表紙以外イラストがないこと。普通の挿絵は要らないので、電車の「形式イラスト」は巻末に欲しい。ついでに言えば詳細な路線図や配線図も欲しい。更に申せば魅力的な1930-1940年代のアメリカの電鉄事情(ターミナルビルや高架橋等)を引き起こしたようなイラストも欲しい。 多くの読者にとって、大昔のアメリカの電車は知識の外でしょう。それが文章で伝えられてはいるのですが、共鳴するのに予備知識が必要かもしれないのがなんとももどかしい。 コミカライズか、或いは「ビジュアルガイド」のような書籍はあっても良いと思いました。 余計なお世話かもしれませんが「アメリカ旅客鉄道史+α」を併読されることおすすめします。 http://www.usrail.jp/ 日本語でここまでアメリカ鉄道史(電車・客車中心)を語った文献・サイトは他にないでしょう。予備知識があれば完全に楽しみきれるはず……。 ※:ただし、日本の電鉄システムの多くはアメリカ由来ですから、贔屓の路線(大手私鉄の電化線)があれば、そちらのイメージ楽しむのも可能でしょう。自分はアメリカの電車のイメージ感じつつも、阪急や京急あたりもオーバーラップしていましたから。 そんなわけで「うみまち鉄道運行記」お勧めです。☆は文句なしの5つ。続刊期待です。
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ストーリーは子ども向け
本屋の新刊コーナーで手に取り、裏表紙のあらすじを読んで購入。 「心温まるストーリー」を期待したのですが。 大人向けの文章で、児童書を読んだような気分になりました。 個性的な登場人物、アメリカ西海岸をイメージしたと思われる情景描写、 そして鉄道に関する描写、これらは生き生きと描かれていて好印象でした。 一方でストーリーは、「ありえない」と思える展開の連続です。 運転士と車掌の突飛な思いつきに、周囲が唯唯諾諾と従って、 まさに暴走を許しています。 主人公たちの行動をその場で諌める存在が皆無なため、規範意識が希薄で、 主人公たちの都合で世界が回る、非現実的な物語になってしまった感じです。 子ども向けアニメの原作としては、これでいいのかもしれません。 ですが私は、福知山線の脱線事故などが頭をよぎり、 あまり楽しんで読むことはできませんでした。
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電車を自由自在に操る楽しさ!
主人公は電車の運転士と車掌。ということで、電車の走行シーンの描写はとてもアツい!興奮します。 自動車のアクセルに相当するマスコンと、ブレーキに相当する空気ブレーキと電気ブレーキをたくみに操って、決められたレールの上ばかりか、他社路線までも高速ハイウェイのごとく使い、自由爽快に電車を走らせる楽しさ。本書は、かつて電車の運転手にあこがれた人たちに、楽しい擬似運転体験のひと時を与えてくれます。しかも、一見大胆奔放でありながら、決して主人公たちが好き勝ってデタラメに走らせるのではなく、あくまでも顧客の依頼に基づいて、運行に携わる大勢の人間の協力を得ながら成し遂げられているというスタンスに、作者の「こだわり」と「鉄道愛」がひしひし伝わり好印象。たとえるなら、自動車のレースゲームと電車でGO!と、の良いところをあわせたような爽快感といいましょうか。 登場キャラクターは、主役格の女性運転士と車掌ペアも、その脇を固める多彩な脇役たちも、そして何より錬鉄の高架線や、道路併用の長い釣り橋や、道路上を、電車が走り回る古きよきアメリカを具現化したうようなサンミアの街も、それぞれ魅力的で個性的。 この鉄道とこの街が紡ぎだす、次なるストーリーを早く読みたいものです。
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