日本の文学賞

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麒麟児

中山義秀文学賞

麒麟児

冲方丁

江戸無血開城を目前にした勝海舟と西郷隆盛の交渉を描く歴史小説。迫る総攻撃のなかで、二人の決断と駆け引きが緊迫して進む。

幕末江戸無血開城勝海舟西郷隆盛

作品情報

江戸を焼くか救うか、二人の麒麟児が運命の日に向き合う。

KADOKAWA刊の単行本を確認。後に角川文庫版も刊行。

レビュー要約

  • 会談の緊張感と準備段階の駆け引きが支持されている。歴史の有名場面を凝縮した構成が読みどころになっている。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2018-12-21
ページ数
312ページ
言語
日本語
サイズ
13.6 x 2.9 x 19.5 cm
ISBN-13
9784041072141
ISBN-10
404107214X
価格
2639 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

『天地明察』の異才が放つ、勝海舟×西郷隆盛! 幕末歴史長編! 慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に挑むための決死の策を練っていた。江戸の町を業火で包み、焼き尽くす「焦土戦術」を切り札として。 和議交渉を実現するため、勝は西郷への手紙を山岡鉄太郎と益満休之助に託す。二人は敵中を突破し西郷に面会し、非戦の条件を持ち帰った。だが徳川方の結論は、降伏条件を「何一つ受け入れない」というものだった。 三月十四日、運命の日、死を覚悟して西郷と対峙する勝。命がけの「秘策」は発動するのか――。 幕末最大の転換点、「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた二人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く、著者渾身の歴史長編。 【絶賛の声!】 勝と西郷が対峙した二日間に焦点を定めて、物語をぎゅっと凝縮されたのはさすがの慧眼で、素晴らしい ――出口治明氏(立命館アジア太平洋大学(APU)学長・「本の旅人」1月号より) 江戸城で繰り広げられる会談は、緊迫感に満ちており、 何度も固唾を呑んだ。 ふたりの会談を、これほどのドラマに 仕立てた作者の力量が素晴らしい。 ――細谷正充氏(文芸評論家・「本の旅人」1月号より)

●冲方 丁:1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』でスニーカー大賞金賞を受賞してデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞受賞。09年に刊行した『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞を受賞。2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。他の著作に、『はなとゆめ』『マルドゥック・アノニマス』『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』など多数。

レビュー

  • 作品は素晴らしいが、Amazonは最悪

    Amazonで新品で買ったら表紙とかめっちゃ折れ曲がってました。返送するヒマないんで破って捨てた。 後日セブンネットで買ったら綺麗な状態で届きました。 気分良く読めた。 内容は素晴らしかった もうAmazonで本は買いたくない

  • 英雄は英雄を知る

    鳥羽・伏見の戦いに勝利し、東海道から江戸に迫る新政府の大軍。徳川の命運を託された勝麟太郎(海舟)は、官軍先鋒の西郷吉之助(隆盛)との命懸けの交渉に臨むべく、策を巡らせる。 「英雄は英雄を知る」の理どおり、他の誰よりも互いの胸のうちをよく推し量ることができる勝と西郷。しかし、かたや恭順する敗者、対するに余勢を駆って押し寄せる勝者と、立場は真逆。互いに、下手な交渉をすれば味方に背中を斬られかねない。 外国の介入を防ぐため、江戸での戦は回避できるのか。 江戸無血開城という幕末維新史における偉業を成し遂げた二人の談判に焦点を当て、しびれるような駆け引きを濃密に描いている。 実に読み応えのある作品。終始勝の視点で描かれているが、西郷視点も欲しかった。

  • 行き詰まる場面で役立つ「禅の呼吸」を知る

    江戸城無血開城を成し遂げた勝海舟と西郷隆盛の関係を中心にして行き詰まるドラマの展開を楽しめる小説。この二人のどちらが欠けても明治維新への流れはまったく違ったものになっていたと改めて思われます。虎視眈々と日本を狙う外国勢力の中で、意識がどこに向いているか?ビジョナリーという言葉はなかったはずですが、視野の広い二人が(これには坂本龍馬も含めたい)いてくれたおかげで日本は最悪の事態を免れたのだと思いました。またこの小説の中では山岡鉄舟などの姿を通して「禅の呼吸」がどういうものか?が具体的な場面で挿入され、禅とは何なのか?というものの一端を知ることができたのも私の印象に残った。

  • 決して交わらず,それでも信じた盟友二人の戦いと誇り

    勝麟太郎(海舟)と西郷吉之助(隆盛),幕府軍と官軍として立場は違っていたものの, それでも志は同じと信じ,けれど決して口には出せなかった盟友の戦いと誇りの物語です. その大半を江戸城の無血開城に伴う交渉に割き,まさに決死の覚悟で調整に当たる中, いざ西郷と対峙をしてみれば,のらりくらりと交わしては返す勝の交渉具合がおかしく, かと思えば,立場をわきまえない徹底拒否など,肝の据わり具合には舌を巻くばかりです. 男二人の物語としても,勝の視点で描かれるため,西郷の胸の内はわからないのですが, 要所要所で見せる振る舞いには,敵であるはずの勝への敬意や信頼が伝わってくるようで, また,交渉で敗れながらも引き締めは怠らないなど,上に立つ者としても魅力的に映ります. その一方で,幕府からいいように使われるばかりで,報われることの少なかった勝が, 開城を終えた後,江戸から東京へと名を変えた町で,「いつか二人で」と願うも叶わず, 彼を偲ぶ碑を前に,引っ張り出されるのではなく,自らの意思でもう一働きをと誓う姿は, すれ違い,交わることのなかった寂しさに,爽やかさが重なる素敵な幕引きとなっています.

  • 海舟居士の真面目

    冲方さんの書籍を初めて拝見しました。海舟翁の書籍と云えば子母澤寛先生ですが、兎角 海舟翁を好きな人と嫌いな人は真っ二つに割れる感があります。 山岡鐵舟居士、髙橋泥舟居士とはその時代の役割が丸っきり違います。 幕末の三舟(木村摂津守🟰芥舟を含めて四舟とも云う)はそれぞれの役割に徹した方達です。 その海舟先生の機微をダイナミックに描いた作品であると思います。 本日、数十年振りに洗足池の海舟ご夫妻の墓前を伺いました。

  • 留魂の碑

    冲方丁氏は留魂の碑を見て、勝の西郷に対する敬慕の情に深く感動したのではないかと思う。 それを一冊の書にしたのではないかと思う。

  • 状態良好

    予想以上に本の状態が良かったので大満足です

  • 「氷川清話」の域、脱し得ず!

    ・勝海舟を描くとなると、彼の「氷川清話」を如何に越えるか、これが今流で云えば『壁』となる。 この小説でも、「一人称」に非ずともそれに近く、べらんめえ口調の筆致で、海舟の手柄話が主体。 具体には、慶喜を筆頭に幕府要人は、海舟を登用した阿部正弘や共に幕末処理に当たった大久保一翁を除き、挙って能無しで右往左往する体たらく、海舟だけが時勢を完全に読み、僅かに山岡鉄太郎・西郷隆盛の理解を得、手配り鮮やかに江戸無血開城に漕ぎ着ける、となる。 「光圀伝」を、大所高所から描き切った冲方氏にしてこの様か、「清話」を脱し切れずに、敢えて上梓が残念に思えて仕方ない。

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