お孵り (角川ホラー文庫)
生まれ変わりの伝説が残る村で、婚約者の出産をきっかけに因習と信仰がむき出しになる。閉鎖的な共同体の怖さを描くホラー。
作品情報
「おかえり」と読ませる題名が、最初から不穏を告げる。
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作。村の伝承と家族の感情が絡み、終盤まで張り詰めた不気味さが続く。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2019-10-24
- ページ数
- 304ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 10.7 x 1.2 x 15 cm
- ISBN-13
- 9784041088265
- ISBN-10
- 4041088267
- 価格
- 814 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作! 結婚の挨拶のため、婚約者・乙瑠の故郷を訪れた佑二。そこは生まれ変わりの伝説がある村だった。やがて乙瑠は村で里帰り出産をすることになったが、子供は生まれ変わりを司る神として村に囚われてしまい!?
●滝川 さり:滝川 さり:1992年生まれ、兵庫県神戸市出身。2019年、「お孵り」で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉を受賞して、デビュー。現在大学職員。
レビュー
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良かった
良かった
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面白かったけど…
前半は面白かったですが、途中から展開が読めてしまって「まぁ結局そうなるよね」って感じでした。また、主人公の行動が物語を無理やり動かすためのものにしか見えず、不自然に感じる部分も。色々ご都合展開も多い。感想としては怖いとかよりも可哀想な話でした。ただ最後の結末もちょっと気持ち悪かったかな。ホラーならもっと不気味な後味で終わって欲しかった。
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題材はすごく好みだが主人公の行動も考えも稚拙で読んでてイライラ
マコーレカルキンが良い子だったらホームアローンは成り立たないし物語を転がす駒として正解なのかもしれんけど。
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良くできたホラー
題材もテーマも手垢のついたもので目新しさは特にないが、それを欠点にさせない筆力は素晴らしい 過去の事件が風化と呼ぶにはあまりにも新しすぎるのではという根本的な疑問からメインのパスタといった些細な点まで、いくつか気になるところはあるが、全体的にとてもよく出来たホラー 坂東眞砂子から情念を引いてスピードを足してあっさり風味に仕上げた感じ 阿泉来堂の「ナキメサマ」の直後に読んだので高評価に偏った感は否めないが、そこを踏まえても次を読みたいと思わされました
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怖いというよりも悲しくて、せつない
生まれ変わり信仰が続いている村 田舎独特の閉鎖的な考えを持つ人達の中に何かが隠されている、太歳様と呼ばれる神様?小学生くらいの?男の子のアソコを口に含むと云う儀式にドキドキした、儀式とは言え、もし自分の妻が、私が同じ立場に置かれたら、子供を産みたいが産めない苦しみ、生命が誕生する喜びと恐怖、もし生まれ変わりが存在して自分の子供が・・・10年間どういう思いで育児をすればいいのか。悲しくもせつない。 山羊原の存在が本誌を面白くしてくれました、私の中では澤村伊智「ぼぎわんが来る」の映画版「来る」の比嘉琴子をイメージしていた。是非、霊能者比嘉姉妹シリーズの様なシタイの山羊原シリーズを読んでみたい。輪廻転生の中、いろんな人が線で繋がってきて驚きの連続とせつなさ、悲しみが続く、丙助、丙助の妹、太歳様、3人目の子供、乙瑠は、重蔵、いろんな人がいろんなものを背負って生きていた、そして死んでいった、そして生まれ変わってきた・・・後半何となくオチが見えてきたのですが、少しだけ当てが外れて嬉しかった。
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300ページの厚みを感じさせない、スピーディな展開!
展開に飽きがこない、スピーディな作品です。 参考文献にも書かれていますが、作者の滝川さりさんは、昭和初期に起きた津山三十人殺しから、今作の着想を得てらっしゃいます。 横溝正史ミステリ&ホラー大賞の読者賞を受賞して書籍化された今作は、公募されるにあたって、賞のタイトルにもなった横溝正史氏の「八つ墓村」を意識されたのが伝わってきます。 過疎化した村で起きる、因習や村八分からの復讐などは、使い古されたネタですが、滝川さんはそれを、因習の不気味さや気持ち悪さ、いやらしさをふんだんに使って盛り上げています。 ジャンルとしては心霊ホラーではなく、ヒトコワのカテゴリーに入りますが、村民が使う方言が若干難しくも感じます(しかし、それによってリアリティが増しているところも大いにあります)。 滝川さりさんの作品は、「めぐみの家には、小人がいる。」もお読みして感想を書かせていただきましたが、この方が描かれる死体描写はじつに生々しくて、不気味です。 グロテスクだったり、ドッキリしたりするシーンも多くあって、そこはホラー好きか、そうでないかで好みも分かれることでしょう(わたしは前者なので、楽しめました)。 男性主人公が、序盤では頼りないのですが、後半に行くにしたがって、たくましくなっていきます。 オチの運びは、映画「死霊のしたたり」のラストを知っていると、より楽しめると思います(「死霊のしたたり」はゾンビ映画ですが、結末で主人公が選択する運命が、どことなく今作と似ていました)。 伏線も張り巡らされていて、ミステリ要素もたくさんあります。 ヒロインと主人公の馴れ初めまでの流れが、若干弱い気がしましたが、その分、村で行われる因習の不気味さが際立っていました。 主人公たちは因習が行われている村から逃れるばかりでもありません……機会を見つけて、積極的にサバイバルしていこうとする姿も見せてくれます。 バイオハザード4をプレイしたことがある人なら、村人の恐ろしさを具体的にイメージできて楽しめることでしょう。 因習=カルトが敵なので、単なる猟奇殺人鬼を相手にするよりも、厄介な敵でした。 バイオハザードと書きましたが、途中から登場する助っ人も、どことなくレオンの恋人役のエイダ・ウォンを連想させます。 やっぱり、バイオを楽しめる人だったら、今作のグロテスクな表現もわりと楽しみながら、因習ホラーを満喫できるのではないでしょうか。 滝川さりさんの作品は、「めぐみの家には、小人がいる。」もオススメです。 こちらは、学校を舞台に、モンスターペアレンツなどの要素を加えつつ、より不穏なホラー作品となっています。
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救われないラストではないのが個人的に良かったです。
私の事情ですが、重過ぎるテーマや後味悪いラストが昔に比べてしんどくなってきているので、救いがあるともとれるラストでよかったです。(単純に良かったとは思えない感じも受けるのですが…。) 結構ネタが盛り沢山な割に破綻もなく素直に読み進められます。 サブキャラをメインにした本も書いてみて欲しいと思いました。
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土着ホラー+アクション
第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の読者賞受賞作だそうです。この年は大賞受賞作なし、優秀賞が北見崇史「血の配達屋さん」でその次点です。3位と考えていいですかね。 2019年度なので、92年生まれの著者27歳時のデビュー作と考えるととても素人とは思えない出来です。300ページ弱ですが引き込まれて一気に読了してしまいました。 舞台は九州の山奥の村。主人公は神戸出身の青年で、結婚の挨拶をしに婚約者女性が生まれたその村に向かいます。そこでだんだんとわかってきたのは、村人が生まれ変わりを信じていて、その生まれ変わりを受け入れるために村の出身者は絶対に村で出産しないといけない、もし外で出産しようとしてもその赤ん坊は死んでしまうということ。 私も「狗神」などの坂東眞佐子作品に似ていると思いました。土着的、民俗学的で、その背景に戦前に起きたあの「津山三十人殺し」の事件が暗示されます。 ただし後半は少し雰囲気が変わりホラー・アクションのような要素も。ネタばれするのであまり書けませんが、主人公を助けて婚約者を救出しようとするその女性がカッコよすぎる・・。ひょっとしてドラマ化か映画化を意識したのでしょうか。純粋なホラー・ファンとしてはここまでスーパーマン的な助っ人が出てくるとちょっとなあと感じてしまいました。誰が主人公なのかわからなくなってきます。 それにしてもとても好みの作風なので、著者の他の作品も読んでみたくなりました。 横溝正史ミステリ大賞と日本ホラー大賞が合併したことに関しては、他のレビューアさん同様になんだかなあと感じます。今時ジャンル分けは意味ないという趣旨なのか、それとも単純に予算や手間を半分にしたかったのか。ミステリとホラーはやっぱり別物だと思うのですが。