日本の文学賞

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見えざる網 (単行本)

横溝正史ミステリ&ホラー大賞

見えざる網 (単行本)

伊兼源太郎

SNSに否定的なコメントをした人物が、日常の隙間からじわじわと危険に追い詰められる。ネット社会の不穏さを切り取るサスペンスミステリ。

SNSネット社会サスペンス社会派ミステリー

作品情報

一言の発言が、見えない網に絡め取られる。

第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作。メディア越しの言葉が、現実の暴力へとつながっていく不安を描く。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2013-10-01
ページ数
414ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784041105511
ISBN-10
404110551X
価格
500 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで異論を呈した今光。お盆休みで混雑した駅のホームから、何者かに押されて落ちかけた。その後も次々に迫る危険、事件の意外な黒幕とは――!?

(いがね・げんたろう)東京都三鷹市生まれ。上智大学法学部卒。第33回横溝正史ミステリ大賞受賞。

レビュー

  • タイトルに惹かれて

    まずタイトルに惹かれて目を通した。 前半で続きが気になり、一気に読み終えてしまった。 これまでも述べられている通り、後半首を捻るような部分もあったが、全体としては良作であるようにおもわれる。 「見えざる網」誰にでも読め、すぐにインターネットを想起させるこのタイトルは秀逸であった。

  • 動機がしっくりこない

    新たな犯罪手法の確実性はともかく、現代ではこの様な事も可能なのだな、と少し恐ろしくなります。 狙われる心当たりのない主人公が高校の同級生だった女刑事と共に、その謎の解明のために巨大ネット企業に立ち向かう、というのは良いと思うですが、結局明らかになった真相には今一つしっくりこない。 ミステリーの面白さよりも物語最後の主人公と犯人との会話が、作者が描きたいことだったのかな、と思いました。 SNSの怖さが十分感じられ、そこにどんな真相があるのか期待もしただけに読後感はやや残念でした。

  • 半分良

    かつて『伝説』シリーズで人気を博したエンターテインメント作家の名前をもじれば、こういうタイトルになります。巻末の選評で全選考委員が口をそろえて指摘されている通り、前半部分はミステリアスでサスペンスに満ち、わくわく感はいやがうえにも昂揚する。が、中学時代のいじめなどの回想が織り込まれつつ、次第に物語のスケルトンとストリームが明らかになるにつれて、わくわく感はやれやれ感に失墜する。後半はもうなんとか一応読み通しておこうという義務感だけだった。こういう読書はつらい。選考委員の一人、坂東眞砂子氏が評しているように、後半をそのままの勢いでまったく異なる展開にすれば、そして、鼻につく冗長な人生訓がごとき、あるいは安物テレビドラマがごとき要素を一切捨象してストーリーテラーに徹していれば、ずいぶんと面白い作品になっただろうに。作者はまだ本年35歳ということだから、今後の大化けに期待しましょう。

  • タイトルが悪い

    売れないだろうと思わせる本である。 まず、タイトルが悪い。 たぶん多くの人には「網」という字が読めない。「あみ」?「つな」? いずれにしても単体では使わない漢字だ。 そして、意味が分からない。ミステリー? 「網」とはネットワーク、インターネットのことらしい。中国ではこれを「網」と書くが、日本ではネットのことを「網」とは表記しない。 原題は「アンフォゲッタブル」だったという。これも意味の分からないタイトルだ。 タイトルは商品名。作家はここにすべてをかけるべきだ。 タイトルもまともに考えられない作家にろくな作品が書けるわけはないと思って、内容を読んだら、まあそこまでひどくはなかったが、せめてもう少し文章修行をしてから発表してほしかった。

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