THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ (角川文庫 や 31-5)
神奈川県警の二村永爾が、殺人事件の重要参考人の失踪をめぐって捜査から外され、届いた手紙を手がかりに事件の底へ向かうハードボイルド長編。チャンドラーへの応答をにじませながら、横浜の空気と刑事の孤独を濃く描く。
作品情報
失踪、墜落、届いた手紙が、刑事二村永爾を長い別れの奥へ連れていく。
『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』は、二村永爾シリーズの重厚な長編。殺人事件と失踪の謎を追う筋に、都市の記憶、男たちの矜持、取り返しのつかない別れが重なる。文庫版で広く入手された。
書籍情報
- 出版社
- 角川書店
- 発売日
- 2007-11-22
- ページ数
- 608ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784041616093
- ISBN-10
- 4041616093
- 価格
- 442 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品
神奈川県警の二村永爾は殺人事件の重要参考人ビリー・ルウの失踪に関わった嫌疑で捜査から外されてしまう。事件直後、ビリーが操縦していたジェット機が墜落したと知らされるが、ビリーからの手紙が届く。
50年生まれ。77年に発表した長編『マイク・ハマーへ伝言』が絶賛される。97年『あ・じゃ・ぱ!』が各紙誌で取り上げられ話題に。『ららら科學の子』で三島由紀夫賞受賞。
レビュー
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チャンドラー作品へのオマージュの、稀有の成功例の一つです。
結論から申し上げますと、レイモンド・チャンドラーへのオマージュとして書かれた日本語による作品の、稀有な成功例の一つだと考えます。 THE WRONG GOODBYE なる英文タイトルに明示されている通り、チャンドラーの『ロング・グッドバイ(THE LONG GOODBYE)』へのあからさまなオマージュ・文体模写に徹しつつも、横浜・横須賀・米軍基地界隈の曰く言い難い雰囲気が文章の端々から匂い立って来る作品世界は紛れも無く矢作俊彦氏独自のものです。 うつろいゆくホテルニューグランドのバー、さらには横浜中華街『徳記』(店名は伏せられている)の豚足そばの食べ方の詳細な描写まで登場するところに、矢作氏のこの界隈へのひとかたならぬ愛着が伝わって来て、胸を衝かれるものがありました。 テリー・レノックスに対応する人物に果たしてオリジナルと同等の魅力が備わっているかは疑問符が付きますが、それは作者ご自身も百も承知の事と思います。トリビアも多くて読み手を選ぶ作品とはいえ、文体の張りだけを取っても類書の追随を許さず、敬服に値する唯一無二の達成だと思います。
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内容はバッチリ
しかし プライムだから定価だと思ったら 大間違い
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本当に捜査できるのは自分に関係する事件だけだ
矢作俊彦さんは高校在学中に漫画家としてプロデビューし、小説家としてもかなり若くして成功した、いわゆる早熟の天才タイプの方です。そういう方が往々にして年を取るとともに精彩を欠いてくるのに対して、矢作さんは年をとるごとに作品に深みを増してくる。この作品も大好きで、なにか心にもやもやしたものを感じたり、行き場のない気持ちになるたびに手にとっては読み返しています。かれこれ5回は読んだと思うのですが、まったく飽きずに毎回面白い。読み始めるととたんに2000年頃の景色と雰囲気が伝わってきます。こんな文学作品は私にとっては他にはチャンドラーのLong Goodbyeぐらいです。本家と本作を何度も読み返すうちに(あとはアルトマンの映画版のLong Goodbye)、なんだか二つ合わせて一つの優れた作品であるように今の私には思えます。矢作さんはチャンドラーのスピリットを実によく伝えている。若いころの作品は正直、表面だけなぞった感じがしますが、ここにきてチャンドラーの神髄を伝えるに至った感があります。私は自動車にも日活の映画にも銃器や戦闘機にも知識がないので、矢作さんのそのあたりへの言及は全然わからないのですが、チャンドラースピリットだけは確かに受けとめました。でも、じゃあチャンドラーのスピリットとか神髄とは何だと言われてもはっきりとは言えないのですが、それは少なくともわたしのような人間にはとても大切なものなのであります。この作品を読んだかたには、ぜひともアルトマンの映画版Long Goodbyeも見ていただきたいと思います。チャンドラーのマーロウも、アルトマンのエリオット・グールドも、本作の二村刑事も全然違う人物なんですが、生きざまは同じなのだと思います。
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マーローへのオマージュか?
タイトルを見て分かるように、これはハードボイルドである。 なぜタイトルを見ただけでわかるかと糸、レイモン・チャンドラーのフィリップ・マーローシリーズの中の第6作と同じタイトルだからであり、想像するに同作へのオマージュなだろう。 ハードボイルドを読むのは久しぶりだ。それ以上に、矢作俊彦を読むのはたぶん初めてだ。以前は、自動車雑誌NAVIなどに連載していたが、名前は知っていても読んだという記憶がない。 ところでハードボイルドは、乾いたセリフを象徴的に使う。そしてストリートの本筋とは違うところで、主人公の目に入った事柄を、気の利いた表現でつなぎながら、独特の世界をかもしだそうとする。 そのせいか、いや、たぶんそのせいだろうが(こういう言い回しが、すでにハードボイルド文体に感染しているw)、重要な伏線と何気ない描写とが読み分けられず、かなり苦労した。 何しろ、オーディオの運搬やセットアップに時間を取られていたとはいえ、10日以上もかかかってしまった。 まあ、はっきりいえば、登場人物が錯綜していて前に戻って確かめたりしたので、読むのに時間がかかってしまったというわけだ。 舞台は横須賀と横浜で、米軍基地がからみ、ベトナム戦争末期のサイゴンと話は絡んでいき、最後のどんでん返しもかなりのものだ。 ハードボイルドらしい読後感でもある。
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読む幸せ
相変わらず矢作節全開です。 この人の本は、読むのに時間がかかります。 読み流せずに作品世界に浸ってしまいます。 酒を飲むシーンでは、同じものを用意してから ことになります。 コスパの高い1冊です。
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ロンググッバイ、世界の果てに
購入していたが未だに読破していない。いや、開始30Pに留まっている。ロンググッバイ。この定石にはまりそうだ。浜だけに。
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待ち人来る!
いつしか失われてしまった汚らしく危なっかしくも魅力満点だった横浜の街。 20年ほど前、著者はそれを悼むように繰り返しこの街のデテールをハードボイルド作品に登場させてきた。 著者の「あの頃」にかろうじて引っかかる世代の私も、近頃は私も死んだ子の齢を数えるのをやめてしまい、同時に矢作作品からも遠ざかってしまっていた。 今頃、気まぐれに検索したamazonで二村永爾に再開するとは思っても見なかった。 読んでみて「今の横浜だって捨てたもんじゃないよな」と思った。 まあ、「あの頃」を彷彿とさせる実再には存在しないロケーションも多々出ては来るのだが・・・ 寧ろ著者よりずっと若い私の方が、かつての港町への憧憬が強すぎて今自分が暮らす街を楽しめていないんじゃないかと感じ、矢作流に言えばそんな自分に少し腹が立った。 パズルのピースがだんだんと揃って構図が浮かび上がってゆくような展開、生き生きしたリアルな人物描写と、対照的にフィクションだからこそ存在可能なヒロインの存在。 昔わくわくしながら読んだシリーズの良さもちゃんと兼ね備えている。 著者と横浜が大好きな者は必ず読むべし。
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評価基準?
口コミの評価が良かったので買ったが、面白さがまったくなく途中で読むのを止めた ただ個々の好みなのでなんとも言えず