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キリンの子 鳥居歌集

現代歌人協会賞

キリンの子 鳥居歌集

鳥居

歌人・鳥居の第一歌集。母の死、児童養護施設での経験、学校から離れた時間、路上生活などの過酷な生の記憶を背景に、短歌と出会うことで言葉を獲得し、生き延びる場所を見いだしていく。

第一歌集生存児童養護言葉の獲得

作品情報

短歌に出会うことで、孤独な生に言葉と居場所を取り戻す第一歌集。

『キリンの子 鳥居歌集』は、KADOKAWA から2016年2月に刊行された鳥居の初歌集である。Google Books と NDL で ISBN-10/13 を確認でき、紹介文では母の自死、施設での虐待、小学校中退、ホームレス生活、短歌との出会いが作品背景として示されている。

レビュー要約

  • 苛酷な個人史を直接的な告白に閉じ込めず、短歌の形式によって読者に届く言葉へ変えている点が強く印象づけられる。痛みの記録であると同時に、言葉を獲得する過程の記録として読まれている。

書籍情報

出版社
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日
2016-02-09
ページ数
168ページ
言語
日本語
サイズ
13.5 x 1.8 x 19.4 cm
ISBN-13
9784048656337
ISBN-10
4048656333
価格
1760 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/詩歌/歌集

美しい花は、泥の中に咲く―― 目の前での母の自死、児童養護施設での虐待、小学校中退、ホームレス生活。 拾った新聞で字を覚え、短歌に出会って人生に「孤独な仲間の姿」を見いだせたという、天涯孤独のセーラー服歌人・鳥居の初歌集。 ●あおぞらが、妙に、乾いて、紫陽花が、路に、あざやか なんで死んだの ●思い出の家壊される夏の日は時間が止まり何も聞こえぬ ●揃えられ主人の帰り待っている飛び降りたこと知らぬ革靴 ●目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ 解説:吉川宏志氏、推薦:いとうせいこう氏、大口玲子氏(歌人) 「三十一文字が長く細い鎖となって暗闇の底に降りていて、ふと手に取ると歌人が命がけで向こう端につかまっているのがわかるのだ。」(いとうせいこう氏) 「生きることと直結した〈切実さ〉。生きることをまっすぐに希求する〈強さ〉。鳥居さんの短歌に注目しています。」(大口玲子氏・歌人) 「歌集の中では、鳥居が失ってきた、もういない人たちが生き生きと暮らしている。それが美しく、とても哀しい。」(吉川宏志氏) 衝撃的な半生を描いた伝記『セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語』も同時発売!

鳥居 三重県出身。年齢非公表。2歳の時に両親が離婚、小学5年の時には目の前で母に自殺され、その後は養護施設での虐待、ホームレス生活などを体験した女性歌人。義務教育もまともに受けられず、拾った新聞などで文字を覚え、短歌についてもほぼ独学で学んだ。「生きづらいなら、短歌をよもう」と提唱し、その鮮烈な印象を残す短歌は人々の心を揺さぶり、支持を広げ始めている。義務教育を受けられないまま大人になった人たちがいることを表現するために、成人した今もセーラー服を着て活動をしている。 2012年に短歌を作りはじめる。3000以上の応募の中から全国短歌大会に入選。 2013年掌編小説で路上文学賞。 2014年中城ふみ子賞候補作。 2015年に新聞に寄稿した短歌が、インターネット上で取り上げられ多数の「いいね」やリツイートが相次ぎ話題となる。

レビュー

  • 命について考えさせられる

    感銘を受けた歌集です。 同じような人生を歩む事は出来ないけれど 自分が同じような人生を歩んでいたら…と。 歌が次の歌にも続いていて ストーリーができあがっている。 過酷な人生でも今を生きている 鳥居さんの「生と死」に対しての信念をも感じられる大好きな1冊です。

  • 帯がなかった

    図書館で借りて読み、手元に置いておきたいと思って購入しました。 詩集自体の評価は星5つなのですが、写真では帯が付いているのに届いた物には帯がありませんでした。ちょっと残念。

  • 深い!

    綺麗な梱包ですぐ届きました。とても良い書籍です。

  • 共感出来なければ楽しめない。多分。

    近頃短歌ブームが起こったので、買ってみました。ご苦労されたのでしょうが、魂の叫びのような重い短歌ばかりで、私には今ひとつでした。娯楽として楽しめる訳でも癒される訳でも美しい言葉が紡がれている訳でもなく、得るものがありませんでした。

  • 名作

    著者がもう短歌を辞めてしまったことが惜しい。この本は歴史に残る名作。

  • カバー裏側のシミが目立ちました

    中古なので仕方ないですが、これは"非常に良い"とは言えないと感じました。 正直な出品をして欲しいものです。

  • 素直に悲しければ「悲しい」と詠ってほしい、「セーラー服の歌人」を越えて。

    非常に読みやすく丁寧に設えられた1ページに3首の歌が静かに置かれているようです。 経験と呼ぶには過酷な現実を体験された自身の過去を辿るように、衝撃的な内容の歌が 続きます。確かに経験した本人にしかわかり得ない心情を含んでいるとは思いますが、 不幸と呼べるものにはすべて「不幸バイアス」が掛けられて、甘い評に落ち着きすぎることが 往々にしてあると思いますので、傷病辛苦の歌は評価の対象外です。本物の歌人には そんなハリボテの表層ではなくて、物事の本質を丁寧に描いてほしいと思っています。 彼女の歌はまるで初めて自分の眼で対称を見たときのような瑞々しさを持つ一方で 動かしようのない現実の景色にただ途方に暮れるような描写が続きます。 まるで自分と母親以外は、出てくるものすべてが無機物のように冷たく硬く閉ざされているようです。 しかし巷にありがちな寂しい少女のモノローグで終わらないのは、 技巧や修辞にこだわらず、難しい言葉や言い回しを使わなかった圧倒的に素直で、 ともすればありきたりな表現ばかりだったからかもしれません。 女流歌人の歌はそのほとんどが「報告、連絡、相談」に終始します。 彼女にももちろんその傾向があります。 しばらくはそれでいいと思います。商業的には共感というものが大きな成功ファクターの一つなので 致し方ない部分もあると思います。 ただいつまでも「自死」「錠剤」「病棟」「切断」「孤児」などという言葉に引きずられていては 歌人としての魂が成長しないと思うのです。 過ぎた現実は動かしようがありません。 亡くなってしまった人も甦らせようがありません。 けれど無くしてしまったものからも、人は多くを手繰り寄せることができるものです。 タイトル歌でもある、 ・目を伏せて空へのびゆくキリンの子 月の光はかあさんのいろ ・大きく手を振れば大きく振り返す母が見えなくなる曲がり角 など、儚さと温もりを持った情景を思い出したり、切り取って描きだす能力には すばらしいものがあると思います。 一時の話題性などが及ばない、長い鑑賞期限を持つ歌を作り出せるセンスこそ、 歌人に要求されているスキルなのですから、一過性のまま終わらずに成長して欲しいと思います。 角松敏生さんの「君を越える日」という名曲がありますが、 彼女が「セーラー服の歌人」という「自分」を越えることができた時、 そこからが歌人としての第一歩になるのではないかと思います。 「不運」「不幸」「不条理」「孤独」それらすべてを越えて、 彼女が言葉に導かれることを願っています。

  • テン年代、最高の歌人

    ゼロ年代のセカイ系的世界は 見られない。 むしろ90年代的な破壊と再生の物語だと思う。 簡単に言えば、 バンプオブチキンか、 XJAPANかとゆうこと。 鳥居さんが、 ヴィジュアル系好きとは、聞いたことないが、 まさしくXやBUCK-TICK好きな 人ならハマる ダークさとキッチュさを併せ持つ歌集だと思った。

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