作品情報
左遷された武士が、甲府の山と人々の中で自分の居場所を見つけていきます。
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レビュー要約
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左遷という苦境を、土地の自然と人情によって転じていく展開が好まれている。時代小説に小さな謎と生活感を織り込む作りが読みやすい。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2004-12-01
- ページ数
- 326ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784048735780
- ISBN-10
- 4048735780
- 価格
- 1067 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
出世の道を閉ざされた武士は、甲府の山に何を見たのか? 寛政年間のこと、着実に出世の道を歩み始めていたはずの数馬は讒言により、甲府への転出、「山流し」と言われる左遷を命じられる。妻子とともに甲府の地での生活が始まるが、城下では不思議な事件が頻発していた。
レビュー
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骨太かつ繊細
山流しの暗さ、辛さ、陰鬱さ、救いのなさがこれでもかと描写される前半から、 主人公が今まで見えていなかった人生の幸せに光を当て、本人も回りもづつ変わっていき、 最後には勧善懲悪のような爽やかな救いがある。 最終章は穏やかな人生の幸福を見出した主人公が「妻」と語るシーンなのだが、 季節感あふれる庭の状況すら思い浮かべられるような繊細な描写に引き込まれる。 女性ならではの繊細さと、そして骨太な構成にはいつも感動する。
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しみじみとした結末
下級幕臣、矢木沢数馬は順調に出世の道を登っていたが、 同僚の讒言により甲府への転出を命ぜられる。「山流し」と呼ばれる左遷であった。 妻・子・従僕を伴い四人で甲府に下った。 城下町は商いで繁盛しているが、「流されてきた」武士達は荒んだ生活を送っていた。 新参者の数馬は酒と博打に溺れ乱暴狼藉を働く武士達に嫌がらせを受ける。 それを救った謎の女・都万(つま)の隠された過去が次第に明らかになっていくに連れ、 相次ぐ商家襲撃事件の全貌が明らかになっていく。 物語全体が暗いトーンで進められ、悪事がジワジワと人の心を苛んでいく過程が描かれている。 しみじみとした結末に一縷の救いがある。
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ものは見方で
山流しの物語は90%以上ネガティブな物語になるが本書のようにポジティブに 考える主人公なればこそ甲府に住んでみようと思う武士が出てきても面白い。
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