日本の文学賞

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ミュージック・ブレス・ユー!!

野間文芸新人賞

ミュージック・ブレス・ユー!!

津村記久子

『ミュージック・ブレス・ユー!!』は津村記久子による野間文芸新人賞の受賞作。角川書店から2008年に刊行された作品で、受賞時に示された題材と語り口を通じて、人物の選択や時代の空気を描く。

人間関係時代の空気内面の変化

作品情報

『ミュージック・ブレス・ユー!!』は、野間文芸新人賞で評価された津村記久子の作品です。

『ミュージック・ブレス・ユー!!』は津村記久子による野間文芸新人賞の受賞作。角川書店から2008年に刊行された作品で、受賞時に示された題材と語り口を通じて、人物の選択や時代の空気を描く。 受賞作としての位置づけに加え、題名から立ち上がる印象と作者の関心が読みどころになる。

レビュー要約

  • 刊行情報や紹介文からは、受賞時に評価された題材の明確さと読み進めやすい構成がうかがえる。人物や状況の輪郭を追いやすい点が読みどころになっている。

書籍情報

出版社
角川グループパブリッシング
発売日
2008-07-01
ページ数
218ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784048738422
ISBN-10
4048738429
価格
2376 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

「音楽について考えることは、自分の人生について考えることよりずっと大事」な高校三年生のアザミの1年間は、焦燥感と疾走感にみちあふれた、至極まっとうにかけがえのない日々……。新たな青春小説の金字塔が登場

レビュー

  • 傑作です。

    彼女の作品を愛する人は、必読です。

  • 他者のことで怒るのは尊い。

    著者の描く女性はしばしば正義感(というとちょっとズレるかもしれないけれど、ファエじゃないことに納得しない気持ち)が強い。本書の主人公アザミも、親友チユキを傲慢な態度で振り、勉強でもズルをした男を罵倒するし、アザミより行動力(?)のあるチユキは、文化祭で女の子に心ない発言をした男子生徒を誘い出してトイレの掃除用具入れに閉じ込めたり。それらが快く感じられるのは、いずれも自分がではなく他人がアンフェアな仕打ちをされたことに怒るからだ。『君は永遠にそいつらより若い』が共苦の物語であるならば、本書は共怒の物語と言ってもいい。 全体としては、ゆるゆるとした日常の中の将来への不安やささやかな希望、そしてなにより音楽の物語なのだが、私は上に書いたところがもっとも印象的だった。

  • ヘッドホンを外して。

    主人公である高校3年生のアザミは明るくて髪の毛や矯正のゴムの色が派手なところがわたし好み。 赤い髪に黒のフレームの眼鏡で音楽鑑賞がなによりも好きなアザミと真っ黒のクセ毛、モノトーンで統一の一見真面目でぶっ飛んでる友人のチユキは見た目が正反対で面白い。 最初見たとき「NANA」みたいな感じかと思ったがめちゃくちゃ青春ストーリーでした。 音楽にしか興味がなくて、将来の夢もなく、受験にも行き詰まっているアザミはどことなく自分と似ている。結果的に受験には失敗してしまったけれど、なんだかんだでも周りの意見を取り入れているアザミはとても偉いなぁ、と。アザミとわたしの違いは素直に周りの意見を聞くことや仕事や夢を見つけようと頑張っているところ。アザミは好きなことのジャンルはある程度きまっているので、めっちゃ羨ましい。夏休み補講になってしまったとき悲しんでる子に対して「数学15点以上取ったことない」と励ましているのは、わたしに似ていて口角があがった。 トノムラが出てきて、音楽の話題になったときアザミとバンドを組む流れかと思ったけど、読む限りそこまで仲良くなることもなく想像と違って面白かった。でも、トノムラの音楽への愛は後半になるほど伝わった。 最後いつも付けてるヘッドホンを外して、自分の道に進むチユキとも別れて、新しい道に進もうとしているアザミに瞳孔が開いた。 疎遠になってしまっても二人には関係を保ってほしいという気持ちと共に、私自身も、今仲良くしてくれている友達とも何らかの形で繋がっていたりたまには集まったりしたいなと思った。

  • NHKのEテレで漫画でやっていそうなお話

    登場人物の名前がカタカナ表記なので、なんだか、テレビ漫画、それもEテレでやっていそうな感じがします。作中、”東京弁先生”が登場しますが、ちょっと違和感を感じる表現ですね。私は茨城県に住んでいて、茨城弁(それも北部の方の訛り)を地元で使いますが、東京の人の話し言葉を”東京弁”とはわざわざ言いません。これはおそらく、関西の方が(特に大阪人が)東京に対して特別の対抗意識を潜在的に持っているからではないでしょうか?(昔は関西が日本の中心だったというプライドのようなもの) 小説というよりは、青春漫画、それも女子向けの今どきのお話のように感じてしまいました。まあ、活字離れの若者には、気安く読めて良いのでしょうが。

  • 面白い!

    津村記久子さんが大好きなので購入。期待を裏切らない面白さでした。

  • 青春って、、、

    若いときって、自分のことがよくわからない。自己嫌悪の塊だったり。でも、外から見るときらきらしてて。主人公に、あんた、いいやつだよ、頑張って大人になれよと思うし、私はどうだったんだろうと思いました。いい本でした。

  • 独特の空気を通じて共鳴する青春小説

    08年刊行。デビュー作"君は永遠にそいつらより若い"ではその胸をえぐる変化球に驚いたが、本作でもまた、このタイトル/装丁から想像される凡百の「青春小説」からは大きく逸れる軌跡に意表を突かれる。 高校3年生、女子にしてはのっぽでメガネ、髪を赤く染め歯列矯正のブレースをしたアザミが、メンバー間の諍いからビンタを喰らい、ぼんやりとこのバンドも終わりかー、と思いを巡らせるところから物語は始まる。散乱したリュックの中身と同様に、アザミの一種混乱した思考に引き込まれるような感覚を覚えるが、この小説全体に滲む感覚もまた、ぐるぐると説明し難いエモーションの渦巻きだ。そもそもが人間のアタマん中、そうそうキレイに整理されとるわけでなし、この色んな感情の多重衝突状態こそがリアルなんだろう。だから、というわけはないが、この物語は、とあるバンドの奇跡のような青春の一コマを描き出さないし、箱庭のように美しいノスタルジック譚を創造することもない。あるのは、味気ないまでの現実だ。 と同時にそこには、電車の隣に座ったおよそ頭が良さそうには見えない女子高生が、広げた足の間に頭を挟み、何やらウーウーとうなり声を挙げておるその溺れるような葛藤や、他人に理解されないもどかしさ、あるいは理解できないことの悔しさみたいな感覚が、ちょっと並でない強さで溢れている。 つまるところ、美しくショートカットされることのないアザミの思考や行動は、傍目にもごちゃごちゃとしておよそスマートじゃあないが、それがゆえに切実で、大切な感情をいくつもいくつも浮かばせる。彼女は自分の限界に少なからず自覚的だし、出来ることがそう多くないことにも気づいている。とは言え「私は私だ」と達観できるはずはなく、泣きたくなるような苛立ちや、どうしようもない焦燥感こそが日常だ。アザミが唯一「他人と違って」いるところ、それが音楽(主にMxPxやSUM41といったアメリカのインディー・パンク)への依存度だろう。それにしたってアザミはそれが「人より優れている」なんて思ったことはなく、むしろ「恥ずかしい」と感じているようだ。自分と同じように音楽へ依存している同級生のトノムラに対する、こんな記述がある。 しかし、このトノムラという人間は自分より恥ずかしいかもしれない、とアザミは直感した。他者により多くの期待をして、自分より多く裏切られてきたかもしれない、と。 タイトルから漠然とイメージされる、音楽がもたらす奇跡のような福音、そんな「小説」めいた展開は用意されていない。が、十代というまだそう広くない世界だからこそ生まれうる、切実でかけがえのない感情が、音楽という"空気"を通してかつて自分の中にあった(かもしれない)感覚と共鳴する、そんな特異な青春小説。こんなの、なかなか書けんだろう。読後、内に残響する感覚がとても心地よく感じられた、他にあまり類を見ることのない良作。

  • 「高校時代ってモラトリアム期間だったんだなぁ~」と読者に共感させる点だけが唯一の取り柄の凡作

    私は作者の作品を殆ど読んでいるのだが、本作が一番詰まらなかった。得意の「OL応援歌」路線とは異なり、女子高生を対象にしているせいもあるのだが、作者の意匠がサッパリ理解出来なかった。登場人物の日常の些細な出来事をユーモア味を漂わせて描き、読む者に共感・勇気を与えるという作者の持ち味が全く出ていない。 女子高生同士の友情を描いている訳でもなければ、恋愛模様を描いている訳でもなければ、「音楽」だけが生き甲斐のヒロインの成長振りや将来に対する夢・希望を描いている訳でもない。統合失調症気味のヒロインの日常を単にダラダラと描いているだけの無為の内容。 多くの人が人生を振り返った時に、(大学時代もそうだが)「高校時代ってモラトリアム期間だったんだなぁ~」と読者に共感させる点だけが唯一の取り柄(これが作者の意匠かもしれないが)の凡作だと思った。

  • Ottimo, consigliato.

    Arrivato prima del previsto in ottime condizioni.

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