日本の文学賞

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化身

日本ホラー小説大賞

化身

宮ノ川顕

南の島を訪れた男が密林で異様な変容に巻き込まれていくホラー小説。身体の変化と空腹、孤立が重なり、人間であることの境界を不穏に揺さぶる。

変身孤立身体ホラー

作品情報

『化身』は、宮ノ川顕の持ち味が表れた受賞作である。

南の島を訪れた男が密林で異様な変容に巻き込まれていくホラー小説。身体の変化と空腹、孤立が重なり、人間であることの境界を不穏に揺さぶる。

書籍情報

出版社
角川書店
発売日
2009-10-22
ページ数
283ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784048739948
ISBN-10
4048739948
価格
109 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

日常に厭き果てた男が南の島へ旅に出た。密林へ分け入った彼は池に落ち、耐え難い空腹と絶望感、死の恐怖と闘いながら生き延びようとして、やがて……。端正な文体で完璧な世界を生みだしたホラー大賞史上最高の奇跡

1962年、福島県白河市生まれ。神奈川県で育つ。日本大学卒業後、会社員を経て、茨城県石岡市で自転車競技や釣り用のウェアを作る自営業に従事する。

レビュー

  • 読み物としてよかった。

    わざわざ活字に目を通して時間をかけるよりも、動画で手っ取り早くしてもらったほうがいいと思うことしきりの昨今、この短編はひさびさに読み物として面白かった。

  • 思ってたのとはなんか違ったけど面白かった

    Amazonの商品ページの説明を見て面白そうかなと思い購入 表題作はもっと極限状態で孤独や餓えから死に直面する恐怖みたいなサバイバル色の強い作品なのかなと期待して読み始めたもののそういうものではなくめっちゃファンタジーでしたw まあこれはこれで面白かったです。 他2作もなかなか良かった。

  • え、これで終わり?

    え、これで終わり?とあっけにとられたまま小説は終わってしまった。 読んでいる最中、ずっとホラー小説として展開していくことを 期待していましたがそれがないまま終了しました。 ホラーの展開、面白さを期待して読んだのですが。

  • 角川ホラー大賞読破プロジェクト第1弾!

    他の方々の感想欄ですでに言い尽くされている感はあるが、ホラーを怖い話でなければならないと決めつけて読む者にとっては、は?どこが怖いの?という話である。 私の場合はホラーは恐くなければならない、という持論は特にないので、この作品はつまらなくは無かった。 ホラーに関しては海外のモダンホラーから入った口なので、ホラーに求めるものが一般とは少しずれているのかも知れない。まあ、一概にホラーと言っても千差万別だからね。 むしろあえてジャンルという檻に閉じ込められる事で、作家の個性が潰されるのであれば、ホラー大賞という枠そのものが作品にとり害でしかない。 何が言いたいかと言うと、私にとっては、要するに読んでる間が楽しめれば良いのだ。 で、この作品。ラストの蟻のシーンはホラー的恐怖を微妙に感じはしたものの、 ディーンrクーンツほどのスリルもサスペンスも感じられなかった。 確かに読む前にレビューをちら見していた通り、恐くない。 恐くないからつまらない、というかと言えば、決してそんな事はない。 私としてはそこそこ楽しめる作品であったと言わせてもらおうか。 他の人はまだ指摘してはいないが、主人公が転落した池の構造を、私はなんとなく女性の子宮のようにイメージした。 その子宮にイメージされる池の中で変態する主人公の姿は、夢野久作のドグラマグラ作中で描かれた胎児の夢を彷彿とさせる。 それは淫夢に似てどこか甘美なものを感じさせる。 私がこの作品を読んでいて感じたのは、始終そんなものであった。 他の方々のレビューでよく指摘されている、主人公の心理にまるで恐怖や不安が感じられないというのは、生々しさのないそうした夢のようなぼんやりした感覚が、作品の通低音として流れているためだろう。 あえてジャンルにこだわる人に言わせてもらうならば、そう、これはホラーではない。幻想小説なのである。 ぼんやりした甘美なる夢の浮揚感をこそ、楽しむべき作品である。 そしてそうした演出のために作者が意図したのか、しないのかはわからないが、 この作品が主人公の一人称で書かれている事が効果をあげている事は、確かだと思う。 人生に対してどこか捨て鉢になって熱帯のジャングルへ踏み込む自体、すでに主人公の心理は通常の感覚ではない。 池に落下してもそれほど恐怖を覚えなかったのも、恐らくはそのためであろう。 しかしさりとて自殺をする勇気はなく、とりあえず空 腹になれば、何か食べたいという生命の根源的衝動のみが主人公の心理を支配していたのだろう。 そうした精神状態が肉体を変化させたのならば、当然それに伴い精神も変貌しておかしくはない。 あえて恐怖たこだわるならば、主人公の恐怖を感じないそうした心理状態をこそ、恐怖とよぶ事が出来るのではないか? だからこの作品を一人称ではない、三人称的な映像で表現したなら、作品のイメージは随分と変わるだろう。

  • 生命という恐怖。

    第16回日本ホラー小説大賞受賞作品。 素晴らしいの一言に尽きる。 一人の男が人ならざる者に変化していく過程を、こんなにも無理なく自然に表現できるなんて。同じ環境に置かれたら私も変化できるんじゃないかと思ってしまいそうになるほどだ。だからこそなんともいえない恐怖感が、読んでいる最中ずっと頭の中に留まっていた。 主人公の男がおかれている状況にそんなに絶望しないで恐怖しないで順応していく。だからこその恐怖。よくある小説なら、主人公の男の絶望に読者を共感させる形で恐怖を与えるのに、この小説は全く逆だ。

  • 化身:なにかが足らないが稀有な作品

    皮肉ではないし、不幸でもない。それに怪奇でもない。 小説の形をとった体験型の遊具施設だと感じた。 作者は「どす黒いもの」ではなく「美しさ」を描こうと腐心しているし、皮肉な表現を交えつつも常に「前向き」だ。 主人公の執念などは大した事がなく、むしろ達観している。確かに「何か」に身を委ねて化身してゆくが、最終的には元に戻るだけ。立ち去り際も、ちょっとしたアトラクションを楽しんだ後のような雰囲気が漂っている。 実際、最後の一文を「さて、次はどこを楽しもうか?」という言葉に変えても、それほど違和感がない。結局のところ、主人公は、命の摂理・進化を模した「遊具施設」で遊び終えただけ。絶望的な状況ばかりであるのに、その実、主人公の心の内に絶望などどこにもない。変容を冷静に見つめ、受け入れ、利用する。単に「主人公が遊んでいる」感しかない。もし、これを読んで「絶望」を感じるなら、ひどく安い「絶望」だ。生きる糧は、揃ってる。現実世界への執着もないしねぇ。すべてお膳立てされた状況に「絶望」もクソもない。 読後感もジェットコースターや、お化け屋敷となんら変わらない。小説なんてどこかしらそんな物だが、これほど安心感のある物語もない。純粋に異様な状況を楽しめる作品だ。恐怖するような状況を読者に愉快に思わせる、非常に珍しい作品ではないかと思う。選評の「孤高」という言葉もその点でなら、うなずける。 表現が美しかったり、ニヒルだったりするが、最終的には良く出来た異世界を体験して、出口のゲートをくぐってお終いになる。 異様でどこか切羽詰まった状況を「楽しく」読むには最適な物語ではないだろうか。まあ、何がこの「アトラクション」を作ったのか考えるとちょっとばかしホラーにはなる。 ただし、怪異や人間の心理を期待するなら、拍子抜けかな。怖くはないし感動もない。ただひたすら「異様」を体験できる。非常に貴重な作品。 --- 化身以外は、内容も表現もありきたりで使い古された感が・・・。うーん。とても器用だけど素人小説では?とさえ・・・。 特に3つめは私小説のようで苦痛。全く同じ心理描写が延々と続き、メリハリも無ければ、目立ったエピソードやシーンも無い。 単に辟易するだけで、オチも見えすぎた。期待しただけに落胆も大きい。星2つさげる。

  • 命の美しさ

    ホラーという括りを越えて純文学作品です。生きようとする肉体の本能を流麗な文章で描写されています。 地味ながらも、不思議な余韻を残し、命の美しさを感じました。

  • まったくホラーやない

    まったくホラーでもなんてもない。面白くない。なぜ選ばれたのか解らん。オイラは福澤徹三先生の大ファンなので、この作品が、まったく解りません。

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