作品情報
鳥の飛翔と鳴き声に寄り添いながら、自然と暮らしへのまなざしを詠む歌集。
『鳥の声』は、中根誠が2024年5月に角川文化振興財団から刊行した歌集で、第40回詩歌文学館賞の短歌部門を受賞した。鳥たちの声と姿を繰り返し配し、海・川・湖に囲まれた茨城の土地で重ねた時間と、身近な人びとへの思いを詠む。
書籍情報
- 出版社
- KADOKAWA
- 発売日
- 2024-05-27
- ページ数
- 300ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 2.3 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784048845878
- ISBN-10
- 404884587X
- 価格
- 3052 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/詩歌/詩集
2019年から2023年末までの5年間の作品489首を収めた第六歌集
●中根 誠:1941(昭和16)年10月30日茨城県鉾田市生まれ。元高校教諭。現在まひる野運営・編集委員。歌集に『あられふり』『小牡鹿の角』『広州』『中根誠歌集』『境界(シュヴェレ)』『秋のモテット』、歌書に『兵たりき 川口常孝の生涯』『プレスコードの影 GHQの短歌雑誌検閲の実態』がある。茨城歌人、茨城県歌人協会、日本歌人クラブ、現代歌人協会、日本文藝家協会各会員、茨城新聞「歌壇」選者
レビュー
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中根誠の第六歌集
作者八十二歳の第六歌集。配偶者を失くし、コロナ禍の単身生活の悲哀を詠む。それでも明るさと家族愛は失わず、オンライン研究会にも積極的に参加する。 妻をらぬわが生活の匂ひかと玄関に入りしばし突つ立つ 球根を埋めたるひと逝きたれば誰のためでもなく開く花 新型コロナウイルス早くも変異してゆつくり変異する娘も孫も オンラインの研究会に顔を出すその背景を古カフェにして 作者の住む茨城県鉾田市は、海と湖を持つ風光明媚な土地だ。作者は筑波山や霞ヶ浦などの豊かな自然と、そこに生息する鳥たちとのふれ合いを詠む。作者の年齢を感じさせない、みずみずしい感性に心を惹かれる。 みづうみを覆ひきれざる黒雲の片寄れば西に立つ筑波山 霞ヶ浦の波を焼きつつ冬の陽の沈みたるのち鳥が渡るを 春は去りキャベツは残る海風に黄色い花を開きて残る 喉も裂けよと雌呼ぶ鳥の声聞けば人の恋文こそ苦しけれ 後悔の溜息ならむ夕鳥が楝の枝に北向きに鳴く レモンしぼればくれなゐに澄む紫蘇ジュース飲みきるまでの命よ燃えよ
関連する文学賞
- 詩歌文学館賞 第40回(2025年) ・受賞