日本の文学賞

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つるぎのかなた (電撃文庫)

電撃小説大賞

つるぎのかなた (電撃文庫)

渋谷瑞也

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2019-02-09
ページ数
376ページ
言語
日本語
サイズ
10.6 x 1.8 x 15 cm
ISBN-13
9784049123326
ISBN-10
4049123320
価格
693 JPY
カテゴリ
本/コミック・ラノベ・BL/ライトノベル

剣の道を駆け抜けろ! 目指すは最強の先、はるか頂きの彼方――! 第25回電撃小説大賞《金賞》受賞作! 「好きじゃないんだ、剣道。……俺を斬れる奴、もういないから」 かつて“最強”と呼ばれながら、その座を降りた少年がいた――。 “御剣”の神童・悠。もう二度と剣は握らないと決めた彼はしかし、再び剣の道に舞い戻る。 悠を変えたのは、初めて肩を並べる仲間たち、彼に惹かれる美しき『剣姫』吹雪、そして――孤高の頂でただひたすらに悠を追い続けていた、高校剣道界最強の男・快晴。 二人が剣を交えた先で至るのは、約束の向こう、つるぎのかなた。 「いくぞ悠。お前を斬るのは、この僕だ!」 剣に全てを捧げ、覇を競う高校生たちの青春剣道物語、堂々開幕!

●渋谷 瑞也:第25回電撃小説大賞《金賞》を受賞。

レビュー

  • 剣道始めたばかりの方は楽しめるかな。

    剣道は楽しいけどモテないことを思い出した。

  • 文章は荒々しいが、臨場感は突き抜けている

    かつて水上悠は中二の時に六大道場の大会『蒼天旗』の十八歳以下の部を制するほど圧倒的な力を 持つ修羅と化していたが、ある事情から剣を置き、母親とともに田舎から東京近県にある街 (西武新宿線沿線という描写から埼玉県所沢市、狭山市、川越市あたりと思われる)に移り住み、 県立藤宮高校に転入したが、新入生の眼鏡女子・深瀬史織やクラスメイトで剣道部員である 城崎俊介や二宮千紘たちとの出会いにより剣道部への見学と、お嬢様学校で強豪校である 桐桜学院との練習試合に参加することになるが――というのが冒頭のストーリーである。 ある事情により剣を置いた少年が紆余曲折の末再び胴衣を纏い、弱小剣道部を勝利に導く――という ベタなストーリーラインになるかと思いきや、メインとなる水上悠そして圧倒的な強さを持ち、 孤高のチャンピオンであり続けながらそれに満足することなく、忽然と姿を消したある男の ことを待ち続ける魔王・乾快晴の二人が邂逅する物語をベースに、初心者として剣道の世界に 足を踏み入れる後輩・深瀬史織、練習試合で対峙した悠に敗北したことがきっかけで 恋に落ちるも端から見たら恋に恋している滑稽なさまを晒してしまう乾快晴のツンデレ妹・ 乾吹雪といった、生き方が少し不器用な少年少女が織り成す圧倒的強者に対する畏怖や 嫉妬といった人間模様が描かれる群像劇となっている。 現実の剣道女子の多くは面倒だという理由で部活ショートにしてしまうことが多いのだが (残念ながらショートヘアは人を選ぶが、当の本人はおしゃれや男の子にモテるよりも剣道を 選んだのだ)、本作では文章を読んだ限り残念ショートはいないことから、作者もまた、 髪の長い剣道女子が面を外し、手拭いを外した瞬間その髪をふわっとなびかせる姿は ある種のフェティシズムを覚えるような人物なのかも知れない。 疑似三人称の使い方が怪しかったり、会話文の途中で誰が何を話しているのかが分かりづらい 部分はあった(編集は何も言わなかったのか、それとも敢えて見切り発車させたのか、 真相は分からない)が文章という一次元的な表現の枷を塡められながらも、経験者でないと 書けないような筆致により疾走感と臨場感を演出している。 それ故に、次のシリーズ以降の物語が書ける引き出しが作者にあるのかという余計な 心配をしてしまうが、その答えが出るのはもう少し先の話だろう。 余談であるがプロ野球のスカウトは、万遍なく一通りこなすことができる選手ではなく、 他が平均以下でもホームランが打てる選手、バントが巧い選手、頭のいい選手、守備が巧い選手と、 何か一つが突出している選手を好んでスカウトするという。おそらくAMWは作者が描く 臨場感を高く買ったのだろう。 現実世界と乖離したトンデモ設定ではなく、メディアワークス文庫――いや、角川文庫から 出版されてもおかしくない、剣道を主題とした青春小説を敢えて電撃小説大賞の金賞に選出し 電撃文庫で出版する一方、十八年ぶりに大賞を該当作なしにしたのは、転生・転移を問わず 異世界冒険譚や明らかに男女比と女性キャラクターのパーソナリティがおかしい学園ものの 粗製濫造により質の低下を招き、アタリショックのような市場崩壊を危惧するAMWの 危機感のあらわれであり、次回以降の電撃小説大賞への応募者に対する、多様性のある作品を 求めるメッセージでもあると推察できる。

  • ラノベよりは一般小説に近いのかな

    剣道を扱っているラノベということで購入しました。 作品全体の評価としては人を選ぶ作品かなと感じました。 (合う人には合うけど、合わない人には合わない) そう感じた理由としては2つほど挙げられます。 理由1 他のレビューの方が触れているように登場人物は多く出てきます。 そのため、覚えるのがめんどくさいと感じるかもしれません。 ただ、この巻で重要人物は、レーベルの特設サイトにイラストがあるように、主人公の悠とライバルの快晴、ヒロインの二人、親友キャラの二人、部長ぐらいだと思います。 あとはイラスト載ってない悠の女親友など藤宮の剣道部員ぐらいかな。 理由2 文体はラノベにしては珍しくズシンと重たい感じのものです。 ただ、それが剣道の泥臭くも熱い展開を出すのにちょうど良いかなと感じました。 1巻は個人戦なので、悠と快晴の因縁に決着がつくところで終わりますが、2巻は団体戦なので、 今回はあまり目立たなかった親友キャラや部長にも活躍の場が訪れるはずなので楽しみです。

  • これは誰のセリフですか

    誰が何を喋っているのかが分かりづらい

  • まさしく大賞に及ばぬ金賞、キラリと光るものがある新人らしい荒削り

    他のレビューを見ても分かる通り、かなり好き嫌いが分れる作品である。 ちなみに、最後まで読んだが私には合わなかったと感じた。 ●大仰なセリフ回しと軽口 まずは以下の引用を読んでほしい。 「い~ぜ~。その代わり、あたしも服見るから先に付き合いな~? コーデしてやるからさ」 「いっ、イヤだッ! 愛莉は林檎氏から黒色を奪う! オタクは暖色系を着ると死ぬの!」 「はいはい行くよ~、根暗な心の闇属性」234p 「楽しみ、ねえ。 ……今どんなもんかは知らねーけど、見たくねーもんがまた見れそうだな。おい影下。リトマス試験紙ならせめて、真っ青になるだけにしといてくれよな」 「え? ……どういう意味っすか?」 「破かれんなよ、って言ってんのさ。どーも人間のこと、紙にしか見えねーらしいからな」 垂れの左右を両手で曲げながら、橋倉は整列に向かう。六大道場出身の彼は小さく呟いた。 「久しぶりだな、『剣鬼』。会いたくなかったぜ」192p 端的に言って、この作品の会話パターンは二つ。 上のような軽口と、下のような言葉遊び風のドラマチックなセリフ回しである。 他の方も散々言及されている通り、前者は読んでいて苦痛と感じる部分が多かった。 ギャグとしてはいまいち。おそらくキャラの個性やリアリティを表現するためのものだったのだろうが、キャラクターが多いせいで情報のノイズと化しているような印象を受けた。私は読んでいて苦痛だった。 後者も前者と同じ頻度で登場する会話のパターンだ。 そう、本当に同じ頻度で、最初から最後まで随所に出て来る。まだキャラクターやストーリーを把握していない段階、物語的に盛り上がっていない部分でもこの調子なため、作者の波長とペースに乗り遅れると序盤で断念するかもしれない。言葉を選ばずに言うなら、登場人物が自己陶酔していてクサい印象がどうしてもぬぐえない。 しかし、このような劇的なセリフ回しは作者の得意とするところなのだろう。後半部分(200p終盤)は物語的な盛り上がりと相まって、その勢いは凄まじく、非常に心の熱くなる文章となっていた。 独特な一人称に近い三人称の語りも、剣道描写にスピード感と迫力を与えていた。剣道を知らない私でもなんとなくであるが、映像が想像できる文章だった。おそらく戦闘を描いたものとしては、ここ数年でも稀に見る作品なはずだ。 ●そこかしこに張り巡らされたスポコン的な人間関係 表紙を見れば一目瞭然だが、この作品はいわゆるスポコンものに分類されるだろう。 そのためか、作中の人間関係が 他人への多大な興味・憧憬→ 勝負!→和解(俺たちの戦いはこれからだ) このような感じになっている。ライバル同士なら他の作品にも珍しくもないだろうが、この作品の場合は家族恋人友人、全ての関係が大体こんな感じに終始している。 それに付随して、先程も触れたが登場人物たちのノリが非常に独特だ。 最近のスポーツ漫画でも珍しいぐらいに他人に対して能動的で、自己開示をためらわず、そして負けず嫌い。とにかく人と戦いたがって、より強いきずなで結ばれて次のステージへ。登場人物はみんなこんな感じである。 そのため、最初にある主人公の姉弟子と主人公の後輩、主人公と後輩の会話ら辺で合わないと感じると、後半になっていくにつれて登場人物たちのクサいノリに嫌気がさし、読むのが苦痛に感じる。 そのくらい、スポコン全開なのだ。 気になったのは以上二点。後はメインのストーリー(主人公とライバルの関係とその描写)が名作漫画である『ピンポン』と似ている点だろうか。まぁ、私もスポーツものの読書経験が豊富なわけでもないし、個人競技ものは色々と似る部分が多いのかもしれない。 難癖を付けさせてもらったが、剣道描写の臨場感だけでも読む価値のある一作である。 文章で手に汗握りたい!という人はぜひ読んでみていただきたい。

  • 高校剣道を舞台に繰り広げられる青春小説

    高校剣道を舞台に繰り広げられる青春小説です。 本作は、応募小説の金賞作です。 この時の上位の賞である大賞は空位です。 処女作のようですが、肩に力がは入った分、大賞を逃したのかもしれませんが、青春満載で面白いです。 今夏に出版予定の続編が楽しみな読後感です。

  • 会話の端々にまで細かい配慮がある作品

    会話内のリズムも、会話同士のリズムもよく、テンポがよい。 場面が転換するタイミングもいいし、 間合いもよい。うまい。 なのでどんどん読み進められます。 剣道のルールの説明も正確だし、 小説の中で剣道自体についての説明を挿入するタイミングも適切 本の一番最初にカラーのイラスト折り込みがあって 主要人物の男女2人ずつのイラストと説明があるので、 ここでこの4人のイメージができるため、 本のストーリーの中に入っていきやすい。 快晴と吹雪が対になっているのが特にわかりやすい。

  • 日常の軽快なトークと、試合の緊迫感あふれる描写の落差に魅力

    第25回電撃小説大賞金賞作品で作者のデビュー作。 剣道部の部活を主軸にした部活もののラノベ。 強すぎるために「剣の道」から離れてしまった主人公・水上悠が、 都会の高校への転校をきっかけに、ふたたび「剣の道」に舞い戻る。 悠が舞い戻った高校剣道界には、かつて悠を憧れの眼差しで見つめていた、 同門の乾快晴が君臨していた。 日常の軽快なトークと、試合の緊迫感あふれる描写の落差に魅力がある。 日常生活はラノベ然とした軽口の応酬ながらも、 試合で立ち会う場面では、一進一退、撃つか撃たれるかの迫真さがある。 本作品では、主人公・悠が剣道をふたたび始め、もう一度真剣に打ち込むまで そのプロローグになっている。 クライマックスの乾快晴とのインターハイ予選決勝(個人戦)まで、 一合ずつ、一合ずつ、山を登っていく。 なぜ悠が剣道を辞めたのか、そしてなぜその剣道に戻っていく必然性があるのか。 過去と現在を行き来しつつ、解き明かしていくような構成になっている。 若干、その構成が複雑で込み入ってるなと思う。 また、部活の同僚部員のキャラが、第一巻目の本書では立っていない。 続刊がすでに決まっているということで、サブキャラクターの活躍も期待される。 イケメン主人公である悠を取り巻く恋模様も、ひとまず伏線程度にしか描かれていない。 その意味で、ここで終わりなの、と思わせるやるせなさを感じる。 文章は上手なので、読み始めるとスルスルと読み進みます。 会話シーンの話し手がわかりにくい個所があるのは、 やりとりのところで、話し手の人物名が省略されることが多いからか。 話し手が誰かわかるように地の文を適度に足して欲しいところ。

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