作品情報
雪の朝の決起は、維新の夢から叛乱の名へと変わっていく。
作品は、事件を単なる軍事クーデターとしてではなく、昭和初期の政治不信、軍内派閥、青年将校の焦燥が絡み合う過程として描く。決起する側の理想は、現実の政治と軍の論理の中で急速に別の意味を帯び、やがて裁かれる対象へと反転する。雪の東京を進む兵士たちの行動を、時代の閉塞と個人の選択の両面から見つめる歴史小説である。
レビュー要約
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二・二六事件を扱うドキュメント・ノベルとして、青年将校たちの情熱、不安、困惑を描く直木賞受賞作と紹介されている。
書籍情報
- 出版社
- 学研プラス
- 発売日
- 2004-02-01
- ページ数
- 685ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784059002758
- ISBN-10
- 4059002755
- 価格
- 2118 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
第28回(昭和27年度下半期) 直木賞受賞
レビュー
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熱狂
~二二六事件当時の熱狂がじかにつたわってくる小説でした。 熱い想いだけで行動を起こしたひとたちの、あまりに杜撰なクーデター事件の顛末を描いた小説ですが、事件を起こした青年将校より少し年上の著者によって書かれているので、事件の当事者によって書かれたドキュメントのような感覚を受けました。 ~~ このクーデターが成功していたら、日本は日中戦争の泥沼にはまらなかったのかもしれないという幻想を、一瞬、私はこの小説を読んでいて感じました。 薩長の下級武士が勝利した幕末の動乱も、全共闘が時の政府に敗れ去ったとはいえ60年代・70年代の学生運動の熱狂も、思想の違いはあるとはいえ、同じ質のものだな、と感じました。 ~~ 今は熱狂のない時代です。ことの善悪はともかく、ある意味、熱狂の渦にみずからを投じた彼らが羨ましくおもえました。~