作品情報
歓楽の町に投げこまれた少女たちの前で、欲望と死が静かに牙をむく。
講談社文庫として1989年7月に刊行された文庫版。横浜の遊郭を舞台に、人間の欲望と秘密が絡み合う推理長編として読める。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1989-07-01
- ページ数
- 354ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784061844872
- ISBN-10
- 4061844873
- 価格
- 148 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
横浜の遊郭に2人の少女が売られて来た。飢えと不景気の昭和初期、歓楽の町に投げこまれた2人を、死と、恐るべき秘密が待っていた。娼家を次々と襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが、巧みな展開と伏線、意表をつく結末で余すところなく描かれる、江戸川乱歩賞受賞の傑作推理長編。
レビュー
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若き日の山崎洋子さんの筆致に驚く。
映画を先に見て、興味を持って購入。 江戸川乱歩賞受賞作。 いや、宮尾登美子の廓物よりも断然面白い。 舞台は昭和7年の横浜真金町。その色街の様子と張り巡らされた伏線に脱帽です。 いま読んでも新鮮!
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ジっと手を見る
石川啄木の短歌では、働いても働いても生活が楽にならなくて、ふと手を見ますが、 この作品では逆に、今まで楽に生活していた人間が人生に翻弄され、自分に何もかもなくなってしまった時に、手について「きれいです」と言われ、ジッと手を見る。 こんなキレイな手で、どんな仕事ができるのか? 昭和7年が終わろうとしている・・・・ 主人公ふみの危なっかしい行動力など、事件を解こうとするその姿が、私には仁木悦子さんを思わせました。 解説を書かれた結城信孝氏が、作者から頂いたサインの 『冬の実のように 輝いて、 山崎洋子』 の言葉が、胸に刺さります。
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前半★4後半★3
昭和7年の遊郭について小説形式で読めるのは貴重かもと購入。後半はwho done it? になり、田舎出の小娘があまりに大胆無防備なこと、死人が出すぎてリアリティがなかった。
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江戸川乱歩賞の名に恥じぬ出来
紙の本が絶版なので(なんでだ!)電子書籍で読む。さすが江戸川乱歩賞、といえる完成度の高さ。ミステリ部分もドキドキだけど、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが本作の見所といえる。
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軽々と読める
関東大震災の後、軍靴の足音が聞こえる頃の設定。 主人公、ふみのけなげさがいいですよ。 改行が全編に渡ってなされていて、非常に読みやすかったです。 読後も爽やかな感じがしました。
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完成度が高い
週刊文春1986年 国内1位 昭和7年の横浜。18歳の美津と17歳のふみが遊郭に売られてやってきた。やがて娼妓として働き始めた美津は、客を刺殺し、服毒自殺を図ってしまう。 公娼として年齢がいかず下働きをしていたふみは、美津の無実を晴らすべく、ひとり捜査をおこなうのだった ・・・ 当時の職業婦人としての公娼の世界が、丹念に描かれていて、なかなか興味深かった。逃げ道がなく退廃的な遊郭という舞台で、親友美津を思うふみの健気さが、よりいっそう痛々しい。事件は、驚きの真相なのだが、伏線が張られていても、予想は難しいだとろう。そもそも本作品は、風俗や、人物の描写がとても良いのだけれど、ミステリーとしての完成度も、高いと感じだ。文章もテンポがよくって、一気に読了できる。救いのないものがたりではあるが、ラストのふみの決意が清々しい余韻を残す。 が、このタイトルはちょっと。花園の迷宮というタイトルから耽美系を想像して、なかなか手が出なかったんだよなぁ。
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時代性に引き込まれるっ!!
時代設定は昭和初期。一つの殺人事件と、ある遊郭で働くことになった二人の少女とが、次第に繋がっていくのであるが、その少女の探究心からくる行動が面白く描かれている。犯人探しを少女と共にしている感覚を味わえ、また同時に騙されもする。比較的、軽いタッチで悲しみも上手く表現できている。
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昭和7年
昭和7年、若狭の田舎から若い二人の娘が売られて、横浜の真金町の遊郭に連れてこられたあとにおこる殺人ミステリー。遊郭の中で二人のうち一人が死に、もう一人の娘が事件の真相を素人ながら追う。昭和初期の時代背景に暗さが全体に漂いながら、あっさりと犯人が分かったと思ったら、もうひと展開。飽きずに一気に読めましたが、江戸川乱歩賞受賞に期待しすぎたのか、ミステリーとして物足りなかった。
関連する文学賞
- 江戸川乱歩賞 第32回(1986年) ・受賞