作品情報
庄野潤三の受賞歴の中で記録される『絵合せ』。
『絵合せ』は庄野潤三による作品で、1989年に講談社から図書として刊行された。
書籍情報
- 出版社
- 講談社
- 発売日
- 1989-06-01
- ページ数
- 350ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784061960480
- ISBN-10
- 4061960482
- 価格
- 288 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
グリム童話が不思議に交叉する丘の上の家。“姉がひとり、弟が二人とその両親”――嫁ぐ日間近な長女を囲み、毎夜、絵合せに興じる5人――日常の一齣一齣を、限りなく深い愛しみの心でつづる、野間文芸賞受賞の名作「絵合せ」。「丘の明り」「尺取虫」「小えびの群れ」など全10篇収録。
レビュー
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心温まる傑作短編集
文庫本オリジナルの短編集です。内訳は「丘の明り」「小えびの群れ」「絵合せ」からそれぞれ2篇、6篇、2篇選ばれた10篇で構成されています。「著者から読者へ」のなかで「姉がひとり、弟が二人、その両親を含めていくらかかわったところがないわけでない一家の、ある時期の『家族日誌』といえばいいだろうか。やがて女の子は結婚して、人数が五人から四人になる。ひとり減っても生活はそのまま続いて行き、また年月はたつ。ささやかな日常に詩的空間のふくらみを与えようとしたこれらの小説が、新たな一冊となるのは嬉しい。」と書いています。そして「その後の和子について興味を抱いてくださる読者の方には、『明夫と良二』、『鍛冶屋の馬』、『インド綿の服』をお読みくださるようにお願いしたい。」と続きます。2020年の今では「さくらんぼジャム」や「鉛筆印のトレーナー」そして「貝がらと海の音」に始まる11の連作小説を読むことができます。読者を「無上の愉しみ」へと誘ってくれる宝物です。読み終わるたびに「ありがとうございます」と手紙をお送りしたくなるほど、心温まる作品群であることは、誰もが認めるところでしょう。
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楽しく切ない思い
外国の昔話の引用があって構成が素晴らしいなと思いつつ、いつも著者の御本には癒しを求めているのでぼんやりとうっとりと読みました。 まだ幼い息子さんたちから話しをきく優しげなお父様、長女と出掛ける次男、受験生なのに愉快な長男。ねずみ対お父様のやりとりも含まれ、最後の『絵合せ』で切なくしんみりさせてくれる。 子供との接し方がわからないという現代の父親に読んでもらいたい書です。 愛情をどう注げば、他人の気持ちを思いやれる人間になるかわかる御本です。 それにしても、お子様達のユーモアセンスは多分庄野さん譲り!!
関連する文学賞
- 野間文芸賞 第24回(1971年) ・受賞