日本の文学賞

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風のターン・ロード

江戸川乱歩賞

風のターン・ロード

石井敏弘

横浜の夜を疾走する青年の視点で、母の死や事件の真相を追う物語。乱歩賞らしいサスペンスの推進力に、スピード感のある青春小説の手触りが重なり、疾走する構図が印象に残る。

横浜サスペンス青春真相追跡事件

作品情報

Z2を駆り、青年は真相を追う。

石井敏弘の江戸川乱歩賞受賞作。講談社から1987年9月に単行本として刊行され、1988年以降は文庫でも読めるようになった。母の死の真相に迫る疾走感のある構成で、若い書き手ならではの勢いが前面に出る。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1987-09-01
ページ数
288ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062036238
ISBN-10
4062036231
価格
80 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

第33回(1987年) 江戸川乱歩賞受賞

レビュー

  • ZⅡカワサキが神戸の街を疾走する!

    この物語の最大の魅力は、謎解きとは直接関係ないのですが、主人公がバイクで走るシーンでしょう。読者もバイクに乗りたくなる。 事件自体は、1年前に生き別れの妹が神戸のとあるカフェで殺され、その未解決事件を兄が調査するというものです。 関係者一同が偶然カフェに集合して、主人公が「何という偶然だ!」(おいおい)と言ったり、マスターがやけに渋くてモテモテだったり、ヒロインが3人登場して、それぞれが複雑な仲だったり……悪く言ってしまうと、今で言う「ケータイ小説」っぽい構成。しかし、細部までキャラを作りこんでいるので、感情移入がし易い佳作に仕上がっています。 思わせぶりな実業家や〇〇財閥のお嬢様が出て来る辺りなんか、まさにケータイ小説っぽい(苦笑)これが、物語と何の関係もなかったのは惜しいです。 殺人事件自体は、誰が犯人か(というかこの人しかいない)すぐ分かると思います。思わせぶりなシーンでモロバレ。動機は悲しかった。全然悪気がなく言った一言が、相手を(そして自分を)こんなに傷付けてしまうとは。

  • 昔は乱歩賞って、この程度でもらえてたんですね。

    はっきり言って、面白くない。芸人に例えると、あの、名前も思い浮かばない、ゲッツの人。 そもそも、飲み屋に客が金属バットを忘れて、放置するか?翌々日にでも、すぐに、取りに帰って来るだろ、店に。ご都合主義の極み。 バイクの描写以外は与太話。ただのバイク好きなら、読む価値あるかも。

  • バイク好きの若人と恵子を中心とした推理もの

    バイク好きの若者を柱に、恵子という娘を巡る推理仕立てもの。生き生きとした,感じに描かれていて良い処もあるのですが、推理が甘く、大人が読むには難あり。しかし、この時期しかない青春は、読み手に伝わってきて捨てがたい作品です。

  • 隔靴掻痒

    週刊文春1987年 国内5位 一年前に発生した義妹の未解決刺殺事件を探るため、芹沢は現場となった神戸パブ”ルーエ”へ赴く。従業員らや、昔の仲間に温かく迎えられる芹沢は、この中に犯人がいることに気づいていく ・・・ 江戸川乱歩賞を最年少(24歳)で受賞した作品。 バイクで疾走するシーンは、臨場感があって、作者がバイク小説家と言われることが良くわかる。が、ミステリとして面白いかというとそうでもない。なんで?って気になるところが多々あったりする。もう少し書き込んでくれれば納得できるところもあるのだが、残念ながら隔靴掻痒というしかない。 選者のひとりが、はからずも江戸川乱歩賞として不作の年と評していたが、そうなんだろうなぁ。作者の若さに期待したということか。 TV向けに映像化されているようだが、サスペンス劇場の原作を読んでいるようだった。

  • うーん……

    なぜバイク雑誌のカメラマンが捜査を開始するのでしょう? しかもやたらハードボイルドを気取っている。そこへ不可解なおしゃべり刑事が登場し…… 途中から飛ばし読みになってしまった。バイクの記述も大したことない。 バイクに対する熱い想いはわかるけど、作品に全然関係ないことだし。 これで受賞できたのは、三作目だったからか、それともその年、他にろくなものがなかったからでしょうか?

  • 完成度で劣るような

    1年前、刺殺されたのは蒸発した母の産んだ娘だった。妹を殺した犯人を探し、カメラマンの芹沢はかつて過ごした神戸へと帰ってきた。現場であるバーの関係者から話を聞き、調査を進める芹沢だったが、再び事件が発生する。 第33回江戸川乱歩賞受賞作。 まずは、良いところから。これは、散々、作品紹介にも書かれているんだけど、バイクで疾走するシーンじゃないかと思う。私は、あんまりモータースポーツに詳しいとは言えないので、どの程度のレベルかは判断できかねるのだが、かなりこだわりを感じた。迫力もあると思う。 が、全体的に見れば、あまり出来が良いとは思えない。まず、良いところ、と書いたバイクの疾走シーンなのだが、事件の方とは一切関係が無い。メーカー名だとかを出してのこだわりは感じるのだが、本編に一切関わってこないところでのこだわりは、興味の薄い読者にはちょっと辛い面もある。また、事件に関しても、真犯人の動機はともかくとして、大きく関わるある人物の行動の理由が不明だ。全体的な人物描写、人間関係も最初からちょっと人工感が否めないし。そして、ある意味では一番大きな部分かもしれないけど、なぜ主人公・芹沢は妹の事件の真相を探ろうとしたのだろう? (作品が始まった時点では)面識の無い戸籍上の肉親というだけだし、作品を読み終えてもそこまで事件を探る理由がわからないのだ。どうもその辺りのチグハグ感がぬぐえなかった。 完成度という意味で、ちょっと劣る気がする。

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