日本の文学賞

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やすらかに今はねむり給え

谷崎潤一郎賞

やすらかに今はねむり給え

林京子

『やすらかに今はねむり給え』は、林京子による小説。受賞として記録され、作品の題名やジャンルから作者の初期・代表的な関心がうかがえる。

小説文学賞受賞作日本文学

作品情報

林京子の『やすらかに今はねむり給え』は、受賞歴とともに読み継がれる小説。

林京子の小説。被爆体験と記憶を見つめ続けた著者の主題が、祈りに近い題名へ凝縮されている。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1990-06-01
ページ数
172ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062048958
ISBN-10
4062048957
価格
591 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第26回(1990年) 谷崎潤一郎賞受賞

レビュー

  • 八月九日が運命であるならば、人間が犯す罪は許されてしまう

    以下の2編が収録されています。 ①道 ②やすらかに今はねむり給え ◆道(星5) 長崎に原子爆弾が投下された30年後の話。 当時、N高女の女学生だった主人公が恩師の元を訪れ、八月九日の原爆投下とその日の夜の出来事、そして翌日の出来事を振り返ります。 二人の会話は、静かに進んでいきます。 その日、N高女の生徒たちが次々と亡くなっていきました。 先生たちも亡くなっていきました。 戦後やってきたアメリカ人は、亡くなった人たちを、人としてではなくて、ただの数字として記録していきました。 「長崎市民で、八月九日を知らない世代が既に半数を占めている。目前の原子力船「むつ」など、耳目にふれる問題は闘争の対象になりやすいが、被爆体験のないある若者は、 体験のない平和運動は疑問に思う、という。運動をつきつめていった時、つきあたる体験の核がない。だから八月九日は、彼らの世界から浮きあがってしまう」 戦争が終わり80年以上が経過しました。 当時のことを知る人も、ごくわずかしかいない中、当時のことを知ることができる本書は、貴重な、歴史の証言者となるでしょう。 ◆やすらかに今はねむり給え(星5) 学徒動員令により、長崎県の三菱兵器大橋工場に動員された女学生たちの物語です。 期間は、1945年5月21日〜8月9日までと、その後数日。 妙子(友人)の日記と、無田先生の工場日記を挟みこみながら、物語は進んでいきます。 女学生たちは、工場内の各部署に配属され、主人公(=著者と思われる)は、紙屑から紙を再生する「紙屑再生場」に配属されます。 工場内で使用済みになった紙を水に溶かして固めたものが紙の原料となります。 女学生たちはその原料を作る作業に従事するのですが、紙屑には紙だけではなく異物も多く含まれているため、不衛生なうえに危険が伴っていました。 主人公の持ち場だけでなく、各部署に配属された他の女学生たちの工場内での様子もつづられていきます。 仕事の困難さ、過酷さ、警戒警報発令、杉山への避難、防空壕は少なく、生徒たちは山肌で空襲が過ぎるのを待つ、山の上の火薬庫に引火したら全滅する恐怖におびえながら、警報解除、工場に復帰、仕事に戻る、終業、列車で家路へ、列車内での女学生同士のたわいもないおしゃべり、帰宅、就寝、そして翌日、同じような一日がまた始まる。 七月、空襲の数が日を追って多くなっていき、杉山へ退避する時間も多くなってきます。 八月八日、妙子の日記も、無田先生の工場日記も、その日を最後に沈黙します。 沖縄の七高生追悼文集に記されている追悼の言葉で、物語は幕を閉じます。 「友よ許してくれ。花のいのちよ、価値ある人生を送るはずであった友よ、 やすらかに今はねむり給え」

  • 朗読会の題材として

    本書を知り、読み込んでいるところです。 初見で音読した際、一気に2時間近く没頭し音読し通し作品の深い深い余韻が遺りました。 後書きを読み改めて、やすらかに今は眠り給え、と彼方の方々を未来を思いました。 現実世界が不安に溢れているとしても。 日々の喜び見逃さないよう希望抱き生きていく。 朗読会の発表、がんばります。

  • 長崎で学徒動員された日の記録です

    原爆投下された日、川に泳ぎに行って飛び込んでいて助かった人、トイレに入っていて、光線をさえぎる壁側に寝ていて、命拾いをした人。同じ場所で働く学徒動員の仲間でも生死を分けた。(被爆者談)この本は、本来学生でありながら、学業は中断し長崎の兵器工場に動員された学生の記録です。そこにはドラマが描かれているわけではありませんが、事実を記録しているその行間から物語が伝わってきます。当時の生徒の思い、教師の、家族の思いが伺えます。少し難しいかもしれませんが、こういう記録を読むことも大切だと思います。

  • きれいな商品を受け取りました。ありがとうございました。

    きれいな商品を受け取りました。ありがとうございました。

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