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第73回(1975年) 受賞受賞作: 祭りの場
『祭りの場』は、長崎での被爆体験を抑制された筆致で描く林京子の代表作である。叫びではなく、記憶の奥に残る身体感覚と沈黙を通して、原爆の時間を文学に刻み込む。
長崎の被爆体験を、抑えた言葉で深い衝撃へ変えた芥川賞受賞作。
398ページ被爆体験記憶長崎戦争文学
林 京子
はやし きょうこ
Hayashi Kyoko
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1930-08-28 (長崎県長崎市)
- 死没
- 2017-02-19 86歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 上海(幼年期) → 長崎市(出生・帰国後)
経歴
- 職業
- 小説家, 随筆家
- 活動期間
- 1975年〜2017年
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 長崎医科大学附属厚生女学部専科(中退) | 厚生女学部専科 | 専科 | — | 在学中に中退 | 日本 |
長崎医科大学附属厚生女学部専科(中退)
厚生女学部専科
/ 専科
期間:
在学中に中退
国:
日本
長崎医科大学附属の女子部に在籍したが中退した。
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1975 | 群像新人文学賞 | 祭りの場 | — | 群像(講談社) | Won |
| 1975 | 芥川賞 | 祭りの場 | — | 文藝春秋(芥川賞選考) | Won |
| 1978 | 芸術選奨文部大臣新人賞(内示・辞退) | ギヤマン ビードロ | 新人賞 | 文化庁(芸術選奨) | Declined |
| 1983 | 女流文学賞 | 上海 | — | 女流文学賞選考委員会 | Won |
| 1984 | 川端康成文学賞 | 三界の家 | — | 川端康成文学賞選考委員会 | Won |
| 1990 | 谷崎潤一郎賞 | やすらかに今はねむり給え | — | 谷崎潤一郎賞選考委員会 | Won |
| 2000 | 野間文芸賞 | 長い時間をかけた人間の経験 | — | 野間文芸賞選考委員会 | Won |
| 2006 | 朝日賞 | その全集に至る文学的功績 | — | 朝日新聞社 | Won |
群像新人文学賞
1975
対象作品:
祭りの場
主催:
群像(講談社)
結果:
Won
芥川賞
1975
対象作品:
祭りの場
主催:
文藝春秋(芥川賞選考)
結果:
Won
芸術選奨文部大臣新人賞(内示・辞退)
1978
対象作品:
ギヤマン ビードロ
部門:
新人賞
主催:
文化庁(芸術選奨)
結果:
Declined
女流文学賞
1983
対象作品:
上海
主催:
女流文学賞選考委員会
結果:
Won
川端康成文学賞
1984
対象作品:
三界の家
主催:
川端康成文学賞選考委員会
結果:
Won
谷崎潤一郎賞
1990
対象作品:
やすらかに今はねむり給え
主催:
谷崎潤一郎賞選考委員会
結果:
Won
野間文芸賞
2000
対象作品:
長い時間をかけた人間の経験
主催:
野間文芸賞選考委員会
結果:
Won
朝日賞
2006
対象作品:
その全集に至る文学的功績
主催:
朝日新聞社
結果:
Won
受賞・候補エディション
芥川龍之介賞
1回登壇
群像新人文学賞
1回登壇
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第18回(1975年) 受賞
女流文学賞
1回登壇
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第22回(1983年) 受賞受賞作: 上海
『上海』は、終戦直前までを過ごした街を三十六年後に訪ね、少女時代の記憶と現在の旅を重ねる林京子の作品である。五日間の滞在を通して、遠くなった都市との距離を測り直していく。
少女時代の上海と、三十六年後に再び歩く上海。その二つの時間が静かに響き合う。
440ページ上海少女時代の記憶再訪戦前と戦後
川端康成文学賞
1回登壇
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第11回(1984年) 受賞受賞作: 三界の家
『三界の家』は、林京子による文学作品。受賞作として、作者の問題意識と表現の特色を伝える一作である。
受賞作『三界の家』を入口に、林京子の表現世界へ導く。
文学受賞作表現
谷崎潤一郎賞
1回登壇
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第26回(1990年) 受賞受賞作: やすらかに今はねむり給え
『やすらかに今はねむり給え』は、林京子による小説。受賞として記録され、作品の題名やジャンルから作者の初期・代表的な関心がうかがえる。
林京子の『やすらかに今はねむり給え』は、受賞歴とともに読み継がれる小説。
172ページ小説文学賞受賞作日本文学
野間文芸賞
1回登壇
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第53回(2000年) 受賞受賞作: 長い時間をかけた人間の経験
『2000』は作者による受賞作。作品名が示す主題を軸に、人物や時代の感触を読ませる。
『2000』は、受賞作として読み継がれる作品です。
文学賞受賞作人間関係時代の感触
作品
代表作
祭りの場
1975年 短編(小説)被爆体験をモチーフにした短編。作者の長崎での経験や被爆者としての視点を織り込みながら、生と死、記憶を見つめる作品。
原爆記憶家族生と死
ギヤマン ビードロ
1978年 短編連作十二編の短編からなる連作集。被爆体験、家庭や少女期の上海での記憶などをモチーフとした作品群。
被爆体験上海家庭記録
上海
1983年 小説幼年期を過ごした上海を主題とする作品。上海における記憶や疎外感、中国との関係を描く。
上海幼年期移民記憶
やすらかに今はねむり給え
1991年 短編集家族や老い、死を見つめる短編を収めた作品集。作者の死生観や私小説的要素が色濃く出る。
家族老い死私小説
長い時間をかけた人間の経験
2000年 随筆・短編集長年にわたる観察と体験を基にした随筆的作品。時間と経験、作家としての歩みを顧みる内容。
時間経験老い回想
全著作
- 祭りの場(1975)
- ギヤマン ビードロ(1978)
- ミッシェルの口紅(1980)
- 無きが如き(1981)
- 上海(1983)
- 三界の家(1984)
- 道(1985)
- 谷間(1988)
- ヴァージニアの青い空(1988)
- ドッグウッドの花咲く町(1989)
- 輪舞(1989)
- やすらかに今はねむり給え(1991)
- 瞬間の記憶(1992)
- 青春(1994)
- 老いた子が老いた親をみる時代(1995)
- 樫の木のテーブル(1996)
- おさきに(1996)
- 予定時間(1998)
- 長い時間をかけた人間の経験(2000)
- 希望(2005)
- 林京子全集(全8巻、2005)
翻案
- ハイビジョン特集 被爆した女たちは生きた(NHK 2010年)
作風・主題
- 文体
- 静かな語り口内省的事実に根ざした描写
- 頻出モチーフ
- 原爆体験上海の記憶家族死と生
健康
-
被爆(原爆症への不安)1945年以降被爆体験と原爆症への不安が作風・主題に強く影響し、死と生を見つめる作品群を生んだ。
評価・遺産
林京子は被爆作家として日本現代文学の重要な位置を占める。被爆体験や上海での幼年期をモチーフにした作品群で高い評価を受け、多数の文学賞を受賞した一方、国家的な賞の辞退や原爆をめぐる論争もあった。
資料所蔵先
- 長崎県立図書館(ミライon図書館 資料)
- NHKアーカイブス(関連番組資料)
大衆文化への影響
- NHKハイビジョン特集『被爆した女たちは生きた』での取り上げ(2010)
豆知識
- 1945年、長崎市の三菱兵器工場で学徒動員中に被爆。配属先の紙くず再生場は爆心地から約1.4キロメートルの地点であり、瓦礫の下敷きになりながらも奇跡的に生還した。
- 1963年に被爆者手帳を受けている。
- 1975年に短編『祭りの場』で群像新人文学賞と芥川賞を受賞し文壇に登場した。
- 『ギヤマン ビードロ』で芸術選奨の内示を受けたが、『被爆者であるから国家の賞を受けられない』として辞退した。
- 中上健次から『原爆ファシスト』と批判されたことがある。
- 幼年期を中国・上海で過ごしており、上海を題材にした作品群(上海三部作など)がある。
- 2005年に『林京子全集』全8巻が刊行された。