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身分帳

伊藤整文学賞

身分帳

佐木隆三

『身分帳』は佐木隆三の長篇小説。刑務所を満期出所した男の軌跡を通して、戸籍、孤独、社会との関係を鋭く描く。

刑務所戸籍孤独社会

作品情報

一人で生きざるをえない男の歩みから、個人と社会の境目を問う長篇。

講談社刊の長篇小説。戸籍を持たず、受刑を重ねてきた男が刑務所を出た後の歩みを描き、制度の外側に置かれた人間の孤独と尊厳を見つめる。後年、映画化により再び注目された原作でもある。

レビュー要約

  • 犯罪者を外側から断じるのではなく、出所後の生を追うことで人間と社会の関係を問い直す力がある。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1990-06-01
ページ数
359ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062049566
ISBN-10
4062049562
価格
979 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

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レビュー

  • 映画より

    映画を観た後に読みましたが、とても 読みやすかったです。

  • 「この世界は生きづらく、あたたかい」ぴったりくるキャッチコピーだ

    最近役所広司主演で話題になった映画の原作だが、これは既に30年以上も前に刊行されている。 一旦絶版にまでなった原作を映画の監督である西川美和が探し出して映画化したとある。「復習するは 我にあり」に代表される犯罪小説(あるいはほぼノンフィクション)を得意の分野にしている佐木隆三らしい 作品だ。山川一という男が13年にもわたる収監生活の後、如何にして日常社会に溶け込もうと、 もがく様が描かれる。佐木は、この小説を書きあげるにあたり、この山川一(本名は違うらしいが)と 密着した生活を送りながら、苦労をした様子も巻末の「行路病死人」というパートで描いている。 この主人公は曲がったことが大嫌いという性格の割には、短気で犯罪を犯しやすい性格であったらしい。 ある意味、まったくの善人ではなかったということもわかる。世の中はきっと彼には辛いものであったと思う半面、周りは善人ばかりで、ある意味そういった人々のほうが奔放な主人公を持て余していたということだろう。戦後の混乱期に生まれ、家族の愛情を受けることなく育って来た主人公の世間知らずなまでの純粋さが、きっと生きづらさの一因となったのだろう。映画のキャッチコピーである「この世界は生きづらく、あたたかい」が妙にしっくりとくる。

  • 映画を見てから原作を読みました。

    映画が先のほうが良かったのか、原作を読んでから映画を見た方が良かったかを考えると、原作を読んでからのほうが良いのかなと思う。 やはり、生まれ育ちがその人の性格というか生き方を決めてしまい、もし主人公が愛情をもって育てられたら、几帳面さを持っていたようなので違う人生を送れただろうなと思った。

  • あっという間に読了

    映画を観て、原作を読みたくなりKindle版を購入。山川一の人生に引き込まれて8時間足らずで読了。

  • 身分帳

    淡々と、書かれてあり、おもしろかったです。

  • あまりの暗さに鬱々とするけれど、知るべき世界

    映画のポスターと新聞の広告に惹かれて電子書籍で購入してから、ずっとページを捲れずにいましたが読み始めると一気に読めました。 犯罪者の出所後の暮らし、収監時の細則、法廷の判決文。弁護士やケースワーカーなどの細かな業務。どれも普通に暮らしていたらまず知らない世界で、年に数回あるかどうかのドキュメンタリーでもここまでは細かく「犯罪者」が「市民」に戻るまでの難しさを描いている資料はないと思います。 このテーマを小説に、映画にと奔走して下さった皆さんの情熱が感じられました。読んでハッピーになる本ではないのですが、人の心身の「居場所」「拠り所」がどれだけ人を救うかを実感させられるでした。

  • 映画もよかったけど

    映画もよかったけど、原作もいいですね。 かかわりを持ちたくないようなヤクザものだけど、この人の場合、根が几帳面で長い収監の中で培ったであろう論理性があって、生い立ちがまともならば、こうはなっていなかったんだろうなという同情が沸く。そもそもヤクザには向いていなかったんじゃないかしらん。 そうした気持ちから手を差し伸べる人が少なくないのだけれども、40半ばまでほぼ塀の中で暮らし、高血圧の持病。立ち直るのが難しい状況において、差し伸べられる手が優しくもあり悲しくもある。

  • 自分の知らない世界

    すばらしき世界の映画予告を見て、興味を持ちました。私の個人の意見としては訴訟内容や報告文など資料的な文章が多く読むのが疲れてしまった。しかしそれ以外はなかなか面白く惹き込まれた。だからこそもっと出所してからの彼の日常に入り込みたかった。

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