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新トロイア物語

吉川英治文学賞

新トロイア物語

阿刀田高

『新トロイア物語』は阿刀田高による作品です。阿刀田, 高, 1935-から1994.11に刊行が確認できる一冊で、受賞対象となった時期の作者の関心と語り口を伝えます。

受賞作現代文学作者の代表的関心

作品情報

『新トロイア物語』は、阿刀田高の受賞対象となった作品です。

『新トロイア物語』は、阿刀田高の作風を知るうえで手がかりになる作品です。刊行情報が確認できるため、単行本または文庫として読まれてきた受賞作として扱えます。

書籍情報

出版社
講談社
発売日
1994-12-01
ページ数
565ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784062072205
ISBN-10
4062072203
価格
1000 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

第29回(1995年) 吉川英治文学賞受賞

レビュー

  • ギリシアの叙事詩をもとにした、壮大な歴史小説

    ホメロスの「イリアス」「オデユッセイア」、ヴェルギリウスの「アエネイス」というギリシアの叙事詩をもとにした、壮大な歴史小説。 主人公だけでなく、脇役の従者も、個性豊かに描かれていて、躍動する。 叙事詩の翻訳もあるが、読み進むには、相当の辛抱が必要。 その点本書は、わくわくしながら読み進めることができる。 1994年発表、吉川栄治文学賞受賞作。 主人公は、トロイア国の王家の血をひく若者の、アイネイアス。 ①トロイアの第二王子パリスは美男子だがやや享楽的。ギリシアのスパルテイ国に公用で赴いた時、スパルテイ王のメネラオスの妻、絶世の美女のヘレネと恋に落ち、略奪してしまう。悲劇はこの美談美女のカップルから起こる。 ②これに怒ったのが、メネラオスの兄でミケーネ国王のアガメムノン。トロイア征伐を画策、ギリシアの大軍を率いて船でトロイアに向かう。 ③いよいよトロイア城の攻防戦が開始される。激しい戦いで両軍とも武将が次々に戦死していく。トロイア側は、第一王子のヘクトル、戦争のきっかけを作った第二王子のパリスも戦死する。 ④決着は、伝説では「トロイの木馬」だが、本書ではその説はとっていない。トロイア城は落城、王のプリアモスも没する。 ⑤アイネイアスは丁度城外にいたため落城を逃れる。 ⑥アイネイアスは、20人程度の手勢で、船に乗り西へ。ギリシア沖を通り、アフリカ大陸のカルタゴまで行きつく。ここから東へ、シチリア島を経由、イタリアのテルベ川の河口にたどり着く。そこで新トロイア国を建国する。 ⑦これが古代ローマ帝国のもととなったとの言い伝え。

  • トロイ戦争に興味のある人はぜひ一読を

    日本人にも馴染みやすく読めるように少し史実を書き換えているようです。あくまでも小説として読むのであれば面白く読みやすいです。絶版のままなのが残念

  • 壮大な人間ドラマ。これを読まないのはもったいない。

    阿刀田高は短編作家として よく知られているが、 短編の数と比べれば 少ないものの、 長編小説も著している。 トロイア国の王家に属する武士 アイネイアスの人生を通して トロイア滅亡から 新たな王国の建立までの 長きにわたる壮大なドラマが 展開されている。 読みながら 地中海の包み込む 3000年も前の人々の生き様に 思いを馳せてしまう。 阿刀田の長編小説には 必ず「旅」がキーワードとなるのだが 本書を読んでいても 彼の地を訪れてみたくなる。 地中海沿岸の古代史に 興味がない読者にも 手にとって読んでほしい 素晴らしい物語だ。

  • アイネイアスの成長物語

    吉川英治文学賞を受賞した畢生の大作である。しかし阿刀田ファンでありながらトロイア戦争にはあまり興味がなかったため、正直、本書のことは避けていた。上梓からおよそ30年、本棚に眠っていた本書を夏の課題図書に挑むつもりで読んでみた。 とてもよかった。トロイア戦争のことだけでなく、その後のことも書かれているのが面白かった。時は紀元前13世紀。主人公はアフロディテの子と言われた英雄、アイネイアス。トロイアからギリシャへ、ギリシャからローマへ、彼がローマ建国の祖となるまでの成長物語が描かれている。 ヘクトル、パリス、アキレウスといったおなじみの英雄ももちろん出てくるが、僕はアイネイアスという人のことは知らなかったので、興味深かった。トロイア戦争といえばホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』が有名だが、ヴェルギリウスの『アエネイス』というのもあるようで、勉強になった。 あとがきを読むと、これだけの大長編を書き上げるのは大変だったんだな、と苦労がしのばれる。本書にはけっこう作者の創作も入っているようだが、そもそも歴史小説とはそういうものだし、むしろ戦国武将を書くよりはるかに創作は必要だったろう。作者によると「これは古代史を舞台とした、現代日本人アイネイアスの物語」なのだとか。 印象的だったのは、作中でたびたび出てくる「戦争が足りていない」という言葉だ。トロイア戦争から3000年以上の時を経ても、人類はいまだに戦争に飽きていない。そのことにしみじみとしてしまう。

  • 良かっです。

    良かったですよ。帯、付属の登場人物説明ペーパーもありまして文句無しです。

  • 内部のヤケが思ったより強かった

    良いとの評価で購入したがヤケが思いのほか強かった。評価を信用して購入するので、もっと誠意を持って販売して欲しい。

  • ギリシャ(トルコ?)の神話がわかる。

    阿刀田作品は短編が多いが、長編は読みごたえがある。師子王アレクサンドレスも同様に良かった。

  • 北方水滸伝に通じるものがある名著です。

    阿刀田さんの著書は、あまり沢山読んでいないのですが、面白くて勉強になるものが多いです。 特にこの「新トロイア物語」と「師子王アレクサンドロス」は素晴らしい。 気宇壮大なことでは、辻邦生の「背教者ユリアヌス」を思わせるものがあります。 北方謙三氏の「水滸伝」に通じるものもあります。 一つは抜群に面白いことです。 もう一つは超常現象的な要素が出てこないことです。 登場人物たちは古代人ですから神の存在を信じていますが、ホメロスの叙事詩のように神様が 登場人物として物語の流れを左右することはありません。 これを読んでから映画「トロイ」を楽しんでもいいでしょうし、 ホメロスの叙事詩に岩波文庫などで挑戦するのもいいでしょう。

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